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平成 3年第一部決算特別委員会−10月17日-02号
平成 3年第二部決算特別委員会−10月17日-02号

  • "高齢化対策"(/)
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  1. 札幌市議会 1991-10-17
    平成 3年第二部決算特別委員会−10月17日-02号


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    最終取得日: 2021-04-26
    平成 3年第二部決算特別委員会−10月17日-02号平成 3年第二部決算特別委員会            札幌市議会第二部決算特別委員会会議録(第2号)                 平成3年10月17日(木曜日)午後1時開議       ────────────────────────────────── 〇付議事件  議案第1号 平成2年度札幌市一般会計歳入歳出決算のちち,  歳  入 特定財源のうち,市立病院を除く付託分全部  歳  出 第3款 民生費  第1項 社会福祉費                第2項 児童福祉費                第4項 老人福祉費                第5項 生活保護費                第6項 国民年金費                第7項 医療助成費       第5款 労働費  第1項 労働費  ・平成2年度札幌市母子福祉資金貸付会計歳入歳出決算  ・平成2年度札幌市寡婦福祉資金貸付会計歳入歳出決算  ・平成2年度札幌市国民健康保険会計歳入歳出決算  ・平成2年度札幌市老人医療会計歳入歳出決算       ────────────────────────────────── 〇出席委員(34人)
     委員長   小 谷 俵 藏 君       副委員長  富 田 新 一 君  委  員  田 畑 光 雄 君       委  員  山 田 信市郎 君  委  員  室 橋 一 郎 君       委  員  佐 藤 寿 雄 君  委  員  佐 藤 美智夫 君       委  員  高 橋 忠 明 君  委  員  武 市 憲 一 君       委  員  道 見 重 信 君  委  員  藤 田 雅 弘 君       委  員  滝 沢   隆 若  妻  員  湊 谷   隆 君       委  員  伊与部 敏 雄 君  委  員  澤 木 繁 成 君       委  員  猪 熊 輝 夫 君  委  員  大 西 利 夫 君       委  員  田 畔   満 君  委  員  政 氏   雅 君       委  員  唯   博 幸 君  委  員  丹 野   勝 君       委  員  春 原 良 雄 君  委  員  柿 崎   勲 君       委  員  長 岡 武 夫 君  委  員  村 山 優 治 君       委  員  千 葉 英 守 君  委  員  原 口 伸 一 君       委  員  高 橋 重 人 君  委  員  生 駒 正 尚 君       委  員  小 川 勝 美 君  委  員  横 山 博 子 君       委  員  武 藤 光 惠 君  委  員  山 口 た か 君       委  員  福 士   勝 君       ────────────────────────────────── 〇欠席委員(1人)  委  員  野 間 義 男 君       ────────────────────────────────── 〇説明員  市長                          桂   信 雄 君  助役                          木 戸 喜一郎 君  監査委員                        山 本   穫 君  民生局長                        大 長 記 興 君  衛生局長                        高 杉 信 男 君  経済局長                        鈴 木 俊 雄 君  建設局長                        平 賀 岑 吾 君  都市整備局長                      広 畑 民 雄 君  建築局長                        関 谷 幸 正 君       ────────────────────────────────── 〇書記  委員会二係長                      野辺地   正 君  書記                          常 野 正 浩 君  書記                          高 井 俊 哉 君  書記                          加 藤 寿 一 君  書記                          高 佐 三緒子 君     ──────────────       開 議 午後1時     ────────────── ○小谷 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,野間委員からは欠席する旨,届け出がございました。  なお,議事に先立ちまして,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告をいたします。  質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。  答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職・氏名を名のってから発言をしていただきます。なお,答弁が続行する場合は,最初だけで結構でございます。また,委員から特に答弁者を指名した場合は,その方に答弁をしていただきます。  なお,さらにつけ加えさせていただきますが,本日の質問者は24名でございます。したがいまして,相当の時間がかかるものと予測されるわけでございますが,3時をめどに休憩をさせていただくように努力をいたしてまいりたいと思いますし,また,5時をめどに本日の委員会を終了いたしたいと,このように考えておりますが,委員各位の皆様方の質問につきましては,なるべく簡潔を旨としてお願いを申し上げ,あわせまして,理事者におきましても,同様ご協力をいただきたくお願いを申し上げます。  それでは,議事に入ります。  議案第1号 平成2年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分を議題といたします。  初めに,一般会計決算のうち市立病院関係分を除く歳入の関係分について,一括して質疑を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○小谷 委員長  質疑はありませんので,以上で,一般会計のうち歳入の関係分についての質疑を終了いたします。  理事者の交代がありますので,暫時休憩をいたします。     ──────────────       休 憩 午後1時3分       再 開 午後1時4分     ────────────── ○小谷 委員長  委員会を再開いたします。  それでは,歳出について質疑を行います。  第3款 民生費 第1項 社会福祉費の質疑を行います。 ◆大西 委員  私は,さきの代表質問で,わが党の西村議員が指摘いたしました福祉の街づくりについて,さらに具体的にお尋ねをいたしたいと思います。  札幌市福祉の街づくり環境整備要綱が制定された昭和56年当時の札幌市の人口に占める障害者の割合は,昭和56年に2.09%だったのが,平成3年には2.93%となり,高齢者の人口比率も,昭和56年には6.4%から平成3年には9.2%に上昇しているのであります。  こうしたことからも,今日における障害者や高齢者の増加に対応した福祉の街づくりを長期的な展望に立って推進していくことは,きわめて重要な課題だと,こう認識をしているところでありまして,そこで,以下の2点について質問をしたいと思います。  その第1は,福祉の街づくり環境整備要綱制定後10年目を迎えている今日にあって,この要綱の果たした役割,成果についてお伺いをしたいと思います。  その第2は,現在の要綱が制定されてから10年を経過しており,障害者や高齢者の方々の社会参加をさらに促進するため,整備項目あるいは整備箇所といったものを今日的な基準に改善する必要があると考えます。  そこで,市民のだれもが安心して暮らせるまちづくりを進めるため,いまの要綱を見直す考えがあるかどうかお尋ねをいたします。  また,要綱を見直すとすれば,その時期はいつごろか具体的にお示しをいただきたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  ただいまご質問の第1点目でございますが,本市では環境整備要綱を昭和56年に定めまして,障害者や高齢者など社会生活上ハンディキャップを持たれる市民が,できる限り社会に参加できるよう,公共建築物や道路・公共輸送機関などの環境整備に努めてまいりました。  この10年の間には,要綱に基づきまして,市役所本庁舎,各区役所,区民センター等の公共施設におきましては,スロープですとか,身障者用トイレ,エレベーター,階段手すり等の改善整備を行なってきたところでございます。  また,障害者や老人等のハンディキャップを持たれる市民が利用しやすいことを示す国際シンボルマークの交付状況につきましても,昭和57年の91ヵ所から始まりまして,現在408ヵ所の施設に上っております。なお,408ヵ所のうち本市の施設は134ヵ所となってございます。  また,視力障害者用の点字ブロックの敷設状況でございますが,これまで5年計画に基づきまして,市内の中心部,公共施設周辺,地下鉄周辺の交差点,高等盲学校の通学路等に敷設してきており,現在2,232ヵ所,約8キロメートルに上っているところでございます。  また,身障者用の公衆トイレにつきましても,これまで大通公園,円山公園,月寒公園など大規模公園を中心に10の公園に設置されているところであり,今年度におきましても美香保公園など4公園に設置をすることにしております。  このように環境整備要綱は,ハンディキャップを持たれる市民の方々の社会参加を促進するための施設整備に大変大きな成果を上げてきたと考えております。  また,質問の第2点目でございますが,要綱の見直しについてでございますが,ご指摘のように,現在の要綱は,制定されましてから10年を経過しておりまして,私どもといたしましても,この間の社会的環境の変化に対応した要綱の見直しが必要であると認識をしているところでございます。したがいまして,見直しに当たりましては,新たにつくる公共施設についても建築局等,関係部局との連携をより深めながら,その適用基準についても検討するなど,より細やかな福祉環境整備の条件,整備基準の見直しといったものまで検討してまいりたいと考えております。  また,要綱の見直しにつきましては,他都市の資料などもすでに収集をしておりますので,速やかに具体的な準備作業に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆大西 委員  いまお尋ねをいたしました。順次整備がされてきていると,こういう答弁でございまして,私どもも一定の評価をするわけでありますが,しかし,この10年間に大規模な施設や区の拠点施設について,スロープはあっても入り口のドアが開き戸となっているところなどがあって,必ずしも障害者にとって利便性のある整備がされていないところもままあるわけであります。したがって,障害者や高齢者の方々などが利用しやすいように,もっと細やかな点も配慮すべきと思うが,この点について社会福祉環境整備チェック項目リストを作成し,きめ細かな環境整備を図る考えはないかどうかお尋ねをしたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  ご質問のございました整備チェック項目リストについてでございますが,よりきめ細やかな環境整備を図るために,要綱見直しをする際には,実際に利用されます障害者や高齢者の方々のご意見も十分にお伺いをしながら,どんな項目リストがよいのかを考えて作成してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆大西 委員  いま答弁によりますと,関係者の方々とも十分協議をしてと,こういうことですので,ぜひひとつ十分な協議を重ね,できるだけ早く整備をしていただきたい,こう要望したいと思います。  次に私は,肢体不自由児の療育体制についてお尋ねをしたいと思います。  平成2年4月の地方社会福祉審議会による仮称児童相談センターのあり方についての答申が,心身障害児の療育体制の整備と児童総合センターとのかかわりに関する諮問にこたえた幾つかの政策課題について,今後どのような形でこれを具体的に実現していくのかお尋ねをしたいと思います。  答申の内容は,障害児の療育体制の整備について児童総合センターを構想するに当たって,障害児福祉の中心的役割を担っている児童相談所の機能強化を図っていくことにあわせ,障害児施設を体系的に統合し,総合的児童センターとして機能させていかなければならないというのがこの諮問の骨子であります。  また,総合的児童センターが他の機関と連携を図っていくネットワークづくりも大変重要な課題である,こう認識をしているところであります。こうした観点から次の2点についてお伺いをしたいと思います。  第1は,各施設の組織的一元化を図るとのことですが,どのような構想を持っているのか,お伺いをしたいと思うのであります。  その2点は,各施設の機能強化を図る上で,理学療法士,作業療法士などの専門スタッフの増員や研修などによる資質の向上が不可欠と考えられますけれども,この点どのように対処していくのかお伺いしたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  関連施設の組織的一元化についてでございますが,障害児の療育にかかわりましては,近年の傾向として障害の重度化や重複化が指摘されております中で,施設の整備や早期療育,早期発見の体制の充実がより求められていることでございます。したがいまして,地方社会福祉審議会の答申にもありますように,肢体不自由児の療育については,現在計画中の児童福祉総合センターに併設をいたします肢体不自由児母子訓練センターを核といたしまして,既存のみかほ・ひまわり両整肢園のほか,関連施設との組織的一元化を図り,それぞれの施設が持っている機能や技術を施設間で有効に生かしながら療育効果を一層高める方策の検討を始めているところでございます。  次に,理学療法士等療法士などのスタッフの増員,資質の向上の問題でございますが,これらの専門職員が児童の療育を支える一つの柱でありますことは十分認識をしておりますので,これについては研修の充実を図るなど,先ほど申し上げました関係施設の組織的一元化を図る中で,あわせて関係部局との連携を深めながら,協議をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆大西 委員  いまの答弁によりますと,組織の一元化について肢体不自由児母子訓練センターを核として公立整肢園との一元化を図っていくとの答弁ですが,児童相談所を含めて,児童福祉総合センター構想全体で具体的に行政組織としてどのような機構としていくのか。また時期としては,いつごろからこういう構想に向かって具体的な検討を進めていくのか,あらためてお伺いをしたいと思います。  2点目に専門スタッフについてでありますが,その重要性について理事者も理解を示しておりますが,また今後組織を検討していくとの考えもいまの答弁でよくわかりました。  しかし,専門スタッフといっても職種の問題,また配置される人員の数の問題など問題点がなくさんあるわけであります。現在母子訓練センターには,医師が2名,看護婦6名,理学療法士2名,作業療法士2名,保母などが2名。みかほ整肢園では,医師が1名,理学療法士が2名,作業療法士1名,保母さんが7名。また,ひまわり整肢園では,医師が1名,理学療法士1名,作業療法士1名,保母さんなどが7名,こういう配置になっているように聞いております。障害が重度化重複化する傾向にある中で,複数の医師の配置や専門スタッフの充実強化は緊急の課題であります。  聞くところによりますと,医師などは4名程度必要だと,こういう見解が示されているところもございまして,ぜひひとつ医師ほか専門スタッフの充実強化について具体的に検討を進めていただきたいと思うのでありますが,その考え方についてぜひこの場でお聞かせをいただきたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  ただいまのご質問をまとめてお答え申し上げます。  児童福祉総合センター構想の中での組織編成の問題,また,その職員配置の問題ということでございますが,この構想を打ち出して以来,ご指摘の問題につきましては,私ども内部的に検討をしてきておりますが,機構改革及び職員配置ともに札幌市全体の中で考えていかなければならないことでございますので,この場でどういう,具体的にこういうこと,こういうものにと申し上げるまでには至っておりません。  しかしながら,いずれにいたしましても,このセンターは平成5年度のオープンをめどに目指しているものでございますので,これに向けまして,ご質問の趣旨を十分踏まえて,また今後関係部局とも十分協議をし,障害児の療育体制をさらに充実できますように進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆原口 委員  私は,社会福祉施設の整備並びに関連する問題につきまして,質問させていただきます。  昭和56年の国際障害者年を契機といたしまして,障害者ができる限り日常生活や社会生活を,健常者と同じように地域でできるようにするためのノーマライゼーションの理念に基づきまして,いろいろな施策がそれ以来とられてきたわけでございますけれども,近年は特に障害を持っている方々への理解も進みまして,在宅福祉の充実というのが叫ばれておりますし,それがいま現実に求められていると思うわけであります。  そのような考え方は,でき得る限り自宅で家族と一緒に生活をしたい,こういう願いと,そのために身近なところに適所できる施設があればと願うそういう親御さんが多くなってきたことであるとか,それから障害者自身の自立意識であるとか,それから在宅志向というようなものが大きく左右しているのではないかというふうに考えるわけでございます。それだからこそ,自宅と社会を結ぶ場所としての適所施設の役割が大きな役割を持っておるわけでございますし,そういうものが期待されている,そういうふうに考えるわけでございます。  しかしながら,障害の程度であるとか,その内容,年齢によりまして,施設の種類はいろいろあるわけでございますけれども,市全体の適所の社会福祉施設の設置状況を調べてみますと,中央区,白石区,手稲区がゼロ,厚別区,北区が1ヵ所,東区は社会復帰センターと整備中のものを含めまして3ヵ所,西区と豊平区が5ヵ所,このようになっておるわけでございますが,以上のような結果から見ますと,区によって非常に多いところと全くないところというようなことがあるわけでございます。これは,土地の問題であるとか,設置者である社会福祉法人の意向もあるんでしょうけれども,簡単にどこそこにということで設置はできないとは思いますけれども,札幌市全体の問題として整備をしてこられているのではないかというふうに思います。  しかしながら,適所施設は,児童であるとか障害児・者にとりまして,自分と社会を結ぶ社会参加の場であるわけでございますから,地下鉄であるとか,公園であるとか,スポーツ施設であるとか,そういうふうな交通事情なども含めまして,そういうような日常生活の条件の整ったところに適所の施設が必要ではないか,こんなふうに私は考えるわけでございます。  そこで,2点お尋ねをいたしたいと思うわけでございますけれども,第1点目としまして,これから本市で社会福祉施設を整備するに当たりまして,市全体で施設数をふやせばいいということではなくて,地域性を考慮した上でバランスをとっていただいて,そういう適所施設に重点を置いた整備をする必要があるのではないかな,こんなふうに私は考えるわけでございますけれども,今後どのようにされていくのかお考えをお尋ねしたいというふうに思います。  それから次に,第2点目といたしまして,障害者の高齢化対策についてであります。
     障害を持つ児童であるとか,あるいは高等部を卒業して障害に合った授産施設,また更生の適所施設,また小規模授産施設,または就労というふうな,いろいろな方面にその方々は社会生活を送っていくことになるわけでございますけれども,障害者の高齢化の現象の発現は,一般健常者よりも非常に早いというふうに聞いておるわけでございます。さらに障害者を抱えた家族も高齢化してくる。そうしますと,障害者が家庭において生活すること自体が非常に困難な環境になるわけでございまして,そういうことを考えてみますと,大変深刻な状況になるであろうというふうに推測されるわけでございます。  その意味では,適所施設であるとか,在宅福祉の充実とあわせまして,障害者の高齢化への対策,そういう対策としての施設整備も図っていかなければならないのではないかなというふうに私は考えるわけでございます。  以上の2点につきまして,今後どのようにされていくのかお考えをお聞かせ願いたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  第1点目の社会福祉施設の整備の問題でございますが,障害者のニーズですとか,関連諸団体等の意見を十分に取り入れながら現在整備を進めているところでございます。  児童及び身体障害者の施設整備につきましては,札幌市の権限で整備が可能でございますけれども,精神薄弱者の施設につきましては,法の改正によりまして,平成5年から本市独自での整備が可能となります。  近年はおっしゃるように在宅志向の傾向にございまして,入所の施設も必要でございますが,適所施設を重点に整備が可能となるよう,また適所であるということから,地域的なバランスを十分考慮しながら考えてまいりたいと存じます。  二つ目の高齢化対策についてでございますが,ご指摘のように在宅介護が困難になった場合,あるいは入所している障害者の介護が必要になったような場合につきましては,家族や障害者の方が安心して老後を送れるように配慮をする必要があるということは十分認識をしており,そのための施設づくりが必要でございまして,今後の課題となるところでございます。したがいまして,今後とも国に対しましては,高齢者棟の設置を要望するとともに,高齢者棟としての性格を持つ施設整備を関係機関と協議をしながら実現させてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。 ◆原口 委員  次に,児童関係の適所施設についてですけれども,市全体で見ても肢体不自由児の適所施設が東区と豊平区,精薄児の適所は豊平区に1ヵ所というふうに,全市で3ヵ所しかないわけでございますし,またここしばらくの間は整備されてない,そういう状況にあるように聞いておるわけでございます。  本年2月の議会でも,肢体不自由児施設の増設につきまして,いろいろ論議されているとも聞いておりますけれども,私も厚別区に住んでおりまして,いろいろな方からお話を聞かせていただくわけでございますけれども,学校に行く前の訓練に通わせたくても,交通機関の乗りかえがあったり,それから冬季の場合には非常に交通渋滞で時間がかかったり,それからまた障害を持ったいる子供たちにとりましては,通所に時間がかかり過ぎるということは,大変な負担になるわけでございまして,そんなことで,どうしてもそういう親御さん方から施設を何とか近いところにつくってもらえないだろうかというふうな要望が来ているわけでございます。ただいま谷部長さんのほうから回答いただきまして,適所に重点を置いて整備をしていくという方針でございますけれども,児童の適所施設の整備については,どのようにこれからお考えになっていらっしゃるのか,その点についてお尋ねをいたします。 ◎谷 障害福祉部長  お答えいたします。  就学前の通園児童の整備について申し上げますと,これは現在緊急の課題となっておりまして,しかも児童の通園でございますので,通園の利便を考慮した地域的バランスを考えた整備を急ぐ必要があることから,当面児童福祉総合センターの計画の中に精神薄弱児通園施設,また厚別・白石区方面に肢体不自由児通園施設の設置を現在検討いたしたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆原口 委員  最後に要望でありますけれども,施設の整備に当たりましては,適所施設を中心に,しかも,地域のバランスをとっていただくようにご留意をいただきまして,また障害者の高齢化の問題も,いまお話のように緊急性があるわけでございますから,この点のところの重要性をぜひ今後とも推進をして,その実現のためにご尽力を賜りたいというふうに思っております。  それからまた,施設の整備だけでなく,障害者の地域生活を支える施策の充実が望まれるわけでございまして,在宅福祉を可能にするためにも,より細かな血の通った行政上の配慮はぜひ必要だろうというふうに思うわけでございますので,どうぞ今後とも社会的弱者の方々に対して,ひとつご尽力を賜りたいと,このようにご要望させていただきまして,私の質問を終わります。 ◆武藤 委員  私は,聴覚障害者用ファックス貸与事業に関連してお尋ねしたいと思います。  現行で貸与されているのは,「等級で1扱から3級,非課税世帯,聴覚障害者のみの世帯,またはこれに準ずる世帯に属する者」とあります。現在1扱から3級の等級を持つ聴覚障害者数は2,449人で,そのうち非課税であること,さらに夫婦ともに聴覚障害者であるか,または単身で聴覚障害者であることが国の規定でもあります。しかし,対象となる条件の中の準ずる世帯に属する者というこの点においては,本市も弾力的な運用を行なっているとのことです。しかし,ファックス貸与事業そのものは,聴覚障害を持つために不都合を来たすことをできるだけ少なくしようとつくられたものではないでしょうか。  現在,札幌市議71名にファックスが各家庭につけられたということで,聴覚障害者から大きな話題とされ,朝日新聞でも取り上げられました。それを契機として,多くの聴覚障害者からいろんなところで運動が起こっています。  これに関連しまして,この準ずる世帯に属する者とは,先ほども読んだ規定事項である聴覚障害者のみの世帯,ここに限らないという,そういう認識でいいのかどうなのか。本市としては弾力的に運用しているというその内容が,たとえば,どちらかの配偶者片方が健常人であってもファックスを必要とする家庭であれば,それを認めているものなのかどうなのか,その点についてお尋ねしたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  聴覚障害者用ファックス貸与制度についてのご質問でございますが,この事実は,昭和59年度からスタートをいたしました国の制度にのっとる事業でございます。この事業によりますファックスの貸与要件につきましては,「聴覚障害者のみの世帯,またはこれに準ずる世帯」という要件がございます。準ずる世帯の認定判断につきましては,申請者から事情聴取の上,区の福祉部長の裁量によって判断するということになっておりますけれども,本市におきましては,家族がいても日中聴覚障害者のみが家にいることが常態,普通の状態であるというようなケースが判断できた場合につきましては,準ずる世帯として取り扱っております。したがいまして,たとえば子供などが学校ですとか,職場で日中家にいないことが常態であるというような場合につきましても,準ずる世帯というふうな扱い方をしているところでございます。 ◆武藤 委員  いまの説明を私なりに解釈すると,必ずしも聴覚障害者のみの世帯でなくても,子供や配偶者が健常人であっても,家庭の状況に応じて貸与することができるというように解釈してよろしいのでしょうか。 ◎谷 障害福祉部長  これは各区の実態といいますか,ケースが非常にさまざまでございまして,ケース・バイ・ケースでやっていることもかなり多いかと思います。私ども,いま先生のご指摘にありましたように,夫婦の片方が聴覚障害であって,もう1人の方がふだん勤務等で日中家にいない,そういうような場合につきましては,これは弾力的な運用の中で準ずる世帯として考えられるのではないかというふうに判断しております。 ◆武藤 委員  わかりました。区の窓口によって対応がいろいろあるということで,申請を受けつけている,受けつけていないといういろいろなケースもあるものですから,ぜひいま回答された内容で各区に統一していただきたいことを要望したいと思います。  最後の質問なんですが,福祉タクシー利用券について質問いたします。  現在,48枚の福祉タクシーの利用券が各人の障害者に発行されています。ここで問題なのは,枚数が少ないということも従前から問題にされていますが,それにも増してこの48枚のタクシー券が,利用ごとに基本料金分,つまり1回利用するのに1枚しか使えない,こういう状態になっております。これは規則の中でも規定されていることなんですが,これは市の単独事業でもありますし,札幌市がどう考えるかによって,変更は可能ではないかと思うわけです。  現在,障害者のタクシーチケットを利用している方の中で,一番困っていることは,通院の際に1枚しか使えない。たとえば48枚というこの数自体も問題なんですが,48枚の数を個々人がどう使おうと,それは社会的活動の保障だと言いながらも,そこを個々人に任せて選択させることができないものなのかどうなのか。枚数制限を取り払うためには,本市が自動車協会にそういう通達を出せば済むことではないかと理解しているのですが,その点について複数枚数を利用することが不可能なのかどうなのかお答えいただきたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  この制度の趣旨でございますが,これは障害を持たれる方々の社会参加を促進するというねらいを持った制度でございますので,したがいまして,月に4枚,年間48枚という枠の中で当面はやっていきたいというふうに考えております。これは1回につき1枚の使用で,基本料金の助成ということで,現在大半の他都市につきましては,同じような形でやっているわけでございます。以上でございます。 ◆武藤 委員  48枚の枚数になってからも,ずいぶん久しくたっています。そういう中で,なったときから1回の利用枚数を何とかということでは,いままでにも多くの人たちから話題に上っていたところなんです。札幌市がこの考えを全く変えるつもりはないというお答えなのかとは思いますけれども,利用する側の立場に立って,たとえば社会活動に参加してもらうことが,発行の大きな理由であると述べられましたけれども,社会活動に利用といっても基本料金ですから,外へ出るたびに基本料金だけでは済まないわけなんです。ですから,複数枚使えるようにしたいというところには,利用するのは1,2級の障害者ですから,たとえばあと何日間かで年金の支給日が来る,または生活保護の支給日が来る。そういう前になって病院に行かなければならないときに,その差額分すら払うことができないという実態も明らかなわけです。とりわけタクシーのチケットを利用している方は,通院者が非常に多いわけなんです。こういうところにこそ光を当てて,初めて福祉タクシー利用券と言えるのではないかと思います。せめて前向きに検討していただく返事がいただけないものかどうなのか再度お尋ねして終わりたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  この交付枚数につきましては,他の政令指定都市を参考にしながら決定したものでございまして,現在におきましても,政令都市,本市を含む7都市がほぼ同じ状況でございます。  本市におきましては,他の都市が除外をしております社会福祉施設入居者をも含めた非常に充実した制度となっております。しかも,予算面におきましても他都市に比べてかなり高額な予算となっておりますので,当面交付数の増加につきましては考えておりません。以上でございます。 ◆猪熊 委員  3点ほどお聞きをいたします。  心身障害者扶養共済年金について,一つはお聞きをしたいと思います。  まず最初に,この制度の内容,さらにはどういった人方を対象にしているのか,この辺をひとつお聞かせ願いたいと思いますし,その対象者が現在の時点でどの程度いらっしゃるのか,そしてこの制度を利用している数がどの程度おられるのか,この辺ひとつ概要についてお聞かせを願いたい,こう思います。  それから,さらに本市の手話通訳のことについて伺いたいと思いますが,いま手話通訳の定数といいますか,札幌市が嘱託という形で雇用されているのは7名というぐあいに聞いておりますが,そのうち2名が欠員を生じている,こういった状況と伺っているところですが,この部分に対してどういった対応をしよう,またはしているめか,まずこの辺ひとつお聞かせを願いたい。  さらにいま一つは,やめられた2名についても,実は体の不調を訴える,あるいは名目は家庭の事情ということでやめられているけれども,どちらかというとやっぱり頸腕を含めた体調の不調などの自覚も実はあると。あるいはまた,いまいらっしゃる5名も実はそういう意味では何らかの形で,頸腕,またはそういった症状が具体的にお持ちの状況にあると,こんなことを聞いているところですが,全国的にも手話通訳の頸肩腕症候群の問題について,大きくマスコミなどでも取り上げられている,こういった状況なども念頭に置きながら,本市の場合,通訳者の身分,あるいは労働条件などが具体的にどうなっているのか,この辺をまずお聞かせを願いたい,こう思います。  さらに私ども会派として,予算,決算,できるだけそのたびに発言をさせていただいているところですが,小規模授産施設に関連をして,3点目お聞かせを願いたいなと,こう思っています。  実は,私ども社会党の議員会としても,毎年の次年度の予算要望という札幌市の税財政調査特別委員会の行動とも並行させながら,実は厚生省や建設省,さらには開発庁など関係する部分について私どもの立場で具体的に問題提起をしながら,その改善方に向けて要望活動もさせていただいているところですが,実は小規模授産施設の国の助成制度のあり方についてということで,厚生省とやりとりをさせていただく機会もまた持っているところでございまして,現状,厚生省が,本市の場合41ヵ所ある小規模授産施設のうち12ヵ所だけ,80万というものを限度額として助成金を出していると,こういう状況で,しかも,年限にも制限がある,こんな状況になっております。その実態を見れば,再三にわたって議論をしていっている経緯の中で,指導員を専属的に確保する問題を含めて,なかなか難しい実態にある,こういう訴えをさせていただきながら,一方でそういった事情を受けとめたという言い回し方の中で,厚生省は,昨年の10月だったと思いますけれども,分場方式と称して,これらの施設運営に何らかの形で助成額を増額をするというようなことでの方策を打ち出したと,こういうぐあいに聞いているところですが,しかし,この4月1日の時点で,これらが本市の場合どう具体化をするかと注目をしてきたところですけれども,残念ながら具体化をしておりません。  そこで,この分場方式について,いざ具体化をしようとした際に,何か問題点があるのかどうか。こんな点,この分場方式の内容,そして問題点など含めてあるとすれば,ひとつこの機会にお聞かせを願いたい。以上3点でございます。 ◎谷 障害福祉部長  まず心身障害者共済制度の概要についてでございますが,この制度は昭和5年にスタートした制度でございまして,この制度の趣旨といいますのは,心身障害者の保護者が生存中,心身障害者に対して一定額の掛金を納付することによって,保護者が万が一死亡または重度の障害となった際に,残された心身障害者に対して一定額の年金を終身にわたって支給するという制度でございます。1口加入者に対しましては月2万円,2口に対しましては4万円。2口を限度としているものでございます。  現在対象となる障害者でございますけれども,「精神薄弱者,身体障害者の障害の程度が1級から3級までの方,また精神または身体に永続的な障害のある者」となっておりまして,現在本市におきましては,約1万9,000人が対象となり,うち約1,508人がこの制度に加入している状況でございます。  また次に,手話通訳の問題でございますが,ご指摘のとおり札幌市の第2種非常勤嘱託職員として7名の専従手話通訳者がおりますが,現在2名の欠員でございます。これにつきましては,来年3月末までの期間2名の登録通訳者の中から任用をして対応をしており,4月以降の人材の確保に向けて継続して公募を続けているところでございます。  また,専従通訳者の健康管理につきましては,平素から業務の負担過重にならないように配慮をしておりまして,また長時間にわたる通訳は複数で対応をし,交代で通訳をするようにしております。あわせて定期的に特殊健康診断も実施をして個々の職員の体調を把握するように努めているところでございます。  三つ目の分場方式の問題点でございますが,この分場方式といいますのは,昨年の10月からスタートをした国の制度でございまして,法定授産施設を設置することが困難な地域に分場として設置するものでございまして,地方公共団体または社会福祉法人が設置経営主体となることが前提でございます。  また,その施設の要件につきましても,法定の授産施設と同様でございまして,たとえば1人当たりの基準面積でございますとか,非常に施設整備にも多大な事業費がかかるなど大きな課題がございまして,厳しいものがあります。確かに定員規模は5名から19名までとなっておりまして,小規模授産施設の可能性を示唆するものでございますが,おおむねいま現在におきましては,県レベルで11ヵ所あるのみでございまして,大都市におきまして施設基準を満たす場所があるかどうかですとか,また新たな分場方式を整備するにも多大な自己資金がかかるなど,設置基準の要件を満たすことの難しさがあるものと考えられます。以上でございます。 ◆猪熊 委員  再質問しますけれども,心身障害者扶養共済年金のことなんですが,1万9,000の対象者で1,500名程度の加入。いわゆる1割に満たない状況にある。こういう実態でございますが,そんな点で言えば,民生局なりにはいろいろとご苦労をされているとは思うんですけれども,周知の仕方という点でいま少し足りないのかなと,こうも思ってみたり,この制度そのものはいい制度だと,こう聞くんですけれども,しかし,また心身障害児・者を抱えるご家庭の事情というものがどうしても掛金を掛けるということになかなかいかない何か事情があるというぐあいになるのか。こんな辺で,いわゆる少ない理由というのをどうとらえているのか。  この辺ともう一つは,現状の本市のそういった対象児・者の父兄に対する,いわゆる保護者に対しての訴え方などでどんなことをされているのか。率直にある面で難しさもあるのかなと思いながら,実は考え方があるんであれば聞かせてほしいなと。  さらに,実は率直に申し上げて,事例としてあるケースで,父親が自分の健常な子供には一切お話をしないで,その障害児のために加入したと。そして加入をして自分でひそかに掛金を掛けてて,実は亡くなったと。亡くなったら証書みたいなものが出てないと。そんな中で,今度は兄弟が,納付書が来たことによって,これは掛けなきやならないものだという前提で少しか掛けたきたと。こんな経過もあったりして,実は速やかに年金の支給を受けるべきところを掛金を掛けていったという,言ってみれば制度が生きていかない実情もあったことを実は私自身も耳にしているところなんですけれども,そんな点で,いまの時点では想像はつかないことなんですと言えばそれまでになるかもしれませんが,そんな意味で,当初パンフレットなどで説明で終わるというのではなくて,その家族に変化が生じても,加入者以外の,要するに掛金を掛けている者以外の親族などが,それらの制度について速やかにキャッチをして,かわって手続をし,障害者が恩恵を受けれるようなシステム,こういったものを普遍化することが大事だと思います。そんな点で加入者,さらには家族を含めて周知をするすべとして,当初の証書交付のときの説明リーフのみに終わるのではなくて,毎年の納付書交付のときに,西洋紙の4分の1程度でも結構ですから,こんな家族の変化の場合については,こういう手続で該当しますというような説明があればなと,こんな思いも実はしているところですが,専門的な立場で,加入者,さらにはその家族,こういった人方に対する周知の仕方という点で考え方などをお持ちだとすればお聞かせを願いたいなと,こう思います。  さらに手話通訳の関係なんですが,実は通訳が7名という点で,現実の問題としては定数不足ではないのかと,こんなことも実は率直に感じたり,あるいは労働条件といいますか,そのことから定数をふやしてはと,この思いなんですけれども。労働条件がきつくはないんだろうかと,こんな思いもしたり,あるいは今日の報酬の実態で果たしていいのかなと,こんな思いも実はしているところでして,手話通訳の皆さん方が障害者の,表現的には適当でないかもしれませんが,ある面で縁の下の力持ちといいますか,本当に社会参加をスムーズにいくようにその役割を担っていることなどを考慮すれば,そういった点で抜本的な改善というものを考えてしかるべきでないのかなと,こんな思いもしているところでございまして,そんな点で,いまの時点で具体的な考えなどお持ちだとすればお聞かせ願いたいなと,こう思います。  さらに,小規模授産に関連をした分場方式なんですが,いま申し上げましたような,分場方式で施設をつくっていく過程で,基準がきついんだ,というようなことで,なかなか本市で具体化するのは難しいと。だとすれば,この制度の改善方に向けて,国に向けて働きかけをしていくという手作業も緊急課題としてあるんではないか,こんな思いでございまして,実態というものを厚生省に認識をさせながら,この分場方式をこう改めてもらわない限り実態にはなじまんという点を,本市独自,あるいは政令都市の中における民生局関係の担当者会議などでひとつ意見交換などをしていただいて,具体的に反映をいただくということで,ぜひその改善について具体化をしていくべきだと考えますけれども,そんな点でどう考えていらっしゃいますか。  それからもう一つは,それでは当面する小規模授産施設に対する助成金のあり方という点では,本市の場合も63年,平成2年,平成3年ということで,それ相応な努力をされてきているということは実は率直に申し上げて私自身もその努力について評価をするものでございます。しかし,残念ながら,その専属的な指導員を確保して小規模授産の運営ができるかと言えば,残念ながら今日まだそこまでいってないというのが実態でございますし,公的な認可施設の適所施設で言えば,1人当たり月9万ないし10万の補助金を得て施設運営をしている,こんな点なども考え合わせながら,満度にということを本当に申し上げたいんですが,そこまで言うと,いろいろとまた一気にということで難しいという歯切れのいい答弁で終わってしまいますので,そうではなくて,少なくともそういったことを意識をしながら,当面無認可保育所に65%あるいは60%程度の助成金を出しているという,そういった本市の実情なども念頭に置きながら,そこに焦点を合わせて,一年も早くそこに向かっていくんだと,こういう考え方含めてその増額について具体化を願いたい。  これはまさに小規模授産施設をお母さん方が必死になってつくって,いわゆる地域福祉,ノーマライゼーションの考え方を基本にして歯を食いしばって地域で具体化をしてきているという事情。しかも,そのことは本来,行政がやってもおかしくない部分を担っているという点も考慮をいただいて,歯切れよく前向き答弁をいただきたいなと,こう思います。よろしくお願いします。 ◎谷 障害福祉部長  まず,第1点目の制度の加入率が低いというご指摘でございますけれども,この現行制度は昭和61年の4月に改正されまして,満65歳に達した時点で掛金が免除となる払込みの期間が20年から25年に5年間延長されたこと,あるいは年金額が本制度発足の当初から1口月額2万円と変わっておらず,他の保険と比べた場合に経済的な効果が低いということも一つの加入率の低さの要因かなというふうに分析はしております。  なお,私どもはこの制度のPRにつきましては,毎年広報さっぽろへの掲載や障害福祉部が発行しております福祉ガイドブックに掲載をし,各関係施設や各区の窓口等に配布をして周知を図っているほか,またパンフレット等も各区に置きまして,新規の加入者に対しましては,制度の趣旨を説明するなど周知に努めているところでございます。しかしながら,まだやはり低いというご指摘は事実でございますので,より一層加入を高めるためにPRに努めてまいりたいというふうに考えております。  なお,ご指摘のございましたように,今後につきましては,加入者に対しましても,随時現況調査を実施するなど,あわせて必要な届け出等につきましても周知する方法を即講じてまいりたいというふうに考えております。  二つ目の手話通訳の問題でございますが,これにつきましては従来から取り組んでおりまして,今年度につきましても1名の増員を図ったところでございます。今後につきましても,引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。  また,報酬ですとか,労働条件の改善につきましても,先ほど申し上げましたように,業務の過重負担にならないように配慮をしながら,報酬額ですとか,職場環境,その他の労働条件等の改善に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  三つ目の分場方式につきましては,これは私どもも十分認識をしておりまして,現在授産の法定施設の建築設置基準によらなければ設置をすることができないわけでございまして,したがいまして,今後,国に対しましても,設置基準の緩和を要望してまいりたいと考えております。  小規模授産施設につきましては,企業等に就労することが困難な心身障害者の方に授産の場を与え,自立に必要な作業訓練を与えるものでございまして,在宅福祉を進める上から有効な施策と考えておりますので,本市におきましては,毎年増額に努めているところでございます。  しかしながら,ご指摘のように施設の運営につきましては,指導員の確保等非常に厳しいものがあるというふうに理解をしておりますので,補助金のあり方を含めて,どうするかといった問題をじっくり考え,検討してまいりたいというふうに考えております。  なお,その場合,先ほど先生申し述べられましたように,たとえばという例をお出しになりましたけれども,法定施設の措置費を算定の一つの基準とする物の考え方も,これも一つにあるかとは存じますが,現在の小規模施設の対応が非常に多種多様でございまして,これまでの制度の経過もございます。いろいろな多方面にわたる点から調査をした上で,前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆猪熊 委員  幾つか意見として申し上げておきたいと思うんですけれども,心身障害者の扶養共済年金のことで,61年に改定をしたけれども,額などに変化をさせることができなかったとか,ある面では少し条件が厳しくなったかもしれんと,こんなお話もありました。  そこで,ここはしっかりと申し上げておきたいと思うんですけれども,いわゆる道府県と指定都市であわせて出資をしながら,社会福祉医療事業団というものをつくっていて,ここでこの制度を具体化しているわけですね。ですから,札幌市もある面では,間接的に事業主体でもあるというような点もひとつ念頭に置いて,それらの改善に向けても,やっぱり一方で声を出していく必要があるんでないか。  それからもう一つは,今日的な公的年金との関係も当然無視はできませんので, それらと比較をしながら,市民の皆さん方の該当する人方のご意見などもある面ではしっかりと受けとめながら,いま一度,これらについての改善とあわせて,何といったって加入が上がらなければこの制度は生きていきませんから,そんな点で,あえてご苦労をいただきたい,こう思います。  それから,通訳者の関係については大変な状況でありますし,そういった共通認識に立っていただいているという立場に立ちまして,できるだけ早くお願いしたい,こう思います。  それから,分場方式については,ことしもまた,財特のほうで党派別,あるいは全体でというような機会もあるようですから,私どももその機会に時間などを見つけながら,厚生省などにも,いま部長がお話をしたような問題点を含めて率直に訴えさせていただいて,共同作業の中でこれらの改善方に努力をしていきたい,こんな思いでもいますので,ぜひひとつ,部長のほうも積極的にしかるべき機会に反映をいただきたいと,こう思いますし,何といっても,小規模授産の増額という点では,じっくり考えてというお話ありましたが,じっくりが気に食わないなと,こう実は受けとめさせていただいたところでして,本当に短期間に集中的に検討いただいて,速やかな方向というか,増額の方向,そのことが来年以降の5年計画で本当に前段の部分で大きく具体化するように,強く意見を申し上げて終わりたいと思います。よろしくお願いします。 ◆千葉 委員  私は,精神薄弱者の方々の就労問題についてお尋ねをしたいと思います。  精神の発達がおくれている人々は,みずから,ああもしてもらいたい,こうもしてもらいたいということが,なかなか自己主張できないわけでありまして,この方々を支えていくのは無論家族であり,周りの人々であり,そして市民,何といっても行政の力に頼っていかなければならんわけであります。行政というのは,どちらかというと,声の大きいほうへ傾斜するのが傾向としてはあるような気がいたしておりますけれども,本当に光の当たらない方々のところに本当の光を当てていくことこそ行政の役目ではないか,このように思っています。  また,桂市政の基本政策の中にも,すべての市民が平和で安らぎを感じ,安心して暮らせる市民生活をつくりますと,こういう強い決意で臨んでおられるわけでありますが,今回は,先ほど原口委員が精薄児・者の適所施設,高齢化対策について幾つか質問をしておりますけれども,私は就労対策について考えたいと思っております。  普通,健常者の子供さん方が修学を終えて社会へ出て行くときには,やはりいろんな希望やら夢を膨らませながら社会へ出て行くわけでありますけれども,精薄者の方々が修学を終えて社会へ出て行くときに,周りの人たちが,本当に働くところがあるんだろうか,どこへ行ったらいいんだろうかということで,大変悩んでいるということを私はよく耳にするわけであります。その現実を踏まえながら,これらに的確に対応しながら社会自立を支えていく,積極的に支援をしていくということが大事であって.まさに就労の場所を探していくことが,大きな支援策のことになるのではなかろうかと思うわけであります。  そこで,就労する者と就労を助ける者,そして国の制度のあり方,将来展望について,幾つか質問をしたいと思います。  まず,就労はどうなっているかといろいろ調べてみました。一般就労ということ,これは企業で働くということでありますから,企業側の理解が大切であります。雇用する側が障害者を抱えやすい制度,その制度が本当に生きて,真の雇用促進につながらなければならないわけでありますけれども,国の援護制度としては,職場適応訓練,雇用調整金,報奨金などあるわけでありますけれども,たとえば特定求職者雇用開発助成金,身障者やら精薄者を雇い入れた場合には,条件によって賃金の4分の1,3分の1,2分の1を雇い入れた日から1年,あるいは1年半,国が雇用主に支給するという制度であります。  ここに10月1日付の道新に,「ともに生きよう,障害者の視点から」という記事があります。ある身障者の方が依願退職をしなければならなかった事情やら,その環境などが書かれているわけでありますけれども,助成金が切れる前後に退職をしなければならなかったというわけでありまして,私も大変深く考えているわけでありますが,この助成金を受ける条件として二つある。一つは,公共職安の紹介で雇用保険の適用事業主であること。二つ目は,雇い入れから6ヵ月,事業主の都合により解雇したことのない者であるということでありまして,この記事だけではなかなか詳しいことはわかりませんけれども,助成金が切れるときに依願退職をした事実だけは残ったわけであります。  また,報奨金制度は,300人以下中小企業主で,身障者,精薄者5人以上を採用すると対象になるということで,5人以上を超えた分について,雇用主に1人につき月額1万5,000円支給されているわけであります。本市の実態はどうかということで調べてみましたら,実際,精薄者を雇用している企業は300社余りでありまして,その中で5名以上雇用している企業は,300社のうちの約5%であると聞いておりまして,95%の零細,まさに小企業の援助制度の恩恵を受けていないという現実があるわけであります。  そこで質問をいたしたいと思うのでありますが,先ほど申し上げました国の援助制度の中で,特定求職者雇用開発助成金のような期限つき給付など,あるいは報奨金制度は,果たして本市の精薄者の就労支援という立場から,十分生かされているのかどうか,本市の認識というものをひとつ明らかにしていただきたいと思います。  それから2点目は,報奨金制度で,本市は障害者雇用をするために,300社のうちの5%の企業しか恩恵を受けていないわけでありますが,現状,5人以下を採用している小・零細企業が,本市の就労対策に大きく貢献をしているわけでありまして,この95%の企業に,本市の一つの報奨金制度を新設をしながら,雇用の拡大をしていくことが必要ではないかと思うのでありますが,このことについてもお答えをいただきたいと思います。  第3点目でありますが,小規模授産所の製品販売で大きな成果が上がっておりますライラックパセオがあります。一般就労の企業は,当然営利が目的であります。ほとんどの障害者雇用企業は製造業が多いと聞いておりまして,言うまでもなく,製品が販売できて,障害者の人たちにも給料が払えると,こういうことでございまして,精神薄弱者を雇用している企業の製品を,何か流通誘導支援というようなものが本市としてできないものかどうか,この3点をお伺いをいたしたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  大変難しい問題でございますが,どちらも国の施策と関連することでございますので,1点目と2点目あわせてお答えさせていただきますが,障害者が地域で社会自立ができますように,福祉的就労の立場から各種の福祉施策を展開しているところでございますが,雇用の促進につきましては,基本的には,国の施策において行われているところでございまして,市町村が直接障害者の雇用施策を行うに当たりましては限界がございますが,その可能性や国の施策との整合性など,慎重に対応していかなければならないかと思います。  また,障害者の就労につきましては,関係機関とよく協議するなどをして,ご趣旨につきましても研究してまいりたいと思います。  三つ目の福祉的就労の場であります小規模授産所ですとか,授産更生施設等の製品を販売することとは異なり,ご趣旨は理解はできますが,一般企業の製品についての特段の支援誘導は困難ではないかと考えております。以上でございます。 ◆千葉 委員  大変つれない答弁でありまして,制度的に難しいのは十分わかるのでありますが,行政の温さを感じることがなかなかできない答弁でありまして,まことに残念であります。  そこで,再質問をさせていただきたいと思いますが,前段は雇用主側のほうのことをいろいろお聞きをしましたけれども,今度は雇われる側の制度と指導員のことについてお伺いをしたいと思います。  先ほどもちょっと触れましたけれども,職業適応訓練制度があります。職場の環境に適応して6ヵ月,あるいは重症の場合であれば1年の実施訓練を行なって,訓練終了後は事業所に引き続き雇用してもらうという制度でありますけれども,しかし,いろいろと全部が全部ではありませんけれども,私の聞いている範囲では,訓練が終わると,普通,企業側が最低賃金除外申請というものを出しまして,訓練期間は大体1人平均12万5,000円ぐらいもらっているわけでありますけれども,そうすると,除外申請を出すと,最低賃金の57%でいいということになりますから,約半分の給料になってしまうという現実があります。  そこで質問でありますけれども,制度と実態との矛盾があるわけでありますけれども,本市として何か手助けをしてあげられる方策があるかどうか。非常に私も悩むところでもありますけれども,現実問題,国の制度としては多くの給料に見合うものを出しながら,期限が切られると半分になってしまうと。訓練が終わって上積みをしていくというんならわかるんですが,訓練が終わると削られてしまうというこの現実を,本市としての考え方,助けてあげられる手だてはないのかどうかをお聞かせをしていただきたいと思います。  それから2点目であります。精薄者の人々が就労できたよかったなと,こう思うのでありますけれども,定着するには大変時間がかかるわけでありまして,その労力たるものも大変なものがあろうかと思いますけれども,本市には予後指導員という事業があるわけでありまして,この指導員の方が,そういう精薄の方々が就職をしているところをずっと回りながら,いろいろなことを見ながら指導をして,何とか少しでも定着をするように努力をしていただいている方々でありまして,この方々の力というのは非常に多いと思うのであります。しかし,300社を回るということは大変なことであろうと思いますけれども,この予後指導員の現状はどのようになっているのか。今後,この事業の活用を拡大していく考えがあるのか,今後の対応をお聞かせをいただきたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  ただいまのご質問でございますが,就労の実態につきましては理解はいたしておりますが,先ほど申し上げましたとおり,国の施策とのかかわりにつきましては,慎重に対応していかなければならないと考えております。  また,予後指導員の問題でございますが,これは精神薄弱者の就労後の職場の定着と,雇用促進を図ることを目的としている制度でございます。現状といたしましては,今年度から1名を増員し,現在2名の指導員が活動しております。今後につきましては,予後指導事業の充実を図るべく検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆千葉 委員  果たして予後指導員が1人か2人だけで十分対応ができるかどうかということも,十分検討をしていただきたいと思います。  いままでは一般就労,企業就労ということでお伺いをしました。そこで,精薄者の方,言うなら施設保護就労も就労の中には含まれているわけでありまして,そこでも適所を前提とするならば,保護就労の場合,大きく分けて小規模授産所,小規模作業所,あるいは共同作業所ということで分かれるのでありますけれども,現在,市内に保護就労を希望する人々がどのぐらい待機をされているのかの実態はどうなっているのか,これをまずお聞かせをいただきたい。  それから2点目でありますが,待機組の実態を踏まえて,本市としても,先ほどいろいろと話が出ておりますけれども,小規模授産所,あるいは小規模作業所の建設に毎年ご努力をされているのは十分評価をしたいと思いますけれども,今後,具体的な施策,施設計画というものがどのようになっているのか,お聞かせをいただきたいと思います。  そこで,保護就労でありますが,施設で働く指導者,先ほど猪熊先生からもお話が出ましたけれども,人材の育成あるいは確保ということが大変難しいというようなこともありますけれども,福祉全般の職員の人材確保ということも非常に難しいのは十分わかっておりますけれども,福祉施設の職員の皆さん方には大変ご苦労をかけておりますし,そのご苦労に報いる十分な待遇ができているかということになると,先ほどのお話のように,大変な状況になっているわけであります。福祉に志を持って黙々と情熱を傾けていく人々が,保護就労で働く。そして精薄者の自立社会参加を支えるために,人材確保と育成というものが大きな札幌市の一つの課題ではなかろうかと思いますけれども,この辺の考え方をひとつ明らかにしていただきたい。以上3点,まずお願いをいたしたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  小規模授産施設を利用する障害者の方の数の把握につきましては大変困難なものがございますが,各法定施設が現在ほぼそれぞれ満度の状況にあること,また,毎年養護学校などの卒業生がおりますので,相当数いることは十分認識をいたしております。  二つ目の小規模授産施設が法定施設を補完してきていること,そして,現在では障害者の福祉に大変大きな役割を担っていることにつきましては,十分認識をしておりますことから,これまでもその設置に当たりましては,設置者の意向などを伺い,一定の処遇が期待できるものについては,開設に当たっての補助金を交付してきておりますので,今後も同様に進めてまいりたいと存じます。  また,小規模授産施設が果たす役割から,補助金の増額にはこれまで毎年努めておりますが,なお各施設のほとんどが大変脆弱な財政基盤の上で運営されておりますことから,また,指導員の確保などを含めて,大変厳しいものがあるというふうに認識,理解をしておりますので,安定して指導員を確保できることを含め,補助金のあり方については,これまでどおり,前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆千葉 委員  指導員の確保のことで提案みたいのをしたいんでありますが,いま札幌市内の専門学校にも,福祉の専門学校を出て,将来とも福祉のところで働きたいと,こういう若い人たちがずいぶんいて,卒業もされているわけであります。こういう方を何とかこういうところで働いていただくためには,学生のときから育てていくというようなことで,たとえば優秀な生徒には奨学金を出していく。そして,卒業してから,ある程度1年なり2年なり,札幌市の希望するここでひとつ働いてもらいたいというような条件をつけながら,指導員の確保というのも一つの考え方ではないかと,このように思っておりますので,このこともご検討をいただきたいと思うわけであります。  それから,先ほど小規模授産所,あるいは作業所に就労を希望する数がはっきりわからないと。その施設をつくるには,関係者のいろんな意見があったときには考えていくと,こんなようなことであろうと思いますけれども,しかし,全体像がわからないで,その場その場限りのことになるのではなかろうかということを,大変危惧をいたしているところであります。  きょうは精薄者の方々の就労についていろいろお伺いをしてまいりました。というのは,社会参加,社会自立ということが一つの就労対策で大きな意義を持つということから質問させていただいたわけでありますけれども,最後に,平成5年に予定している精神薄弱者福祉法改正によって伴う本市の福祉行政を推進するために,体制整備ということでありますけれども,まさに精薄者の皆さんが誕生してから終えていくまでの福祉対策というのは,福祉の根底というか,福祉は何であるかということを私どもによく教えてくれているような気がしていまして,福祉の原点のような気がいたしております。  そこで,質問の第1点目でありますが,精薄者福祉の基本構想,あるいは総合対策は本市としてどのように考えていくのか。また,次期5年計画の中でどのように生かしていこうとしているのか,お聞かせをいただきたいと思います。  質問の第2点目でありますが,他都市に比べて,精薄福祉対策は非常に誇れるものが幾つもあることは承知をしております。その施策を生かしながら,総合対策をいまから研究調査をし,体系化をしていかなければならない。そして,先ほど高齢化の話も出ましたけれども,高齢化が進む中で,早急に対応していかなければならない,こういうことであります。そこで,関係者一丸となって,将来展望を踏まえて精神薄弱者福祉審議会というようなものをつくって,本市のあるべき姿を研究してもらうのも一つの考え方ではないかと,このように思っております。桂市政の思いやりのある福祉に対する基本姿勢でありますから,ぜひこれは助役,局長,ひとつご答弁をいただきたいと思います。 ◎大長 民生局長  二つ伺ったわけでございますけれども,初めの精神薄弱者に対する福祉の総合的な施策に関してお答えを申し上げますと,精神薄弱者の福祉に限らず,一般的に障害を持っている方々に対する福祉施策というものは,その方々の障害の程度であるとか年齢であるとか,いろいろな状態を勘案した中で,いろいろな施策が必要だというふうに考えているわけでございます。  したがって,このようなことから,障害者のライフサイクルというものを通じた,一貫性のある福祉施策ということが最も肝要であるというふうに考えているわけでございます。したがいまして,いろいろな施策を有機的に連携させながら,今後とも総合的に施策の推進をしていきたいというふうに考えているところでございます。  また二つ目の,そういうような総合対策を進める上で審議会,そういうものを創設してはいかがかということでございますけれども,基本的には,たとえばいまお話がありました精神薄弱者の方に限っても結構なんですけれども,このような方々の福祉に対しての施策の審議ということは,その場といたしましては法律上定められてございまして,それがいわゆる地方社会福祉審議会,札幌市で言えば,札幌市地方社会福祉審議会というものでございまして,その中に児童福祉専門部会というのがございます。その中で,このような障害の方々に対するいろいろな福祉施策の審議をするというように一つの決めがございます。
     したがいまして,私どもといたしましては,今後とも,そのような中で,いろいろな関係方面のご意見等をいただきながら,いろいろな審議を尽くして,今後とも十分な福祉施策を遂行してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆生駒 委員  障害者の雇用対策ですが,法定雇用率の達成,この問題についてご質問いたしたいと思います。  障害者の自立,あるいは社会参加の基本に就労という問題があるという点で,制度で定められている法定雇用率の達成という問題です。 一つ目は,障害福祉部として,あるいはまた本市としてこの問題にどのように関心を払い,取り組んできたのか。国の問題というふうになりますと,慎重にというふうな答弁もありましたけれども,これはやはり能動的にやらなければならないというふうに思うわけで,また,本市の内部の問題で言うと,これは勤労市民課というような話にもまたなってまいりますが,これまた縦割り行政の克服という問題も指摘をされてきております。したがって,札幌の障害者をどうするのかという点では,障害福祉部が率先をして,能動的にこの問題で取り組んでいく必要があるというふうに考えるものですから,この点での,つまり法定雇用率の達成についての障害福祉部,あるいは本市としての取り組み姿勢及び基本的な考え方,これはどこに置いているのかというのが1点目の質問です。  2点目は,現状がどうなっているのかという点ですけれども,法定雇用率の,いわゆる民間での目標は1.6%と,この問題でありますけれども,これは平成2年度の実績の数字になると思いますけれども,これをどのように把握し,どのように考えているのか。特に全国,北海道,それから札幌市の状況,それから国,地方自治体等官庁の大体数字が出るのは職安管内で出てまいりますけれども,札幌管内での数字はどこに到達しているのかをお示し願いたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  障害者の就労,また法定雇用率の達成等につきましては,私どもは,障害者と健常者がともに,一般企業におきましても自然の形で働けるというような,いわゆるノーマライゼーションの社会であるべきだという基本的な考え方に立っており,障害者の雇用には大きな関心を持っております。  ただ,お話にありましたように,雇用に関し,ましては国や道の管轄でありますし,雇用につきましては,企業主の理解と協力が不可欠でありますので,私どもも関係機関との連携を密にしながら,さらに積極的に協力してまいりたいというふうに考えております。  また,札幌市として,障害福祉部としてどのように取り組んできたのかという点に関しましては,公共職業安定所との連携のもとに,札幌市社会福祉総合センター及び身体障害者福祉協会に就職相談の窓口を設けているほか,シェリーのお店に対する運営費補助や,100円ケーキの店,小規模授産施設への助成,ライラックパセオ福祉コーナーの設置などに取り組んでまいりました。また,昨年は,精神薄弱者の方のための社会復帰センターであるとか,明年度には,仮称社会自立センターの設置に向けて鋭意進めているところでございますし,障害者の雇用の機会拡大や自立促進を鋭意図っているところでございます。  また,二つ目の法定雇用率の現状につきましてのお問い合わせでございますが,これも公共職業安定所の調査によりますと,これは毎年6月1日で行われておりますが,昨年のデータでございますが,雇用率の状況は,全国で1.32%,北海道が1.60%,札幌,これは職安管内でございますが1.44%となっております。  また,国や地方公共団体の障害者の雇用状況につきましては,現業的な機関で,全国で2.16%,北海道で2.44%,非現業的機関で,全国で1.96%,北海道2.34%となっております。以上でございます。 ◆生駒 委員  いま基本的な姿勢も出されましたけれども,関心を払い,そして能動的に連携をしてやっていくというふうにぜひしていただきたいと思います。  数字のほうですけれども,いまの答弁にありますように,北海道は民間で法定雇用率の1.6に達していると。全国はもっと低いと。札幌職安管内ですから,札幌市域ということにはならないんですけれども,1.44ということで1.6を下回っていると,北海道よりもまた低いと,こういう数字になっています。それで,北海道全域よりも札幌管内というか,職安管内ですけれども低いと。これはいわゆるこういう問題では,かなり障害者の問題,ノーマライゼーションということでいろんな取組みをやって,そして都市部ではこういう取り組みが相当やっていくというふうにもなってきておりますが,ここが全道よりも低いと。ここはどういう理由によるのか,何か分析がされているのかどうか,その辺がどうもわからないんですけれども,お尋ねしたい。  それから,実際に雇用率達成の推移ですけれども,これは徐々に,あるいはまただんだんよくなっていくことが望ましいのですが,元年に比べて63年,あるいは元年に比べてこれがどうなっているのか見ますと,下がっておりますね,63年に比べますと,札幌職安管内。これがまた,一体どういうことによるものなのかの分析がされたものがあれば教えていただきたいというふうに思います。以上。 ◎谷 障害福祉部長  私どもでは,職安のほうでお聞きしたわけではございませんけれども,具体的な理由はわかりませんが,私どもは,札幌のような大都市におきましては,おおむねビル化されておりますし,いろいろと障害の方々が働けるような設備改善が急にはできない,あるいは職域が非常に限られているというようなことも道より比べると低い,あるいは阻害要件の一つに考えられるのではないかというふうには考えておりますけれども,それ以上詳しいことはわかりません。 ◆生駒 委員  実は札幌職安管内での,特に札幌市役所は,これは大体現業部門がかなり高くて,病院では5.48とか,水道で2.5ということで,1.95を上回っている。非現業部門は2.0の法定雇用率ですが,これでも教育委員会,市長部局ともにこれは超えていると。ところが札幌職安管内の官公庁のデータがなかなか出てこないというふうに聞いております。数字がないんですけれども,あればお示し願いたいんですけれども,これはどうか。  そこで私は考えるんですけれども,札幌管内のこういう数字がなぜ出てこないのかという点。これは官公庁ですから,これは数字つかめばすぐ出るものだと思いますが,なぜ出てこないのか。これもまた疑問になってくるわけですけれども,この点はお尋ねをしたい。  それから,民間の職安管内のが低いと,札幌が。この問題ですけれども,いわゆる企業に不心得が多いということになるのかどうかというところまでいくんですけれども,あるいはもう少し言いかえれば,まだこれが徹底していない,無理解ということになるのかともなりますけれども,この辺がどうもわからないという問題なんです。それで,特に法定雇用率の達成企業はどのようになっているのか。つまり,対象となる企業というものも規模等によって出てきます。その達成企業数はどういうふうになっているのかということ。  それから,基準が1.5%から1.6%に変わったのが63年度以降でありますから,63年以降の数字でよいのですけれども,その数字はどうなっているか。前進しているのかどうか。余り進んでいないというふうに思うんですけれども,それがどうか。これが一つ目です。  もう一つは,国の制度で身体障害者雇用納付金制度というのがあります。この問題でお尋ねしますけれども,雇用達成率に達しない企業,対象企業であってこの率に達しない,そういう企業が対象となりますが,雇用すべき障害者数に不足する人数掛ける4万円というものを障害者雇用促進協会に納付する。それは国の雇用対策として障害者の雇用に使うというふうに還元されてきますけれども,この納付金が昨年度では,これも札幌市的数字は出ませんが,全道で企業から2億3,000万円が納付されていると。これを見ますと相当の企業になるわけです。これを見ますと,企業はお金で済まして,障害者を雇うよりも,納付金で処理してしまおうなどというような考えがあるんじゃないかという疑いを私は持たざるを得ないんですけれども,どうなのでしょうか。  それから,特に札幌管内が結局達成率が低いということも,これに関連をして,特に札幌の企業の啓発がおくれているということになるのではないかというふうに思うんですけれども,この辺,どう現状を認識して取り組んでいくのか,お尋ねしたいと思います。 ◎谷 障害福祉部長  まず,第1点目の札幌管内の官公庁のデータにつきましては,これはつかんでおりません。  次に,法定雇用率の達成企業にかかわるご質問でございますが,これにつきましても,札幌公共職業安定所及び札幌東公共職業安定所の管内での調査に基づく数字でございますが,63年度以前は法定雇用率が1.5%であり,67人以上の企業が対象でありまして,659社に対しまして達成企業数が378社。改定後,63年以降でございますが,改定後におきましては,63人以上の企業が対象となりまして,平成元年で729社にふえており,達成された企業は369社となっております。また,平成2年は760社に対しまして383社,これは約50.4%となっております。  しかし,達成企業数はさほど伸びてはおりませんが,就労をしております障害者数及び雇用率は増加をしておりまして,63年の数では2,508人,平成元年では2,601人,平成2年では2.732人というふうに年々増加をしている状況でございます。  また,ご指摘のありました身体障害者雇用納付金制度についてでございますが,この制度の趣旨は,企業が身体障害者を雇用する場合には,いろいろと作業設備でありますとか,職場の環境を改善したり,訓練を行うなど,経済的な負担がかかることから,未達成の企業から納付金として徴収し,これによって身体障害者を多く雇用している企業の経済的な負担を軽減し,バランスを調整するという制度でございまして,拠出金でありまして,罰金的な性格のものではないわけでございまして,障害者の雇用拡大のための制度というふうに私ども受けとめておりますので,本市を含め,そのようなことはないというふうに考えております。以上でございます。 ◆生駒 委員  納付金制度の,これは障害者が実際に納付金がこれだけ納められているというのを見て,やはり一般企業でこれだけのお金があれば,そこで働いて給与としていただきたいと,就職をしたいと,こういう強い意見も出されてきております。直接聞いております。そういった意味では,ぜひこれは企業での雇用拡大ということで働きかけていっていただきたいと思います。  それから,達成企業の数字ですが,結論的に言うと,63年の法定雇用率の達成企業は,札幌市内で57.4%,元年で50.6%,去年で50.4%,下がってきております。したがって,雇用率も63年1.47%,さっき全部数字で,人数で言ったやつです,企業数と。これが結局,平成2年には1.44%ということで前進をしていないわけです。そういうことから,いま私指摘しましたように,さまざまな企業の姿勢というものが出てくるということなわけです。  今後とも,国の制度,国の指導の強化,それから札幌市内における企業への啓発という問題で,積極的に取り組まれることを要望いたしまして終わりたいと思います。 ◆小川 委員  私は,簡潔に3点だけお尋ねをします。  一つは,最初に,谷部長からご答弁がありました福祉の街づくり要綱について,見直しをされると言ったのでお尋ねをしたいのであります。  街づくり要綱がつくられて,福祉の街づくりが大きく前進をされたと,こういうような答弁がございました。一定,そういうことはそうだというふうに思うのでありますけれども,実際,要綱がつくられた後建設された厚別区役所に限りましても,実際,障害者が障害者用のトイレに行ったら使えなくて,結局,去年改造をしていただきました。そういう実態がございます。さらに,車いす用のスロープはあるんだけれども,片マヒの人たちが歩いて行くためには,スロープに手すりがないと。それで手すりつけてほしいということで,階段に,それもことしになってつけていただきました。しかし,残念ながら,片側にしかつけてくれないんです。そうするとい片マヒの人は,仮に右側マヒだと左手でつかまるんです。そして階段を上って行く。左側にあるときは,上るときはいいんですけれども,区役所から帰るときは逆向きになるんですね。だから,どうしても両側に必要なんです。こういうことを,いわゆる細かい話なんですけれども,障害者の立場に立って,ぜひそういうようなことをやっていただかないとならないと思うわけです。  それで,福祉の街づくり要綱を見直しをされるということでありますから,この間のそれらの福祉の街づくり要綱以降に建設されて,それに従ってつくられたもの,それらのものが,障害を持っている方たち,あるいはお年寄りの人たちが区役所であろうと,あるいはそれぞれに出て歩くときに本当に障害にならないのかどうなのか。そういう障害者団体等の意見も聞きながら,ひとつ総点検をやって,きちっと見直しをして,せっかくつくられた福祉の街づくり要綱に沿って建てられた建物が,後で手直ししなければ障害者が困るとか,お年寄りが困るといったんではやっぱり困るわけですから,その点についてのお考えを再度お尋ねをしておきたいと思います。  2番目は,いま何人もの方から出た小規模授産所に対する補助金の増額の問題です。  先ほど谷部長から,毎年増額してきております,運営が大変厳しいようだと。したがって,補助金についてはじっくり考え検討したいというので,猪熊委員からじっくりというのが気に入らないと,こういうことで前向きに検討したいと,こういうことでありました。  私は2月の1定の委員会でも,あるいは6月の本委員会でも,山岸社会福祉部長にこのことをお尋ねをしたところであります。非常におくれていた道でさえ,小規模授産所に対する補助を2定の補正で改善をいたしました。その改善の中身は,小規模授産所に指導員がいる場合の加算という形で,指導員のいるところといないところの差をつけた形でやられています。  札幌市の40ですか,小規模授産所,そこの中には,常勤の指導員のいないところもありますけれども,そのほとんど,43カ所で48人の常勤の指導員がいるんです。常勤の指導員の人たちの報酬というのですか,給与というのか,謝礼というのか,よくわかりませんけれども。先日も,私は小規模授産所を何ヵ所か回りましたけれども,大体手取り10万円ぐらいですよ,小規模授産所の指導員の受け取っている給与というのは。いわゆる社会福祉学科を卒業した若い人たちが,どっちかというと,まさにボランティア精神でやっている。しかし,ボランティアで月10万程度の報酬では長続きしないものですから,どうしても2年やった,3年やったら,生活があるからやめざるを得ない。そういう形でつないでいるというのが実態なんですよ。  したがって,これら小規模授産所の指導員が誇りを持って,そして安定して生活できて,障害者のための指導に当たれるような賃金,そんな高い公務員並みなんというふうに期待はしません。しかし,少なくとも月10万,大学出てやっている人たちが月10万で,3年たっても10万,これでは長続きしないんですよ。  したがって,この人たちが本当に誇りを持って障害者の指導に当たれるような報酬がもらえるような改善を図るべきだと思うんですね。そういうふうにぜひこの補助制度の見直し,あるいは改善の中で指導員給与と,こういうものも考えて見直しをして前向きに取り組んでいただきたい。先ほど前向きに取り組むと言われましたので,その辺のことについてどのようなお考えでいらっしゃるのか,お尋ねをしたいと思います。  もう1点は,精神障害者関係の作業所に対しては,2月の補正で交通費の半額助成が作業所に通う人たちに出されるようになりました。月5,000円ぐらいと,こういうふうに聞いているんですけれども。精神障害者です,衛生局のサイドの。  いま札幌市の身障のほうの共同作業所については,交通費の助成がございません。したがって,1ヵ月の手取り賃金,障害者の人たちが働いて月3,000円とか5,000円。一番高い人で月8,000円です。そんな中から自分たちの交通費も出しているという実態にあります。したがって,衛生局サイドでやられたような交通費の半額助成というの時,同じ市の中ですから,こういうのもぜひ考えられないのかどうか,この点もお尋ねをしたいと思います。  それから3点目は,先ほども出ておりました施設整備の関係であります。  小規模授産所に通われている人のほとんどが,中学校の特殊学級の卒業生,あるいは豊明なんという小規模授産所は,豊明高等養護学校の卒業生,そういう人たちでつくられております。しかし,札幌養護あたりの卒業生というのは,小規模助産所に通えるような人たちはまだ恵まれていると,こういうふうに言ったほうがいいんでないかなと思うんですね。重複障害の子供さんが多くて,山貫所長がいらっしゃいますから,ちょうどいまごろ,来年の3月,養護学校を卒業するお子さんの進路についてお母さんたち大変心配している。これから11月ぐらいまでの間,大変心配している。そんな状況だと思うんです。そして,いまもすでに,大体今日時点で施設の入所等を求めて,約100名くらいの人が待機されていると思うんです。そして来年3月また卒業生がふえる。これはどうしても,小規模授産所で対応するというのはなかなか困難ですから,適所,あるいは入所の援護施設がどうしても必要なわけです。  また,援護施設の中でも,精神薄弱者更生施設あたりで,2年間とか3年間と期限を限って訓練を受けて,本来,その期限を切ったら,次,本当は出なければならないと,こういう仕組みになっていますよね。しかし,実態としては,そこを出てくださいというけれども,次,行くところがない,こういう実態にあります。あるいは障害児の入所施設,児の施設なんだけれども,実際は18歳までですけれども,行くところがないために20歳,25歳の人がずっと入っている。それはなぜなのか。障害者施設が満杯で,児施設から移行できないと,こんな状態がずっと札幌では慢性的に続いていますよね。  そして,しかも,これら施設がいままでずっと道が整備していくという物の考え方にありまして,特に入所型施設については過疎地対策,こういう観点で,札幌市以外に建設するというのを道が通例として指導してきましたね。  そういう中で,前に大長社会部長が審議会に行かれまして,南区のほうに適所型施設を整備させるためにご奮闘いただいた,こんな話も私は記憶しているわけですけれども,平成5年から福祉8法の改正によって,これら施設整備についても,札幌市,政令市に移管をしてくるわけですけれども,いままでも道に話をしながら,札幌市内に適所型の施設を整備するよう働きかけてきた,またつくってきた,こういう経過も踏まえまして,来年から始まります新しい5年計画の中で,いわゆる在宅福祉が叫ばれている中で,5年を待ってでなくて,すぐ適所型施設,いまでさえ100名以上の子供さんたち待機しているという,こういう実態ですから,適所型施設を中心に,当然まだ入所施設も足りませんから,札幌市内につくってほしいんです。そうしないと,この4月に月形に友朋の丘でしたか,できました。そして札北荘あたりから,更生援護施設ですから,2年たったから移らなければならないというお子さんがそっちに移っていったりしています。しかし,子供さんが入所施設にいると,迎えに,親が休みのとき連れて帰りたいと言っても,遠いところだとなかなか家に連れて帰ることが困難ですから,札幌市内で整備をしていくと,こういうことがどうしても必要だというふうに考えます。  先ほど各区のバランス,適所型についてはもちろん各区のバランスも必要ですけれども,入所型施設についても,札幌市内にそういう方面別に整備をしていくことが,やっぱり緊急に求められていると,こういうふうに思うんですけれども,これらについてどのようなお考えで次の5ヵ年に向けて取り組んでいかれるのか,お尋ねをしたいと思います。 ◎大長 民生局長  私から,いまのお話についてお答え申し上げますけれども,初めに,街づくり要綱のことでございますけれども,私どもはこの要綱をつくりましたときから,そういうような障害を持たれた方々が,いろんな施設の中で,われわれいわゆる健常者と呼ばれている者と一緒な行動なり生活ができるということを願って,実はつくってきているわけで,それもいまは変わりないわけでございます。  しかし,つくりましてから10年たって,そういうことを振り返ってみますと,まだまだ,先ほど大西議員からもお話ありましたように,チェックをし,見直しをして,やり直しをしていかなければならない部分があると。いままでやったことで,私どもはそれ相応の効果を上げたとは思っておりますけれども,いまお話にありましたような,細かい部分での欠けている部分があるということは聞いておりますので,そのようなことを避けるためにも,速やかに要綱の整備をし直したいというふうに思っているわけでございます。  それから,二つ目の小規模施設に対する補助でございますけれども,これもすでに3人の先生方から,いろいろ私どものほうにお話があったわけでございますけれども,障害福祉部長がお答えいたしましたとおり,私どもは,早い機会に前向きな検討をするというふうに答えているところでございまして,障害福祉部長がじっくりと言ったのは,これは時間をかけてという意味ではなくて,よりよい方向を求めるためによく考えるという意味でございます。  それから,最後の障害者の,特に知恵おくれの方々の中卒後の進路のことでございますけれども,私どもも近ごろはもう毎年のように,大体160人ぐらいの方々が卒業してきているということは聞いてございます。したがって,いまお話にありましたように,大体そのうち100人ぐらいの方がそれぞれ大体希望する進路に進んでいるということでございまして,毎年大体50名から60名ぐらいの方が卒後の進路がないということになりますし,また,卒後直後のみならず,引き続きないという方もおられるわけでございます。したがいまして,そういう方々のために小規模授産が大いに活動をしているわけでございます。  また,いまお話にありましたように,適所型の援護施設,それから入所型の援護施設というものも,これはこの方たちの福祉施策を進めていく上ではどうしても基本になる施設でございますし,在宅福祉を進める上でも施設福祉がなければ進まないわけでございますから,私どももこれはどうしても必要だというふうに考えてございます。  したがいまして,お話にありましたような,近年の卒業者の進路の状況,待機の状況,そういうようなものを見ながら,さらに現在施設に入っている,たとえば入所施設にいる方々の高齢化現象に対する対策をどういうふうに進めるか。また,通所してきて,それからお話にありましたような,18歳までが基本であるけれども,25になっても,27になっても入っているという過年児対策というようなことを総合的に考えてやらなければならぬというふうに考えておりますので,そういうことを含めた中で札幌市としても対策を講じていこうというふうに考えているところでございます。 ◎谷 障害福祉部長  それから,先ほどの交通費助成の問題でございますけれども,これは私ども規則で札幌市身体障害者等に対する交通費助成規則がございまして,手当てをしております。一言。 ○小谷 委員長  以上で,第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  ここで休憩をいたします。     ──────────────       休 憩 午後3時5分       再 開 午後3時25分     ────────────── ○小谷 委員長  委員会を再開いたします。  次に,第2項 児童福祉費,母子福祉資金貸付会計決算及び寡婦福祉資金貸付会計決算について一括して質疑を行います。 ◆猪熊 委員  時間をそれぞれが少し意識をされているようですので,できるだけ端的に,要領の悪い猪熊も要領よく質問をしていきたい,こう思いますのでよろしくお願いをいたします。  保育行政にかかわって数点伺います。  民間保育園における就業規則の現状状況について,保母の定年制,就業時間,有給・生理休暇,育児休業,週休などにわたって,その実態が今日どうなっているかという点でお伺いをいたします。  2点目といたしましては,それら私立保育園の職員にかかわる労働条件,この改善のために本市民生局がどういった形で具体的に指導をしているか。このことについて2点目お伺いをいたします。  3点目。保育料の収納対策について,以前わが党の西村委員が具体的に質問をさせていただいて,その後,収納向上のために具体的な取組みをされている,こういうことで伺っているところですが,その収納率向上策の具体的な内容と成果について伺いたいと思います。  さらに関連をして,口座振替の利用状況と,今後の加入促進策についてさらにこの口座振替に関連をして伺いたい,こう思っています。  とりあえずこの3点,大きくよろしくお願いします。 ◎日埜 保育部長  ただいま委員のほうから3点ご質問がありました。順次ご回答を申し上げます。  まず1点目は,民間保育所における就業規則の状況ということでございまして,民間保育所の就業規則の内容につきましては隔年調査を実施しておりまして,平成2年12月に調べております。  この内容でご説明をいたしますと,1点目の保母の定年年齢につきましては,私立保育所125ヵ所中,50歳と規定している施設が27ヵ所,55歳と規定している施設が76ヵ所,60歳と規定している施設が18ヵ所,45歳,58歳,65歳,この施設が各1ヵ所ございます。  次に,就業時間の規定でございますけれども,40時間以下で規定している施設が11園,それから42時間と規定している施設が16園,43時間と規定している施設が11園,44時間と規定している施設が83園,45時間と規定している施設が4園ございます。さらに,この運用上について見ますと,実際に運用しておりますのは40時間以下での施設が34ヵ所,41時間施設が13園,13ヵ所,それから42時間の施設が33ヵ所,43時間施設が9ヵ所,44時間施設が36ヵ所。いずれも下回っております。  次には,年次有給休暇でございますけれども,法定の休暇はもちろんでございますけれども,勤続年数に応じて法定外の休暇が与えられておりまして,この法定外の休暇の規定があるところは121ヵ所,法定外の休暇の給付がない施設は4ヵ所ございましたけれども,現在では全園が法定外休暇も給付をしております。  次は,生理日の休暇の規定でございまして,この定めのない施設は2園ございましたけれども,運用上の適用で見ますと,全園の女子職員に対して生理日の休暇が与えられております。ちなみに,運用上の62園については有給,63園については無給の扱いとなっております。  次は,育児休業制度の状況でございますけれども,この制度を適用していない施設については4ヵ所ございます。しかしながら,これらの園については運用上実施されておると報告されております。  次は,週休二日制でございますけれども,125施設中,4週5休等,何らかの形で実施しているところは36ヵ所ございます。  次,2点目でございますけれども,私立保育所職員にかかる労働条件の改善のためにどのような指導をしているかということでございますけれども,私立保育所の労働条件については,基本的には各法人において就業規則等で定められるものであり,この規定は施設運営の根幹となすもので,法人の独自性を尊重しなければならない側面もございます。  しかしながら,保育所職員の労働条件は児童の処遇と同様,重要な事項であり,市内における各法人において大きなばらつきがあったり,また,処遇上不適切なものがあれば是正していかなければと,そのように考えておりまして,各法人に対しては日常の運営指導の一環としても改善を指導しておりますし,また,毎年実施する指導監査での指摘指導,さらには必要に応じて,私立保育所連合会というのがございますけれども,そこを通じて行なっておるところでございます。年々改善は図られておりますけれども,まだ不十分な法人についてはそれぞれ強力に改善指導の徹底を図ってまいりたい,このように考えております。  三つ目は,保育料の収納対策の関係でございますけれども,収納率向上策の具体的内容と成果ということでございます。  保育料の収納確保についてでございますけれども,保育料を適切,確実に徴収することは,保育行政を円滑に進めるばかりでなく,保護者の方々に応分,公平のご負担をいただくという意味からもきわめて重要な問題であると考えております。  そこで,収納率向上の対策,具体的内容ということでございます。これらについては,議会でのご提言,ご指摘を踏まえ,従来の納付指導に加えまして,昨年新たに4点の対策を講じてまいったところであります。  第1は,収納対策専任の主査と嘱託職員1名を配置し,収納体制の整備を行なった点でございます。  第2は,本年4月から口座振替制度を導入し,確実な収納を図るとともに,保護者の納入の利便を図った点でございまして,8月時点で口座の加入率は83%となっておりまして,これは政令指定都市の中でも中位に位置する加入率となっております。  第3番目は,公立保育園の園長を昨年6月から現金分任出納委員に発令し,保育園においても直接徴収できるように制度の充実を図ったところでございます。  第4は,滞納者に対して的確な納付指導を行うために,保育料収納状況の適切な管理を目的としまして,電算システムを導入してまいった点でございます。  このような対策を講じた結果,平成2年度の収納率は現年度で98%,過年度分で27.6%,合計しますと92.4%と,元年度と比べますと1.7ポイントアップをしたところでございます。また,今年度になりまして,いま年度の中途で,かつ納期が変更されておりますし,単純な比較にはなりませんけれども,9月末現在の収納率は昨年は71.7%に対し,今年度は86.2%と向上をしております。  今後の取組みといたしましては,やはりそれぞれの世帯の状況に応じ,きめ細かな納付指導が基本となるわけでございまして,今後は従来にも増して保育園,区福祉部,本庁の連携を密にしながら,指導,あるいは収納率向上に努めてまいりたいと思つております。  それから,口座振替の利用状況と今後の加入促進についてということでございますけれども,本年4月から導入いたしました保育料の口座振替制度,8月1日現在の加入率は83%となっております。この加入率の状況でございますけれども,現在政令指定都市では,本市のほかに名古屋,横浜,京都,北九州,福岡の5市が導入しておるわけですけれども,本市の加入率の83%は,口座振替の導入の開始年度としてはかなり高い割合でないかと,このように思ったおります。  今後の加入促進といたしましては,これまでの保育園を通じての保護者に対する日常のPR,措置更新や新規入所時における指導等に加え,今後,必要に応じて未加入者に対し個別に加入の啓蒙を行うなど,理解を得ながら啓蒙を行なってまいりたい,このように思つております。以上でございます。 ◆猪熊 委員  この三つの関係で,少し再質問させてもらいたいと思うんですけれども。いまの答弁で,法人の独自性を尊重しなければならないわと,これが一つですね。もう一つは,処遇上不適切なものは是正しなければならないと考えております,こう一方でまた言う。そして,なお不十分な法人については,より強力な改善指導について徹底してまいりたいと考えています,こう締めているんですけれども,さあそこで,それではいま定年制を含めて週休まで,民間の実態についてご報告をいただきましたが,その民間法人の独自性を尊重しながらも,その実態は不適正な実態があると考えていますかどうですか。それが一つ。  もう一つは,口座振替。大変な努力をされて今日に至った現場職員の皆さん方のご苦労という点では,僕はもう心から敬意を表したい,こう思います。そこで問題は,保育に欠けるという条件での今日の保育の実態。いわゆる保育所を利用する父兄の実態という点では,労働というもの,あるいは病弱などなど,保育に欠ける要件があろうかと思いますが,そういった状況を考えていきますと,100%に本当に近い状態まで振替制度というものがご理解をいただいて手続をしていくことが,どちらかというと,一定程度自分で払わなければいけないんだということで,行かなきゃいかん思いと,日常生活の実態とのギャップの中で,つい銀行へ行きそびれる。あるいは市役所の窓口へ行きそびれる。それが2ヵ月,3カ月という形でたまっていくことによって,まとめて納めなきゃいかん,まとまったお金がないということで,悪循環で高額な滞納と,こういうことになるんではないか。  そんな点で,思いはあっても結果として取返しのつかない状況になるという父兄などの実態を率直に受けとめるとすれば,よい方法としての口座振替について100%を目途にして積極的働きかけをするということが,まさにその思いにこたえることではないかと思いますけれども,どうですか。この二つお聞きします。 ◎日埜 保育部長  1点目の,不適正な法人があったかどうかということでございます。不適正かどうかという判断は非常に難しいわけでございまして,いわゆる一つは労働基準法に違反するかどうか。それは一つの考え方もありますし,もう一つは,厚生省の指導では,給与にしても地域の水準にということでございますので,それからかなり下回った場合はどうかということがありますけれども,基本的には地域の水準,たとえば私立保育所連合会で標準的な内容を示している。これ以下に下回ったものについては是正してくださいよということでお願いしておるわけで,極端に低い場合は,これは不適切と言わざるを得ないと思います。  それからもう一つの口座振替の100%目標でございますけれども,私どもも100%目標に努力をしておるわけでございますけれども,これはあくまでも加入者の意思も尊重しなきゃならないという側面もございますので,その辺も理解を得ながら進めてまいりたいと思っております。以上でございます。 ◆猪熊 委員  そこで,労基法に抵触をしなければ不適切だと,こうは言えないと。こういう言い方ですけれども,実態説明の中で率直に申し上げて,生理休暇が無給になっていますね。札幌市は,無給保育園については人件費は出していないんですか。有給の部分については追加して出しているんですか。それじゃ,いまのそのやり方をひとつ聞かせてもらいたい。これが一つあります。  それから,市の職員と比較をして,それじゃこれらの実態は,本当に改善をして進んでいる保育園ないとは言っていないんです。あるんです。部長が説明したようにあるんですけれども,しかし,私保連の指針にすら到達をしていない保育園があるわけです。これらに対して,それじゃせめてそこまでどう高めていくかと,第一段階。こういった部分でしっかりした考え方を保育部が持つかどうかということがポイントで,労基法に抵触するかどうかだとか,厚生省の地域水準と比較をしてどうかこうかなんていうことを言っている間は改善されませんよ。  なぜ改善されないことを,いま大変なことだなと私自身が思っているかということを言いますと,いま民間の保育所の臨時保母の確保という点では,もう大変な状況になってきています。だから,問題は,そういう状況を言ったときに,私立の保育行政についても何かが問題生じたら札幌市が責任を持つんじゃないですか。  そんな点を考えていくと,いわゆる私立の保育園の労働条件というのは,緊急課題として私保連に向かえと。そして私保連も,またその私保連の基準が本当にいいのかという形で見直しをすると。そして,労働条件の向上ということでやるという形で,公的な園と,まさに差異のない方向へどうやって向かっていくがという方向にしていかない限り,人材確保ができないんですよ。人材確保ができないということはだれが困るか。小さな子供たちが困るんですよ。保育部長は困らないかもしれない,いっときは。しかし,責任は問われていくんですよ。  だとすれば,まずそういったことについて,事態は大きく変化してきているということをとらえながら,いま保育部は何を指導していかなきゃいかんか,しなきゃいかんかという視点に立つべきだという立場に立てば,率直に申し上げて,いま実態を報告された部分を私保連の基準に1年も早く改善をしていくというところに努めなければいけないと思いますが,どうですか。 ◎目埜 保育部長  私保連の基準にまで引き上げるべきでないかということがありましたけれども,これについては私どもも,かつては各民間保育園がかなりバランスの崩れていた,そんなこともありまして,私ども私立保育所連合会と協議をする中,それぞれ標準的なものを定め,私保連としてもそれを各園におろしております。したがって,私どももこれに一日も早く到達してほしいというのが願いでございますし,さらに昨今の労働確保の困難性から,私保連においても近々就業規則の見直しも行なっていく,そういう中で,私どももできるだけ改善の要請をしていきたいと思います。  先ほど冒頭に申し上げました労働基準法というのは極端な例でございまして,私どもはあくまでも標準的なもの,標準的なものの一つの目安としては私保連が定めた基準,このように考えております。 ◆猪熊 委員  有給,無給はどうですか。無給の場合はお金を返してもらうの。有給の場合は金を追加しているの。
    ◎日埜 保育部長  それはやっておりません。月額として支給しております。 ◆猪熊 委員  別に大きい声を出さなくてもいいんですけれども,思いで理解してほしいと思うんですが,お許しいただきたいと思います。  もう民間保育所の環境というのは大変な事態に差し向かっていっているということは,やっぱり共通の認識に立つべきだと思うんです。そのために,私保連の基準というのは,とりあえずみんなでそこへ向かおうとしているわけですね。だから,それ以上の保育園もあるでしょうというのさ,民間で。だから,そういう努力を一生懸命していく。でも,低いほうは,まず基準まで向かうべと,こういうことでの指針だから,今日的な社会環境,いわゆる労働力の需要供給の関係などなどからいったら,残念ながら女性職場の3K職場の一つになっていると言ってもいいような状況に残念ながら実態としてあるんでないかと,こう言わざるを得ないわけ。ですから,まず,その第一段階クリアしてくれということで,一生懸命やらなきゃいかん。  だから,単に役所ということで,管理監督権の云々で,どおっとその文書をおろしていくというんじゃなくて,やっぱりまずここまでいかないとこれからの保育行政というのは,要するに保育園運営というのは大変ですよと。ですから,ぜひひとつ理解をいただいて,園長さんや理事長という立場の人方も,ぜひそういった職場環境の改善をして,良質な労働力を確保していこうじゃありませんかと。そして,小さな子供たちにこたえていこうという姿勢になるべきだと思うんです。だから,まずそこを早くクリアしてほしい。  そして,一方でまた,これでいいのかと。不十分はないのかということで,私保連を中心にして,札幌市もかかわる形の中で,より少しか高い目標を定めてまた向かうと。こういう形にしていかないと取返しのつかないことになりますよという点で僕は申し上げているところですので,いま一度局長,いい答弁してくれませんか。 ◎大長 民生局長  答弁させていただきますけれども,猪熊先生が大きな声を上げたのは,不適正な実態の取り違えで,答弁がすれ違ったことから始まったのかなというふうに考えていたわけでございますけれども,それを抜かして申し上げさせていただくと,同じ思いでございます。  すなわち,私どもも,これだけ子供が少なくなってきて,そして婦人の社会参加の労働力の確保ということが非常に大切になってきている中で,子供を健全に育成していかなければならないというふうに考えているわけでございます。そのためには,まず小さい子供を預けるこの保育園の役割が非常に重要だというふうにとらえているわけでございます。ということになりますと,そこで実際に子供を処遇をする保母さんの処遇と,子供に対する処遇が非常に大切になるわけです。じゃ,子供に対するいい処遇を保母さんがするにはどうかというと,まさにおっしゃるように,労働条件がよくなければなかなかいい処遇につながらないというふうに考えているわけでございます。  したがって,賃金の問題とかなんとかということになるものですから,それから職場環境の改善ということになると大変難しい面はありますけれども,私どもも同じ思いでございますから,やはり良質な労働力の確保ということに立って,そういうことにいままで以上により強く指導をし,求めて,そして同じレベルの中に早く入っていただきたいというふうにしたいと思っております。 ◆猪熊 委員  ありがとうございます。できるだけ早い時期に具体化に向けてよろしくお願いしたいと,こう思います。  そこで,角度をがらっと変えまして,いまの保育料の体系というのがありますけれども,これはいま一回,どんな考え方を基本にして保育料体系というものをつくっているのかということについてお聞きをしたい,こう思います。 ◎日埜 保育部長  ただいまの保育料の現在の体系の考え方でございますけれども,保育に要する経費の保護者負担については,児童福祉法の56条第2項によりまして,「保育所入所後の保護につき,最低基準を維持するために要する費用を支弁した市町村長は,本人またはその扶養義務者からその負担の能力に応じ,その費用の全部または一部を徴収することができる。」ということで,応能負担の原則が示されておるところでございます。  これは,保育所がさまざまな所得階層の市民を対象にしておることから,費用の負担の公平の見地から入所措置により利益を受ける保護者にかかる費用の負担を求めることを原則とし,負担の能力に応じて軽減するとしたものでございます。以上でございます。 ◆猪熊 委員  いわゆる応能の原則というようなことを説明されたと思うんですけれども,僕は単純に,幼稚園の毎月の保育料5,800円。だれもが5,800円。それで,保育園は収入によって云々と言うけれども,これ素朴な質問ですからごめんなさい。収入の高い人というのは,高い保育内容であり,高い給食というような形にはなりませんね。保育内容というのはみんな同じに受けて,給食も同じに受けてという形でやっていて,そういう状況でいくと,たとえば幼稚園のように基本料というのを定額にして,乳児というのは離乳食含めて行程が大変複雑に加味するから,そこへかかる経費としては少しかさむわと。あるいは,2歳,3歳,4歳,5歳というのはおおむね同じだ,あるいは少しまけようかと,刻み方を含めて。というようなことで,給食の部分で年齢的に3段階か2段階というようなことで,定額にプラスをするというような形での保育料というか,こんな形でいくのがいまのまさに時代に合うんでないか。  なぜこんなことを言うかといいますと,保育行政のスタートラインというのは,どちらかというと,あえて福祉に置いたのは,貧困救済的なところと言っちゃ適当な言葉かどうかわかりませんけれども,どちらかというとそういったところから出発をして今日に至っているから,いまの保育体系とか,保育料金の体系というのがあるんでないかと,こんな思いがしてなりません。  そんな点で,いままでの経過と,いまの社会のそれぞれの置かれている状況を踏まえて,僕の言ったような保育料体系にならんものなんだろうかという思いについてどう思いますか。 ◎日埜 保育部長  ただいまお話のように,大変難しいお話だったんでございますけれども,ご指摘のように,幼稚園は一律の体系で取るということにはなっておりますけれども,保育園の場合は,先ほど申し上げましたように保護者の負担能力に応じて徴収する。この国の制度が根幹になっておるところで,本市独自で大幅な改革というのはなかなか難しい状況でないかなと,そんなような思いをしております。 ◆猪熊 委員  思いと思いがぶつかるという話もありますけれども,国の制度という形でここへ来ているということでは理解するわけです,僕も。しかし,いまの社会環境の実態という点では,少しそぐわないかなという思いに立ってもらえんかなと思うわけ。そうすれば,歴史的には政令都市などを中心にしながらいろんな意見交換をして,厚生省に対しておいおいと。いまこんな点でわしらはやってきたけれども,大変住民の皆さんの理解を得ているし,やってみればいい制度だから,国もひとつ制度化して全国的に普偏化したらどうかということで意見反映をして,それが今日まで制度が具体化をしてきたという事例は結構ありますね。  ですから,そんな意味で,いわゆる長い間の積み重ねをしてきているけれども,大きく時代が変化をしてきているということをとらえながら,これでいいのかというとらえ方というのは,どの分野でもやっぱりする必要があるんでないか。  そんな点で,この今日の複雑な保育料体系というものをいま一回,いい悪いというよりも,本当にこれでいいんだろうかという問いかけをしながら,少しか問題があるかな,あるいは手を加えたほうがいいんでないかという方向が出るとすれば,これをあえて厚生省に逆に石を投げてみるというようなことがあっていいんではないか。こんな思いがするんですけれども,ぜひそんな角度でいま一度ご検討いただきたいなと,こう意見を申し上げておきたいと思います。  そこで,次の質問に入らせていただきたいと思いますが,実は,出生率に関連をして何点かご質問をしたいなと,こう思っています。  なぜ保育行政の中で質問をするかといいますと,産休明けを含めて乳児から扱っているという点では,一番年齢の低い部分を扱っているのが保育行政という点で,あえてお聞きをしたいと思うんですけれども,いま出生率がいろいろと低下をしてきておりますけれども,札幌市の出生率というのはどうなっているのか。あえて全国的なことについてはマスコミ報道の中でも承知をしているところですが,そのことを含めてお聞かせをいただきたいと思いますし,将来的にその数値というのがどう変化をしていくという押さえ方をしているのかお聞かせを願いたい。  それから,出生率の低下の要因という点で,いろいろな角度でのとらえ方あろうかと思いますけれども,そんな点でどんな要因を受けとめているかなと。  一つは,いわゆる子供さんが減少していく中,保育行政の将来展望という点で,どう考えていらっしゃるのかなという点でお聞かせを願いたい。  まず,この大きく3点間かせてください。 ◎日埜 保育部長  ただいま3点のご質問がありました。1点目の出生率の低下の状況ということでございますけれども,札幌市の出生率はどうなっているかということでございますけれども,これは人口1,000人に対する出生数での率でございますけれども,55年には14.9%であったのが,2年には10.4%,下降の傾向が見られております。これは,全国の場合も同様でございます。  さらに,将来の推計でございますけれども,合計特殊出生率でございますけれども,これは国のほうの数字でございます。平成5年には1.48人,平成37年には1.85人という数値が出されております。  2点目の出生率低下の要因は何かということでございますけれども,いわゆる合計特殊出生率が2.1人を割りますと人口の減少が始まると言われており,この傾向で推移すると,若年人口の減少による経済活力の低下,人口の超高齢化,経済的にも社会的にも大きな問題を引き起こされます。  この少子化の原因といたしましては,次の3点が考えられると思います。  第1点には,最も子供を生む可能性の高い年齢層と思われる20歳から29歳の女性の割合が減少しているということが一つ。  次に,晩婚化等により,結婚している女性が少なくなっておるということが挙げられます。これは,女性の社会進出に伴う経済力の向上や,独身者の経済的自立によって生きがいを志向するというようなことが要因と言われております。  第3には,結婚しても出生力が低下しているということが言われております。これは,女性の社会進出の増加や,子育てに対する経済的,精神的負担,あるいは住宅事情等の社会的,経済的要因が影響しているものと言われております。  3点目の,少子化の中で保育行政の展望はどうなのかということでございますけれども,このような少子化に対し国は育児休業制度の法的整備や,フレックスタイム制の導入推進のほか,労働時間の短縮,あるいは児童手当の拡大等の諸施策を進めておるところでございますけれども,本市の対策といたしましては,女性が働きながらも子供を生みやすく,また,安心して子育てができる環境整備が考えられます。  このための施策といたしまして,女性の社会進出の増加に対応した就労と子育てが両立できる各種の保育施策の充実を図るとともに,地域における保育所機能の活用などにより,積極的な子育ての支援が必要かと思います。  具体的には,地域の需要に合わせた保育所の整備を進めるとともに,多様化した保育需要に対応するため,産休明け保育,育児休業明けの受け入れ態勢の整備,障害児保育,延長保育,夜間保育,こういったもの,あるいは地域の身近な社会資源である保育所の機能を活用して,育児講座やら育児相談を実施するなど,核家族化による育児不安の解消に努めるなど,子育てに支援をしていきたいと,このように考えております。以上です。 ◆猪熊 委員  いま,まさに出生率が低下をしてきて大きな社会問題になっていると。これは,みんな同じとらえ方をされていると思うんですけれども,急激に下がったり急激に上がったりすると,社会がそこへ対応し切らん。いわゆる行政サービスもなかなか対応し切らんというところに大きな問題があるのかなと,こうも思っているんですが,その出生率が2.1という点で減りもふえもしないんだわと。しかし,それ以下であれば減っていく。しかし,緩やかに減っていく。逆に,緩やかにふえていくというような状況になれば,行政を含めて一定程度それに追いつきながら対応していけるといいますか,ぼっかけて対応できるということになるのかなと。しかし,今日的には急激な減少というところに,急激な高齢化含めて大きな社会問題になっていると,こんなことになるのかなと,こう思います。  しかし一方で,保育料金の体系などについてもあえて問題提起をさせていただいたんですけれども,保育に欠けるか欠けないかということを選別と言っちゃ何ですが,それを一つの区別の区分として,保育園と幼稚園,あるいは仲よし子ども館という形で子供たちが分けられていっていると。こういう実態なんですけれども,僕は現状の中で保育に欠ける,あるいは欠けないというような形で,現状子供たちを区分をすると言っちゃ言葉は適当でないかもしれませんが,もうそういう時期は過ぎたのではないかと,こんな気がしてならんのです。  そんな意味では,幼稚園も保育園も仲よし子ども館も一本化したような形での乳幼児対策といいますか,こんな形での行政の具体化に向けて検討が必要な段階に来ているんではないかと。もちろん,そのことだけが出生率を高めることになるなどということは毛頭考えていることではありませんけれども,対象児のことを考えますと,そんな考え方のもとで,いわゆる小学校区単位に何らかの形で公的施設あるいは社会福祉法人の施設が配置がされて,小学校区単位での乳幼児の施設がせり上がって小学校へ行くと。何ぼかの小学校区で中学校区へと発展していくというような,そんな絵図が出てくるのかな,こんな実は思いもしているところなんです。  出生率がこのように大きく変化をしてきているというこんな機会に,いま一度乳幼児,この人方に対する行政のあり方という点で,教育委員会や,あるいは市民局や関係するいろんな部局,さらには有識者などのお集まりをいただくようなことを含めて,たとえば社会福祉審議会の児童部会,あるいはそれと類似したような懇談会的な組織をつくるようなことを含めて,結論は出なくても,今日的に情報を一定程度集めて,そういうことについて検討しておいてみるというような形での,この出生率低下を一つの契機にしてそんな機関を設けて.あるべき姿を解いてみるというようなことをしてはどうかと,こう考えているところなんですが,局長いかがでしょう。 ◎大長 民生局長  いまおっしゃいました幼稚園なり,保育園なり,仲よし子ども館というようなものを,少子化現象の中で垣根を取り外して,そしてそれをたとえば小学校単位のようなものの中で一本化してはどうかということのお話なんでございますけれども,私どもが預かっている保育所というものは,ご存じのように児童福祉施設でございまして,そこの根っこになるのは,いわゆる保育に欠けるとおっしゃいましたように,保育に欠けるということでそこに入るというふうに限定をされている施設であるわけでございます。  一方また,そのほかの仲よし子ども館も含めましても,幼稚園等につきましては,そういうものではなくなっているということになっているわけでございまして,おっしゃることは頭の中では理解ができるわけですけれども,いまそういうようなことについて進めていけるかどうかということになりますと,大変難しいかなというふうに思っております。  しかし,一方では,急激な高齢化社会,そういう現象が来ております。そして,もう一方のそれを支えるべき,いまおっしゃいましたような児童の数が急激に減っていると。いわゆる,車の両輪が片一方はふえ,片一方は減るというようなことでございますから,これは非常に大変な問題でございますし,おっしゃるような,いわゆる電撃的にそういうことをせざるを得ないような時代が来るかなというようなことも,いまふっと思ったところでございます。  それから,そういうような実情を踏まえて,じゃ,今後どういうふうにするかという中で,検討委員会のようなものをつくってはいかがかというお話でございます。少子化対策を進めるということは,もちろん札幌市もそうでございますけれども,これはいわゆる日本という国の国民的課題でないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして,国民とか,それから市民であるとか,そういうものの意識改革にまで及ぼさなければならない大きな問題であります。  したがって,国民的な問題としてとらえるためにも,現在,国におきましてこういうことを十分意識しておりますから,都道府県レベルにおいて児童環境づくりの推進協議会というものをつくりなさいというふうに実はおりてきているところでございます。札幌市は政令指定都市でございますから,国からそういうものはおりてきておりませんけれども,現実の問題として,北海道にまでそういうことを考える指示が国から来ていることを踏まえますと,本市といたしましても,そういう取組みについて,早い時期で検討していかなければならないんでないかというふうに考えております。 ◆猪熊 委員  そんなことで,細やかにその方向について出していただきましたので,期待をして終わります。よろしくお願いします。 ◆武藤 委員  まず最初に,母子寮に関してお尋ねしたいと思います。  現在,札幌市には公立で1ヵ所,民間で5ヵ所の母子寮が設置されています。母子寮とは,母子世帯としての母親が家計の中心として生計を維持するとともに,児童の養育にも当たらなければならず,精神的にも経済的にもきわめて不利な条件にあり,生活,住宅,教育,就職などの解決困難なさまざまな問題を抱えている母子世帯を入居させるべきものとして,母子寮の目的がはっきりと規則の中でも述べられています。つまり,いろいろな事情によって生まれた母子世帯が,安心して再出発できる場でなければいけないと思うのであります。  ところが,現在,公立1ヵ所を含めてある6ヵ所の母子寮のうち,浴室があるのはたった1ヵ所,他の2ヵ所はユニットバスが用意されています。残りの半分は浴室すらなく,とりわけ乳児を抱えて入居する母子世帯が多い母子寮としては,利用しづらい施設となっています。また,トイレも専用が3ヵ所,あとの3ヵ所は共用となっていて,ここでも利用しづらい施設だと言わざるを得ません。  いかに利用しづらいかを示すものは,入居率です。過去3年間の入居率を見ても,昨年度のを見ても,浴室がない,トイレは共用という母子寮は,完備された母子寮と比べると低くなっているのが特徴です。とりわけ,唯一の公立である白石区菊水にあるしらぎく荘の入居率は,常に最低というのも問題ではないかと思うのです。地価高騰や木造アパートの老朽化で,マンションなどへの建てかえや取崩しが増大し,住宅難は社会問題になっています。こういう時期だからこそ,母子世帯を母子寮の目的に沿って安心して入居できるように改善すべきと思いますが,いかがでしょうか。この改善の見通しについて,まずお尋ねしたいと思います。  また,2点目には,母子寮で個々人が世帯としてのプライバシーを十分に守られているのかという問題です。  退去する母子世帯の方々の最大の要因は,電話すら個室につけられなく,管理人室のそばに置かれた公衆電話を利用しなければなりません。呼び出しも,回りに,だれかに聞かれたくない,知られたくないという,電話の話し声もついひそひそ話になってしまうという苦情も出されています。私立の3ヵ所では個室に電話回線が引かれており,電話を設置することができます。またここでも,公立であるしらぎく荘で同様に,各室に電話を設置することができるように整備することはできないものかどうなのか,2点目にお尋ねしたいと思います。  また,母子寡婦福祉資金についてお尋ねします。  現在,貸付制度は要求に沿って13種類の資金があります。多くの方々に利用されていることは決算でも明らかになっていますが,その中でも,就学支度資金は合格通知をもって申請しないとだめなことになっており,現在では,入学式の済んだ4月28日にならないとお金が出ない実態となっています。この就学支度資金は,名前のとおりに入学のための支度資金であります。目的にかなうように,ぜひこの就学支度資金を何とか内容を改善していただき,入学の前に役立たせるような方向を検討できないものかご返答いただきたいと思います。  以上,3点お答えをお願いします。 ◎日埜 保育部長  ただいま母子寮の問題について2点,それから母子寡婦貸付金について1点のご質問をいただきましたけれども,これに対してご回答を申し上げます。  1点目の母子寮の関係でございますけれども,確かに委員おっしゃるとおり,母子寮の充足率というのは低下をしておりまして,この傾向は全国の母子寮においてもこういう傾向が見られております。この原因については,確かにご指摘にありましたように,母子寮の建物,設備の老朽化による生活環境のおくれも原因の一つに考えられますが,しかしもう一つ大きな原因は,プライバシーとの兼ね合いから共同生活を敬遠し,民間のアパート,あるいは市営住宅を選択する傾向があります。  そこで,お尋ねの1点目の電話の問題でございますけれども,しらぎく荘については私どもも毎年建物の施設の整備を図ってまいりました。最近では,屋内の塗装だとか,各室のガス瞬間湯沸かし器の設置だとか,入寮者の生活環境に努めてまいっております。  電話につきましては,公衆電話が1台ありますけれども,プライバシーの保護という観点から,入居者からも各室に電話を使用できるようにしてほしいという要望もございました。個別の電話の回線の設置につきましては,私どもも計画しておりますので,これは実行したいと思っております。  また,民間の2施設を含めてのふろの件でございますけれども,時代の趨勢を勘案しますと,寮に浴室があることは望ましいことは言うまでもありません。しかし,いまの建物に浴室を備えるとなると,敷地の関係だとか,建物の構造等,いろいろな問題がございまして,事実上建て直さなければならないというような状況にもございます。  それから,就学支度金の関係でございますけれども,貸付金の事務につきましては,現在電算処理で行なっておりまして,就学支度金につきましては,その時期が高校,大学,専門学校,または公立,私立により多様化しておりまして,電算のプログラム上,同月内に複数に分けて支払うことはなかなか難しい状況にありまして,従来は3月中に申請を受け付けたものについては4月2日に貸付けを行なっております。  この支度金につきましては,入学に伴うもろもろの費用に対し貸し付けるものであり,せっかく合格したのに貸付金の支払いが遅くなるということになれば,いろいろご不便もおかけすることになりますし,また,本資金の趣旨を踏まえて,この貸付金の支払いにつきましては,申請を受けた日からできるだけ早く貸付けできるように,支払い日をふやすなどについて検討してまいりたいと思っております。以上です。 ◆武藤 委員  非常に前向きな回答だったと受けとめております。ただ,やりますということで,時期の問題があると思うんですが,早急にということで確認してよろしいのでしょうか。 ◎日埜 保育部長  電話につきましては,新年度早々ぐらいに考えております。  それから,就学支度金については,電算の処理の関係もありまして,これから作業に入る時間を要しますので,年度内にできるだけ間に合わせたいと思っておりますけれども,これはちょっとまだ,いまの段階では確約はいたしかねる状況であります。 ◆武藤 委員  できるだけ要望に沿って,早目にお願いしたいことを要望したいと思います。  続いて,保育料の問題に関して質問いたします。  いまもお話がありましたけれども,私は減免問題を中心に質問したいと思います。規則の第5条に基づく,保育所にかかわる徴収金の減免要綱についてお尋ねします。  2年度の決算においても,減免制度利用者はわずか15世帯,149ヵ月分となっています。16年間連続値上げの高い保育料に苦しめられている生活実態の中で,離婚,倒産,失業,別居,または病気や勤務条件の変更などの事情による減免,減額措置こそ,いま最も多くの人々に望まれているところではないでしょうか。  ところが,国民健康保険料や市営住宅の家賃減免制度と違って,いまもって保育料は減免制度を利用できるのは,あくまでも収入が生活保護基準以下であり,収入ダウンによる階層ランクの変更も離婚した場合のみとなっています。生活保護基準以下でどうやって生活していけるのでしょうか。生活保護を受けずに何とか自力で頑張ろうとする人たちこそ,減免制度が活用されなければならないのではないでしょうか。  たとえば,一家の家計の主流を占める夫が病に倒れ傷病手当になってしまえば,月収はそれまでの6割しか入りません。4割削減され,さらに医療費がかさめば,もうやっていけないのが実態です。このような中で,一日も早く減免制度の充実を6月の議会でも望み,質問をしましたけれども,そのときの回答も非常に前向きな回答を得れたと考えています。  そこで,その要綱の変更を含めて,その後,どういう作業経過で進行しているのかどうなのか,その点についてまず最初にお尋ねしたいと思います。  それから,口座引き落としの率が決算のたびごとに非常によくなってきていると。このことは,イコールすべて収納率につながっているのかどうなのか。その実態についてもお尋ねしたいと思います。 ◎日埜 保育部長  1点目の保育料の減免の見直しについてでございますけれども,これについては,いま委員がお話にありましたように,6月議会でこのようにご指摘を受けまして,所得激変世帯などの取扱いについて,他の制度等を参考にするなど,現在作業を行なっておるところでございます。  それから,2点目の口座の引き落としでございますけれども,収納率が上がっているのかということでございますけれども,口座に伴って上がっているかどうかという分析まではまだいたしておりませんけれども,確かに,一々銀行に持っていって納める手間暇,あるいは忘れるといったようなことがない。その分だけは確実に上がっているのではないかと,そのように考えております。以上です。 ◆武藤 委員  最後の問題なんですけれども,口座引き落としで手続をされた父母の場合でも,皆さん方は給料が口座振込みになっている人がどのぐらいの割合でいるのか,それは事前に調査をなさっているのでしょうか。  私が押さえている実態では,口座にお金を入れに行かなければならない。いままでは納付書を持って金融機関に行かなければならない。これは,どちらを取ってみても,同じ手間暇になっているのが実態なんです。ですから,先ほどの質問は,口座引き落としの手続をやったところで滞納がないのか。必ずそこで引き落としが間違いなく毎月行われているのかどうなのかということをお尋ねしたわけなんです。その実態をご存じかどうかお答えいただきたいのと,もう一つ,時間もないので最後の質問を続けてしたいと思います。  延長保育の問題についてであります。  延長保育を57年から実施されて,札幌市でも現在北区に2ヵ所,あとの区は1ヵ所ということで,10園で延長保育が指定園として実施されています。この延長保育を行なっている指定園では,臨時職員分五千数百円,そしてパート2時間分の費用,そして処遇費として一人延長保育の子供がいれば,それに2,500円掛けられた数が助成金として指定園になっている保育園にお金が出されています。  ところが,すべて,猪熊委員も公私格差の問題を大きな問題として取り上げましたけれども,ここでもやはりこのことが大きな問題になっているのが実態です。このお金でどれだけの保母さんを確保できるのか。また,指定園で10園定められて助成金をもらってやっているところすら,保母の体制がとれなくて大変だという,この実態とは裏腹に,さらに指定されず,そして助成金ももらえない中でも,いま民間保育園では多くのところで,多様化する父母の労働条件に何とかそぐうようにしていこうと,無償で朝も7時台から,夜も6時過ぎまでの,早朝そして夜間の延長保育をやっているわけなんです。民間保育園からは常々,こういう延長保育を希望するところに,私たちにも助成金を出してほしいという声が数多く上げられています。また,延長保育は10園にとどまらず,もっとふやすべきと考えますが,その点についてもいかがでしょうか,お答えください。  また,延長保育で助成金をふやすつもりはあるのかどうなのかについてもお尋ねしたいと思います。 ◎日埜 保育部長  延長保育の拡大ということでございますけれども,延長保育については,通常の保育時間を超えて保育需要が年々高まっていたこと。また一方では,婦人の社会進出や子育て支援をしていくという保育所の使命から,当面各区に1ヵ所程度の設置を目標に57年から整備を始めまして,今年度この目標を達成したところであります。その結果,9月1日現在で10ヵ所で226人,これに対して措置児童が176人というぐあいになっております。  延長保育による長時間保育は,児童の発達に与える影響が必ずしも好ましいことではない。また,長時間に及ぶ就労についても,そもそも労働環境の整備が前提と考えられなければならない問題と踏まえて,今後は地域的な需要を把握し,慎重に検討していかなければならない問題だというぐあいに考えております。  先ほどの口座振替の関係で,給料の振込みの実態でございますけれども,これについては特に調査はしておりません。以上でございます。 ◆武藤 委員  いまお話があったように,実態から出発するということが一番大切なことだと思うんです。保育料の確定をするときも含めて,父母の実態,また,延長保育を必要とする父母の労働条件の実態などを考慮した上,また,給料がどこまで口座振込みになっているのか,こういう実態をきちんと把握したところから,どうすべきなのかということを,ぜひ保育部としても考えたいただきたいと思うんです。  また,延長保育においては,早朝の延長保育も父母の中から強い要望として出されてきています。ぜひこの点についても,さらに検討して,助成の対象になるような措置も考えていただきたいと思います。以上で終わります。 ◆横山 委員  私は,保育園行政の中で,特にいま子供たちをむしばんでいる食物アレルギー,特にアトピー性皮膚炎の対策についてご質問をさせていただきたいと思います。  ことしの2月の第1回定例議会の中で,私どもの菊田議員がこの問題を取り上げております。その中で,札幌市に対して積極的にその実態調査を求めています。その結果,市の皆さんも大変努力をされて,たしか3月に各保育園に対してアンケート調査を出し,その結果が5月にまとめられています。その中身を私も見せていただきました。それで,なおさら,きょうはどうしてもこの問題について取り上げたい,質問をしたいというふうに思ったわけです。  全体で,いま札幌市は公私合わせて157園保育所があるんですが,このアンケート調査に答えたのはそのうち154園。その中で,約8割の保育園で1人ないし2人,3人,4人と,要するにアレルギーを抱えている子供を預かっているわけですね。そんな中で,子供たちに少しでも健康的な,快適な生活をと,保育園の保母さんや栄養士さん含めて大変な努力をなさっているという実態も,たとえばアレルギー体質の子供たちに弊害のある食事をさせない,要するに除去食事の努力をされている園がその中で66%もあるというこの数字を見ると,やはりこれは現場任せ,父母任せではまずいと。いまこの10月に入ってからでも,初旬の道新を見ますと,毎日のようにアレルギーの問題が報道されています。それは,もう皆さんもごらんになったと思うんですけれども,全体的にはやはり父母や,それから学校,幼稚園,それから保育園の努力ではなかなか賄い切れない,そういう大きな社会問題になっているんだと。これは1定のときに菊田議員も,その認識を市の皆さんにも持っていただきたいんだという旨の質問をしているわけです。  それで,5月にそのアンケートの結果が出ました。その結果を踏まえて,感想,それから,その結果を受けて,どういうふうに具体的に札幌市として対応されていらっしゃるのか。もう10月ですから,アンケート調査の結果が出て5ヵ月を過ぎているわけですから,何らかの対応がされているんではないかということを期待して,最初にその質問をさせていただいております。  それでは,私の希望も含めて質問をさせていただきたいんですが,66%の保育園で除去食事のそういう体制をつくってやっていると。じゃ,調理員も含めて体制が整っているから実施しているのかというと,決してそうではないんです。それが調査結果の中にも,調理員の配置の人数も含めて,端的にあらわれていると思うんですが,この除去食事を進める上での調理員の充足,それは,いま満たしていないと,そういうふうに受けとめているんですけれども,そのことについてもどうお考えなのか,どう受けとめていらっしゃるのか二つ目お聞きしたいと思います。  三つ目は,私も現場の栄養士さんとお話をする機会がありまして,それぞれのご苦労を聞かせていただきました。たとえば離乳食を進める場合に,卵,それから牛乳,鶏肉,それが主には食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の要因になっているんではないかという,はっきりはまだそういう結論は出ていませんけれども,そういう予測も含めて,相当の努力を献立の中でなさっていると。たとえば油ですね。これを大豆油ではなくて,菜種から取った油を利用しているとか,それぞれ材料に吟味をしながら進めているんです。そういう中で,じゃ,保育園に出されている措置費だけで賄えるのかという問題も出てくると思うんです。  これは1定のときに,菊田議員も質問をしております。それはもう皆さんご存じ,ご記憶だと思うんですけれども,そのときに,代表質問の中で菊田議員が質問をしているんですけれども,これに対して,こういうふうにお答えになっていらっしゃるんです。措置費については,もしそういうことで支障を来たした場合には,札幌市として厚生省に対して強く除去食事を実施していく,進めていく上で障害が出てきた場合には,厚生省に強く申入れを行うというふうにお答えになっていらっしゃるんですね。ですから,アンケート調査の結果でも66%の園で実際にもう除去食事をやっていると。当然そこには措置費が足りないという問題も出てくる。そのことについてどういうふうに対応していらっしゃるのか,まずこの3点お聞きしたいと思います。 ◎日埜 保育部長  ただいまの3点についてお答えいたします。  まず1点目でございますけれども,食物アレルギーの実態調査,その結果を踏まえてどう対応したかということでございますけれども,この実態調査については,先ほど委員がおっしゃったとおり,3月に実施しまして,それを取りまとめております。これをもとに,札幌市の保育園の園医さんで構成しております保育園協議会というのがございまして,この中でもこの資料を提示しまして,いろいろ検討してまいっております。また,9月28日と29日に本市において開催されました日本保育園協議会においても,保育現場におけるアレルギーをめぐってということで,栄養士,園長,嘱託医及び専門医の立場からパネルディスカッションがあり,この場においても結論が出ない状況でありました。  このようにアレルギーの問題については,専門医を含めた論議の中でさまざまな意見があり,したがって,今後は,保育園医と保育部で構成しております保育園医研究会において調査,研究をしてまいりたいというぐあいに考えております。  2点目の調理員の体制でございますけれども,調理員については,措置費で見られている調理員のほか,本市独自の補助で,調理員パートを雇用できるよう補助しておりまして,公立とほぼ同じ水準となっております。アレルギーの除去給食のあり方については,まだ確立されていない状況の中でありますので,どのように対応すべきか,今後の課題と考えておりますので,当面は,この財源の中でお願いしたいというぐあいに考えております。  それから,3点目でございますけれども,それぞれの児童に応じ原因となる食物の一部除去,あるいは程度によっては弁当持参というような対応もありますけれども,各指定都市においても調査した結果,同様の状況にございます。  現在,国においても小児アレルギーに対しての調査研究が進められておると聞いておりまして,その成果を踏まえ,さらに本市といたしましても,保育園嘱託医で構成されている札幌市保育園協議会の協力を得ながら,アレルギーに対する給食のあり方について検討してまいりたいと思っております。  なお,12大都市の児童福祉主管課長会議においても,厚生省に対し,アトピー性皮膚炎の診断基準の統一や治療法の研究並びに財政措置を講ずるように要望をしておるところでございます。以上でございます。 ◆横山 委員  実際に保育園の対応のところでは,栄養土,そして園長先生,保母先生が,お母さんの自己診断でうちの子はアトピーだと,だから除去食事をしてほしいというような問題もある,もう一つの面では抱えていると。ですから,厚生省に対して,この食物アレルギー,アトピー性皮膚炎の問題に対して,やっぱり統一した見解を出してほしいというのは,もう私たち父母の側にとっても強い願いでもあるわけです。ですから,いまのご答弁は私もそのとおりだというふうに思いますが,しかし,せっかくご苦労されて実態調査までなさったわけですから,もう一歩,踏み込んで,保育園の中でのアトピー対策,これを進めてほしいというのが,私どもの父母の強い願いであるというふうに一つは押さえていただきたいと思うんです。  ですから,その端的な例が先ほどもお話したんですけれども,ことしの保育園の秋の行動の中でも,このアレルギー,アトピーの問題がお母さんたちの中で強い願いになっていると。要望として政府に対しても,1項を設けてこの問題を掲げて頑張ろうというふうになっているものですから,ぜひそういうこととしてとらえていただきたいのと,実際に東京の国立では,昨年度からアレルギー児保育対策費が認められているんです。ですから,保育園の中での食事療法の必要な子供たちに対して,たとえば園に3人いる場合は6万9,000円という措置費が特別に認められている。要するに全国の自治体では,いよいよそういう努力が始まったんだなというふうに私は歓迎をもって迎えているんですけれども,ぜひ札幌市でも行政としてこの問題に真正面から取り組んでいただいて,本当にかゆいと泣いている子供たち,その子供を見ているお母さんの立場に立ってぜひ対応を進めていただきたい,そのことを申し述べまして終わりたいと思います。
    ○小谷 委員長  以上で,第2項 児童福祉費,母子福祉資金貸付会計決算及び寡婦福祉資金貸付会計決算の質疑を終了いたします。  次に,第4項 老人福祉費のうち関係分及び第5款 労働費 第1項 労働費のうち関係分について一括して質疑を行います。 ◆原口 委員  私は,在宅福祉対策の中核とも言うべきホームヘルパー,ホームヘルプサービスについて,時間も経過しておりますから簡潔に質問させていただきます。  国のゴールドプランでは,平成11年までにホームヘルパーの数を10万人体制に持っていくというふうにうたっているところでございますけれども,全国の高齢化の状況であるとか,老人ホームや病院の整備といったように,それぞれの自治体で異なっておるわけでございますけれども,私は今後札幌市がホームヘルパーを確保していくためには,やはり寝たきり老人数や住民ニーズを的確にとらえて,サービスを効率的に,そして柔軟性を持って対応していかなければならないというふうに考えておるわけでございまして,そこで,まず第1番目に,本市のホームヘルパーの人員と派遣している世帯数であるとか,それから,ホームヘルパーの身分,それから,休暇制度等の労働条件につきまして,どのようになっているのかお尋ねをいたしますし,あわせて,サービスを受けたいという待機者が現在どのぐらい札幌市内にいらっしゃるのか,それをまずお尋ねをいたします。 ◎白井 高齢化対策推進部長  ホームヘルパーにつきましての何点かのお尋ねがございましたが,まずホームヘルパーの配置数についてでございますけれども,現在78名を配置しております。  また,派遣世帯数でございますけれども,10月1日現在で418世帯でございます。  ヘルパーの身分につきましては,本市の第2種非常勤職員でございまして,1週30時間の勤務となっております。  また,休暇でございますが,採用後1年目から10日間付与されておりまして,最高20日間の年次有給休暇が付与されております。  最後に,待機者についてでございますが,9月30日現在で6名となっております。以上でございます。 ◆原口 委員  ただいまの白井部長の答弁では,9月30日現在で待機者が6名だと。非常に少ない感じがするわけでございますけれども,派遣待機の考え方といいますか,派遣の要件ですね,それについてはどのようになっているのか。たとえば1週間当たり何回行って,何時間サービスを提供するのか。現在の札幌市の状況とあわせて,全国的にはどんなふうになっているのか,それをお尋ねいたします。 ◎白井 高齢化対策推進部長  第1点目のヘルパーの派遣要件でございますけれども,日常生活を営むのに支障のあるおおむね65歳以上の方または心身障害のある方で,家族の方が介護を行えない状況にある場合となっておりまして,申し出に基づきまして,訪問調査をした上で,派遣の要否を決定しているところでございます。  次に,1週間当たりのサービス時間と派遣回数でございますが,10月1日現在でございますけれども,サービス時間は平均2.6時間,派遣回数は平均1.2回となっております。  なお,全国的な状況につきましては,財団法人長寿社会開発センターが昨年度,全国348市町村,これは全国の市町村の10%に当たる数でございますけれども,を対象に実施したヘルパーの派遣状況調査によりますと,週当たりの派遣回数が2回以下という市町村が約90%,派遣時間も2時間から3時間の市町村が約80%といった調査結果が出ております。以上でございます。 ◆原口 委員  ただいまの部長からのご答弁で,1週間当たりの派遣時間と回数についてご説明があったわけでございますけれども,確かに個々人の家庭の状況であるとか,それから体の障害といいますか,身体の状況などによって異なるとは思いますけれども,これもやはり何か少ないような感じがするわけでございます。  それで,一方では,高齢化の進展に伴いまして,いわゆるサービスを受けたいという介護老人,必要であるというふうな,そういう所帯がますますふえてくることが予測されるわけでございます。こうした状況を踏まえまして,ホームヘルプサービスの充実ということは,本市としても急がなければならないと感じるわけでございますけれども。そこで,高齢化対策指針の中にも,ホームヘルパーの充実について,これから一生懸命対応していこうというふうな基本的な姿勢が出ておるわけでございますけれども,ここでもう一度その基本的な姿勢をお尋ねしたいのと,それからホームヘルプサービスの各都市の実施体制については,どんなふうになっているのか,それもあわせてお尋ねをいたしたいと思います。  それからもう1点ヘルパーの研修についてなんですけれども,私は人材の育成なくして福祉はないというふうに基本的に考えているものですから,このヘルパーの研修についてお尋ねをしたいと思います。  高齢者の生活の質の向上を図るためには,やはりいま申し上げましたように,業務に従事するヘルパーの資質の向上というのが最も重要であるというふうに考えるわけでございます。そこで,講義であるとか,実技であるとか,それから実習といったふうに,バランスのとれたカリキュラムで研修をしていかないとならないというふうに考えておるわけでございますけれども,本市として,どのようなヘルパーの教育についてやっていらっしゃるのか,今後どのようにやられるのか,それをお尋ねいたしたいと思います。 ◎白井 高齢化対策推進部長  今後におけるホームヘルパーの充実についてでございますけれども,昨年,直営のヘルパーに加えまして,札幌市在宅福祉サービス協会を設立いたしまして,家事援助サービス事業の拡大を行なったところでありますけれども,さらに特別養護老人ホームを活用した介護型のホームヘルプサービスにつきましても,早期の実現こ向けて検討を重ねているところでございます。いずれにいたしましても,的確にニーズを把握しながら,効率的で柔軟性の発揮できる体制を整備してまいりたいと考えております。  次に,各都市の実施体制につきましては,東京都を除きます他の10政令都市中,直営のヘルパーを持っている市が7市でございまして,その中で,社協またはサービス公社でも実施しているのは7市ございます。直営ヘルパーを持たずに,社協またはサービス公社だけで実施している市が3市ございます。  また,ヘルパーの研修についてでございますが,本市では昭和62年度から財団法人長寿社会開発センターに委託をいたしまして,講義,実技,実習が一体となった家庭奉仕員講習会と施設寮母と合同の研修会を実施してきたところでございます。  今後につきましては,本年度厚生省が新たに定めましたホームヘルパー養成研修事業に基づいて研修を実施してまいりたい,このように考えてございます。以上でございます。 ◆原口 委員  いまいろいろお話をお聞きいたしまして,何とか高齢化対策を進める上で,やはりホームヘルパーというのが,ホームヘルプサービスといいますか,それを充実するのは,本当にいま緊急性を要しているわけでございますし,また,いわゆるマンパワーの確保の重要性もあらためて部長の答弁から感じるわけであります。そんなことで,本市におきましても,ホームヘルパーの労働条件の改善であるとか,ヘルパーの社会的評価の向上等に今後ともご尽力くださいますよう要望いたしまして,私の質問を終わります。 ◆横山 委員  私は,高齢化社会を迎える中で,札幌市が単独で行なっている敬老パス制度の拡大適用についてご質問をさせていただきたいと思います。  この事業,敬老パス制度は,札幌市に住むお年寄りにとっては,大変老後の生きがいをさらに豊かにするという点では喜ばれています。ですから,本当にこのパスのおかげで世界が広がったと,毎日が非常に楽しいというふうに思っていらっしゃるお年寄りが多くなっていることは,私たちにとっては大変喜ばしいことだというふうに思っています。  そこで,敬老パス1人当たりの経費,要するに敬老パス1枚の代金と言っていいでしょうか,それはお幾らなのか。それと,敬老パスをいま支給している要するに支給対象の人数。さらにはいろいろな事情で,あるいは支給を辞退される方が中にはいらっしゃるのかどうか。その点,最初にお聞きしたいというふうに思います。  それとあわせて,実際に手元に敬老パスをいただいたと。じゃ,実際に活用されているのはどのぐらいなのかなというふうにも思うんですが,その点いかがでしょうか。 ◎白井 高齢化対策推進部長  敬老パスについてのお尋ねでございますが,まず,これは平成2年度の決算数字というふうにご理解いただきたいんですけれども,1人当たりの費用につきましては1万9,991円でございます。  それから,対象人数でございますけれども,8万7,220というふうな数字でございます。  それから,このうちで辞退といいますか,そういう方がどの程度ということでございますけれども,1万3,811名ほどの辞退の方がいらっしゃいます。  活用状況でございますけれども,これは,実は,どの程度活用されているか,大いに活用されているというような言い方しかないと思います。統計的にどの程度ということは,ちょっとまだ把握はしておりませんけれども,先ほどお話ありましたように,非常に喜ばれている制度でございますので,かなりの活用があろうかと,このように思っております。以上でございます。 ◆横山 委員  残念ながら1万3,000人の人たちが辞退をされていると。その理由はいろいろあると思うんですけれども,実際に活用できない,いわゆる長期にわたって入院しているとか,なかなか外に出かけられない,ある程度体が不自由だとか,そういうさまざまな事情で辞退をされていると。1万3,000人の人たちがそういう実態にあるということを,もう一度光を当てる必要があるんではないかというふうに私は思うんです。  それで,ぜひ敬老パスが活用できない人に対して,これは,これからの札幌市の高齢者対策の中の一環にもなるかというふうに思うんですが,先ほど議論になっておりましたように,福祉の分野では乗車証福祉パス,それから福祉タクシー利用券が配付をされています。この敬老パスの制度の中に,たまたましか外出できない1万3,000人あるいは2万人というふうに思われるお年寄りに対して,年間敬老パスに1人当たりかかる経費約2万円,これに相当するタクシーチケットの配付ができないものかどうか。ここのところで私は,要するに敬老パスかタクシーチケットか選択できるような,そういう制度をつくっていただけないものかどうかお尋ねをいたします。 ◎白井 高齢化対策推進部長  敬老優待乗車証を利用できない高齢者に対する代替措置としてのタクシーチケットの交付というようなご趣旨かと思いますけれども,先ほど申し上げましたように,敬老優待乗車証交付事業といいますのは,高齢者の社会参加と生きがいを高め,充実した老後の生活を送れるようにという趣旨で,70歳以上の高齢者に対しまして一律に交付をしているものでございます。いわゆる敬老精神に基づいて実施しているものでございまして,交付に当たっての制限であるとか,タクシーチケットの交付など代替措置にはなじむものではないと,このように考えているところでございます。以上でございます。 ◆横山 委員  なじまないというご回答にはちょっと納得できないんですけれども,やはり高齢化対策,その一環としての位置づけですね。要するに考え方の問題だというふうには思うんですけれども,ぜひ,いまの枠の外で考えられないものか。いろんな方法がないものかどうか,ぜひもう一歩突っ込んで検討していただきたいと。  桂市長は,安らぎを感じて安心して暮らすことのできる市民福祉のまちを実現すると,そのために全力を尽くすというふうにおっしゃっています。まちづくりというのは,建物や道路,環境整備するだけではなくて,そこに住んでいらっしゃる方たちが,本当に札幌市に住んでよかったと。それが子供たち,お年寄り,働く人たちすべてがそういうふうに思える,そういうまちをつくっていくのもまちづくりの一環ではないかというふうに思います。ですからぜひ,この思いは私も市長も,そしてそこにいらっしゃる助役も同じ思いだというふうに思いますので,助役のほうから一言ご回答いただいて終わりたいと思います。 ◎木戸 助役  桂市長の思いは,そのとおりだと思いますし,私も同じ気持ちですし,横山委員も同じだと思います。  基本的には同じでございますけれども,やはりいろいろな福祉施策を進めていく上で,お金もかかるわけでございますから,いろんな施策がありますけれども,いまの状況において何が最も大切であって,何をすることが一番適切であるかということを判断していかなきゃいかん。  そういうような観点から考えていきますと,敬老パスは,あれはあくまでもやはり敬老の精神をたっとんで配付しているものでございますから,それとタクシーチケットとは全く異質なものでございまして,私はこれはできないと,このように思います。 ◆山口 委員  原口委員からの直営のヘルパーについてのご質問がありましたけれども,私は,在宅福祉サービスセンターに絞って簡潔に質問させていただきます。  在宅福祉サービスセンターは,ちょうど昨年のきょう発足したというふうに聞いておりますけれども,新しい事業の開始に当たっては,関係部局の方は大変ご苦労があったことと思います。  そこで,1年を振り返りまして,在宅福祉サービス協会をどう評価されているか,現状と総括についてまずお伺いしたいと思います。  それから,私はサービス協会の協力員の方3名とお会いしてお話を伺ったんですけれども,ある方は,派遣された家庭との相性が非常にいいといいますか,コーディネーターの方もよく理解していて,仕事もスムーズにいっていると。ボランティアでこの活動に加わって本当によかったというふうな感想を述べていらっしゃるんですけれども,別な方は,当初の約束になかったいろんな作業,仕事をたくさん依頼されると。頼むほうは,お金を払っているのだから,目いっぱい働いてもらいたいという考えがあると。そういうことで,協力員の方は,あくまでボランティア,善意のつもりで参加したんですけれども,その辺で非常に大きなギャップが生じている。実は,自分は安上がりの労働力として使われているのではないかと,そういう疑問もわいてくるというような,そういう感想を聞きました。そういう方たちにとっては,このサービス協会というのは,長く続かないだろうというふうに思っているわけです。人は次々に変わる。結果としていっぱい希望者は出るかもしれないけれども,同じ人が長続きするということはないのではないかというような感想を持っていらっしゃいます。  そこで,500円という額,また有償ボランティアという位置づけ自体が言葉の矛盾かなとも思うんですけれども,その議論はここではちょっと避けまして,500円という額が果たして妥当かどうか,そういうような検討もされていらっしゃるのかどうかという,まずその2点についてお伺いします。 ◎白井 高齢化対策推進部長  昨年発足しました在宅福祉サービス協会についての現状と評価についてのお尋ねでございます。  まず現状について申し上げますと,今月の10月1日現在の協力員の登録数は319名となっておりまして,サービスを利用している世帯は164世帯でございます。  それから,ちょうど1年前でございますけれども,昨年の11月から事業開始しておりますけれども,事業開始以来の延べ利用世帯は250世帯となっているところでございます。  なお,丸1年を迎えたところでの評価ということでございますけれども,協力員について言いますと,目標が250名に対しまして,いま申し上げましたとおり319名と予定を超える状況になっておりますし,利用世帯も順調に伸びてきているところでございます。  この事実は,市民のボランティア精神に基づく事業としまして発足したものでございますが,この1年間の実績としましては,協力員の方々のご熱意もありまして,利用世帯から高く評価されていると,このように認識をいたしておるところでございます。  それから,2点目の協力員に支払うべき活動費についてでございますけれども,これは発足当初から,サービス協会は市民の互助の精神を基本といたしておりまして,いわゆる有償ボランティア制度として実施しているところでございます。したがいまして,活動費については,500円というか,ボランティア精神を全面に出した報酬といいますか,活動費になつておりますので,そういうことでもって設定をしたものでございます。以上でございます。 ◆山口 委員  500円のことにつきましては,まだ1年目ということもありますので,今後いろいろ推移していくのかなというふうに私は理解いたしました。  先ほども言いましたけれども,訪問するお宅との相性といいますか,そういうことも含めまして,事前調査を初めとするコーディネーターが非常に大きな役割を果たしているというふうに考えるんですけれども,コーディネーターというのは一朝一夕に養成できるものではありませんし,そういう点では将来のことも考えまして,予測性を持った育成なり運営というのが必要かなというふうに考えるんですけれども,協力員の方たちの募集と,それからコーディネーターの増員などについてお考えがあるかどうか展望を伺いたいと思います。  それから,もう一つは,研修の内容についてなんですけれども.現在13時間,3日間の基礎研修でいきなり現場といいますか,出ていくという状態がありますけれども,研修の中身をちょっと見せていただきましたら,13時間のうち1日目はオリエンテーションと理事長の講話ということですね。2日目に,札幌市の障害者福祉政策についてという講義が1時間あります。それから3日目は,札幌市の老人福祉施策についてというのが1時間ありまして,13時間のうち3時間はそういう施策等についての講演ということで,研修内容から言いますと,具体性とか実践性に欠けるんではないかという気がしているんですけれども,実際に現場に出ている協力員の方に伺いましても,実際に派遣されていくと,ほとんど基礎研修だけでは不足だというのを実感するというんですね。初歩的な問題でもさまざまな壁にぶつかって途方に暮れることが多々あるということですので,やはりそれでは不足ではないか。さらに基礎研修に重ねた上で,よりレベルアップした研修というのが必要ではないかというふうに感じております。その辺のコーディネーターの増員のこと,協力員の確保,それから研修内容の検討についてお考えがあるかどうかお伺いいたします。 ◎白井 高齢化対策推進部長  まず,コーディネーターの増員でございますけれども,先ほどの現状の中で申し上げましたとおり,協力員の数が現在319,それから利用世帯164と順調に伸びてきております。そういうことも考えまして,コーディネーターにつきましては,この10月に新たに1名の増員をいたしたところでございます。  次に,協力員の確保についてでございますが,町内会に対する働きかけであるとか,広報活動を通しまして,新たに協力員を開拓するとともに,組織の効率的な運営を図るため,社会福祉協議会とも密接な連携を図りながら,利用にこたえるべく努力をしてまいりたいと考えております。  また,協力員との懇談会の開催,これも何回か開催しておりますけれども,そういった開催回数をふやすこと,あるいは研修カリキュラムの充実など,協力員の意欲の向上を図られるように工夫してまいりたいと考えております。  次に,研修内容でございますけれども,お話ありましたように,あくまでも基礎研修ということで,昨年発足して以来,今日まで13回の研修を実施しております。中身としましては,3日間にわたりまして,延べ18時間の研修を実施しているわけでございますけれども,私どもこの研修でよしとしているわけではございません。これからのいろんな事業展開を考えた場合に,ますますこの研修については充実をしていかなければならない。また,そういう方向で検討もしていかなければならないと,このように考えているところでございます。以上でございます。 ◆山口 委員  最後なんですけれども,あくまでこの在宅福祉サービス協会は,市民の主体的参加の意思を大事にした運営ということで,行政の肩がわりであってはならないというふうに考えます。あくまでも行政が基本的な福祉政策は責任を持ってやっていくという,その上での市民の主体的参加ということだと思うんですけれども,いま言いましたように,本当に協力員の方が試行錯誤しながら一生懸命頑張っていらっしゃる。その方たちを市がどうやって支えていくか。いま言いました研 修内容のことも含めまして,そういうしっかり支えていくんだよという姿勢を示していただくことが,結局協力員の方,それから依頼しているお年寄りなんかも含めまして,そういう方の信頼をかち得ていくんではないかというふうに考えますけれども,ぜひその辺のご決意を局長のほうからお願いして質問を終わらせたいと思います。お願いします。 ◎大長 民生局長  部長からも答弁申し上げましたように,この制度ができてからまだ1年でございます。しかし,当初予想したよりも順調に推移しておるところで,大変喜んでいるというところでございまして,これから,いままで委員がおっしゃられました,いわゆる増員のことから,研修のことから,すべてを含めて私どものほうで充実をさせて,そして協力員の方々にも喜んで働いていただかなければなりませんし,受け手の方にも喜んでいただかなければならないというふうに考えておりますので,その辺十分にらみながら今後対応していきたいというふうに思っております。 ◆猪熊 委員  きわめて簡単に3点質問いたします。  一つは,入浴サービスについてでありますが,現状では月1回。そこで,お年寄りを抱えているあるお母さんから,気持ちはせめて週1遍,この思いですと切々と訴えられました。だれしも,できることならそうしてあげたいと,こう思われると思いますが,一気にそうやるというのはなかなか難しいのかなと。せめて月2回ということで具体化をしていただきたいなと思いますが,ぜひよろしくお願いしたい,こう思います。  2点目,在宅看護パンフの配布先。実はこういうパンフを本当にすばらしいパンフレットだと僕は評価をしているんですが,虚弱世帯,寝たきり世帯,痴呆性世帯,こういった人がいる世帯に6万部つくって配布をされていると,こういう状況のようでございますが,私は,こんなすばらしいものですから,そういった世帯だけではなくて,健康な65歳以上の高齢者がいる世帯も含めて,ぜひ配ってほしいと考えますが,いかがでしょう。  3点目,痴呆老人対策,いわゆるボケ対策の関係でもう一つ伺いたいんですが,実は国の施策もあってということだと思いますが,65歳以上というものを基本にして,いわゆるデイ・サービス,デイ・ケアサービス,ショートステイなどのサービスを受けることができるとか,あるいは介護相談としての在宅介護支援センターを利用することができるといいますか,こんな状況になっておりますが,65歳以下の方もぜひ該当するようにと。  いろいろ調査をさせてもらいますと,本庁の部隊としては臨機応変に対応したいと,こういう意向のようなんですけれども,区によってはその差異があるようだということを含めて,ぜひ少しか柔軟に,しかし,すべてということにはならんことも承知しますので,そんなことを含めて統一した実施をしたいと,こういった見解を出していただければありがたい,こう思いますので,端的にご答弁をお願いします。 ◎白井 高齢化対策推進部長  まず,第1点目の入浴サービスの回数増でございますけれども,入浴の実施回数につきましては,先ほどお話がありましたように,おおむね月1回というふうになっております。今後は入浴される方の身体状況であるとか,家庭内における介護されている方の介護能力などを見きわめながら,回数をふやすことについて検討してまいりたい,このように考えております。  それから,第2点目の「お役にたちます在宅介護」のパンフの配布先といいますか,そういったことについてのお尋ねでございます。  このパンフにつきましては,お話ありましたように6万部作成いたしまして,昨年の11月から12月にかけて配布したところでございます。配布先につきましては,身体状況が,寝たきり,痴呆性,虚弱の方は,民生委員を通じまして約2万6,000世帯に配布をいたしました。そのほか区役所,老人ホーム,老人福祉センター,在宅介護支援センターなどに配布をいたしております。しかしながら,その後お年寄りの身体状況であるとか,事業の拡充など状況に変化が生じてきておりますので,改訂版を作成した折に,あらためて配布先の拡大といいますか,検討してまいりたい,このように考えております。  第3点目でございますけれども,痴呆性の老人対策について65歳というふうになっているけれども,未満の方についてもどうかという話でございますけれども,これにつきましては,お話ありましたように,国で定めた実施要綱に基づいて実施しているところでございますけれども,個々の事例によっては柔軟な取扱いもいたしているところでございます。今後とも個々の事例に即し対応してまいりたいと考えておりますし,さらに区に対しては指導の徹底を図ってまいりたい,このように考えております。以上でございます。 ◆猪熊 委員  よろしくお願いします。 ○小谷 委員長  以上で,第4項 老人福祉費のうち関係分及び第5款 労働費第1項 労働費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に,第5項 生活保護費の質疑を行います。 ◆武藤 委員  生活保護費に関連して質問いたします。  生活保護世帯の付添看護料についてお尋ねいたします。  生活保護世帯には,市が補給金として支給している付き添いの料金,慣行料金と法定料金の差額分,この補給金を補償される制度があります。しかし,今年度に入ってから,いままでは今回のようなトラブルがなかったんですけれども,慣行料金が値上げされたということによって,年度途中だったということもありまして,今回6月からの慣行料金の値上げで,日勤の付添婦さんが300円低い賃金になる。1泊泊まりで450円の差が生まれてしまう。本来は,要綱に基づいてこの差額を埋めることがうたわれているわけなんですけれども,今年度は,年度がかわってから協会のほうから申入れがあったということで,このことがいまだ解決されないままで進行しています。  そこで,何が起こっているのか。これまでにはこういう問題が一度も起こらなかったわけなんですが,そもそも最大の理由は,国の法定料金が低いというのは明らかな事実です。5,310円というまま,ここ何年間もこの状況が変わらないできているわけですから,このことを厚生省に市としても強く求めるのは当然でありますが,実態として,ことしの6月の料金改定に伴って,ある生活保護世帯の人は,付添いさんに来てもらったら,付添いさんから,1泊した分450円マイナスになるんですが,この分を生保世帯の患者さんが付添いさんから請求されてしまったと,こういうケースがまず生まれてきました。またもう一つは,協会のほうから,当然その差額分については支払われないわけですから,付添いさんが患者さんからもらうわけにもいかず,一般の患者さんにつけば日勤で300円,1泊すれば450円多くもらえるのに,このこともままならないまま泣き寝入りをしなければならなかった。市としては,この事態についてどう対応し,どうしてきたのか具体的に教えていただきたいと思います。  あと2点にわたって質問を先に終わらせてしまいます。  次は,住宅扶助の問題です。  札幌市のこの間いろいろ統計がないのかと思って,いろんな機関を通じて調べてみましたけれども,残念ながら,札幌市の住宅の家賃の状況について実態調査が行われている,そういう統計はただの一つも見当たりませんでした。ここに非常に残念な結果を見たような思いだったんですが,生活保護世帯が受けている住宅扶助の金額,これは昭和50年から1人3万円という金額,人数や多少の変動はありますけれども,基本となっている1人3万円という住宅扶助の金額は一向に変わらないまま遂行されています。現在の住宅状況を考えたときに,本当にこの金額でどういう家に入ることができるのか。これを見直すつもりはないのか。ちなみに50年以降の資料をいただいてみましたら,大体2年置きぐらいに金額の変更をやっているようです。2年,4年,来年は変更の時期ではないかと思いますが,この点についてもお尋ねしたいと思います。  また,3点目,最後なんですが,母子の1ヵ月健診です。  現在生活保護法では,この1ヵ月健診が認められていません。子供の1ヵ月健診とは,早期発見,股関節脱臼,いろいろな検査が大事だと言われている時期です。このときに,母親であれば,病院に行ってちゃんと検査を受けたい。もし何か発覚すれば,そのまま治療を受けたい,こういう願いを持って病院に行くことを望んでいます。  ところが現在は,保護課のほうからは,保健所で健診を受けるようにという指導のもとで進んでいるわけなんですが,実はある一部の福祉部の保護課のほうの指導で,健診命令書,これに基づいて,昨年度まではこの1ヵ月健診を受けていたという例がずいぶんあります。ここのところで,これは誤りだったということで,今年度に入ってから取消しになってしまって,現在はほかの区と同じように保健所で健診をするようにと言われているそうです。しかし,いままでこういう運用できたのですから,これをさらに引き続き運用することができないものなのかどうなのか,この点についてもお尋ねしたいと思います。以上3点です。 ◎岩本 社会部長  お答えいたします。  まず,1点目の看護料補給金の件でございますが,説明は簡単にということなんで,結論だけ申し上げますと,いわゆる慣行料金との差額の補給金について,値上がりしたのは6月,そのときに徹底されなくて,一部トラブルが起こったというのは確かでございますし,しかし,その後協会側と札幌市が話し合いをいたしまして,今年度につきましては,札幌市が設定した,いわゆる生保料金でやっていただけると,こういうふうになったので,今年度については,生保患者につく付添いについては若干の減額にはなるかと思いますけれども,話し合いは一応そういう形でついてございます。  それから2点目の住宅扶助です。  年々状況を見ながら,必要な増額は国のほうに要望してまいっておりますが,質問の1人世帯3万円が全然変わっていないということでございますけれども,現在札幌市のカバー率が95.2%,全体でのカバー率が91.7でございますけれども,1人世帯につきましては,十分カバーできているというふうに考えてございます。  ただ,2人世帯については,2年に増額しています。そんなようなことで,必要な都度情勢を見ながら増額を要求しているということたございます。  それから,3点目の母子の健診の件でございますけれども,健診命令がだめになったということは,健診命令をそもそもしたのが間違いであったわけで,それは,どうしてそうなったかといいますと,患者さんというか,ご本人が出産後病院に黙って行ってしまったと。そういうことで,やむを得ずの措置として健診命令で対応せざるを得なかったということで,しかし,それは間違いでございますので,正しい姿に戻していただくと。現在の制度では,健診命令というのは制限がございまして,それ以上拡大していくということは,厚生省のほうの改正がないと,われわれのほうではできないというふうに考えてございます。以上でございます。 ◆武藤 委員  1点目についてなんですが,札幌市は7月,協会のほうと話し合いを行いましたね。そのときに,協会との話はついたと,今年度はこのままいくということで,そういう結果だったんですよね。ところが,その結果は,協会と札幌市の間のものであって,その先だれにその差額分の負担がのしかかっていくのかという,そのことについて責任を持てない話し合いではなかったのか,ここに無責任さがあると思うんです。  ですから,先ほども事例2点述べましたけれども,その負担が生活保護世帯の患者であったり,付添婦さんであったりしているわけなんです。このことも協会によってばらばらです。協会によっては,生活保護世帯の患者さんに負担することを認めていない。付添婦さんそのものがかぶることを望んでいるわけなんです。これを認めていると。ある協会では,生保世帯の患者さんからもらうことを付添婦さんを通してやっているわけなんです。こういうぐあいに話し合いは確かに7月に行われていますけれども,本当に弱者救済のための措置としてつくられたこの制度が,現在こういうあくまでも要綱の第3条に載っかっている予算内において補給金の差額分を補償するものだという規定があります。この予算内ということにかかわってでも,現在本当にお金が全く足を出すような予算編成の上でこういう事態が起こっているのか,計算してみただけでも微々たる金額にしかならないはずなんです。それなのに,そういう弱い部分に,文句を言っていくことができないような部分にこの負担が押しつけられているところにこそ大きな問題があると思うんです。ですから,いままでの分取り返すわけにはいかないでしょうけれども,せめて今年度の残った月,何とか11月からでもこのことを改善していただきたいということを求めたいと思います。それについてどうなのかお答えください。  それから,2点目の住宅の問題。  先ほどの回答の中で,1人世帯についてはそういうことなんでしょうが,2人世帯については見直しをしていると。その点については,見直しをやる可能性があるのかどうなのか,その辺も明らかにしてください。  3点目については,部長がおっしゃったのは,1件のケースのような話でしたけれども,ある区役所では,これは1年だけではなく何年にもわたって行われてきたことではないでしょうか。確かに間違いだということで是正されてはいますけれども,決して1件ではなかったという事実を私は確認していますが,その点についても明確にしてください。 ◎岩本 社会部長  まず1点目の看護料のことですけれども,確かにいま予算的には微々たるというお考えでしょうけれども,役所のことですし,やはり予算にのっとって執行しているということなんで,今年度については11月から増額ということはできないと思います。  ただ,いまおっしゃったように,看護人の方に負担を強いているいうようなこともあれば,これからますますそういう看護人さんが得られない状況と賃金も上がっていくという状況を考えれば,来年については,またそうもいかないかなというようなことで,協会ともいろいろ協力,理解を得ながら,なるべくご負担のかからないような形にしていくように努力をしていきたいということでご理解いただきたいと思います。  それから,家賃の見直し,お1人の家賃をも変える気はないかということでしょうか,3万円を。(「2人です」と呼ぶ者あり)  2人ですね。2人につきましてもということで,すべての人員がそうなんですけれども,必要度を見ながら,先ほど申しましたように,必要があれば,厚生省のほうに要求をしていきたいというふうに考えてございます。  それから,3点目の母子健診命令の件でございますけれども,これはたくさんあったということなんですけれども,変な話ですけれども,そうだとしたなら,それはその人全部が間違っていたというふうに理解せざるを得ないと思います。やはりたくさんケースがあろうとなかろうと,1件でもたくさんでも間違いは間違いというふうにしかないんで,今後はそういうことがないということと思います。 ◆武藤 委員  どうして1点目についても,今年度については,出すつもりがないということで断念するのかというのが非常に不思議です。この制度そのものの性格から考えても,実際に負担を負っているのが,補給金を受けるべき患者さんや付添いの人なんです。その実態をつかんだ上で私はお話をしているわけなんですけれども,このことについて,できないという根拠が,その3条の予算内というところしかないわけですよね。そのことをもっと弱い者の立場に立って考えていただきたい。そこのところを本当に考えていただかなければ,要綱で予算内,予算をこう組んだからできないんだと,そこで終わっしまえば大変な問題になると思うんです。予算はもっと多く支出する予定で組まれていると思います。そしてことしの1月から5月まで値上げされる以前の患者数,そして6月値上げされてからの患者数,これだけでは一概に比較はできませんけれども,この患者数だって,もしかしたら少なくなってきているかもしれない。実際に付添いさんが協会から派遣されて病院に来たときに,自分が頼まれてやってきた患者さんは,生活保護世帯で450円少ないんだということをわかった途端に帰ってしまった実例が実際に起こっているんです。こういうような事態を,本当に先ほど部長が述べたような答弁で終わらせてしまっていいんでしょうか。  このことについては,どうしても納得するわけにはいきません。前向きに検討するだとか,この後も予算のやりくりで,できればするぐらいな回答をいただかなければとっても納得はできませんので,どの立場に立ってできないと言っているのか,もう一度お考えいただきたいと思います。 ◎大長 民生局長  補給金の問題についてお話しますけれども,基本的には私も部長が答弁した域を出れないわけでございます。私どもは,この今年度の料金を設定するに当たりまして,年度の前から,いわゆる4月以前から協会のほうと,来年度のそれでは慣行料金とそれから差額はどういうふうになるかということを重々詰めてやってきているわけでございます。そういうことを踏まえて予算を組んで,そしてそれを執行していくというのが私どもに課せられた責務でございます。
     したがいまして,私どもはそういうことを重々詰めた中でやってきたわけでございますけれども,年度が明けましてから,おっしゃるとおり,一方的にそういうことがなされたわけでございます。したがって,私どもは何の詰めもなしにそういうことをしたんでありますと,これは私どものほうにも相当な手落ちがあるということになるんでしょうけれども,私どもはそういう予算を組む前に,そういう十分な詰めをしたというふうに考えてございます。  したがいまして,そういうことについて,それはちょっと約束,それから詰めた内容と異なるんでないかということで話し合いを持った結果,向こうがそのとおりだということで私どもの考えに従っていただいたということでございます。  しかし,慣行料金の差を埋めるということがこの補給金制度の趣旨でございますから,したがって,私どもは今年度についてやるということは私も申し上げられません。しかし,来年度以降については,ますます慣行料金との差は広がっていくというふうに考えております。したがって,この補てんをすべきものは,本来は国の責任で全額賄わなければならないということは同じ考えでございますから,国に対して強く要望もいたしますし,当然,そうは言ってもいままでの経緯からいってなかなかそこまで届かないと思いますので,その分については,私どももいわゆる差額の支出の増に向けて努力をしたいというふうに考えております。 ◆武藤 委員  もう終わりにしたいと思いますけれども,いまの局長の話でも,主役はだれなのか,だれが実際に困っているのかという,たとえば生活保護世帯は皆さんがちゃんと面倒を見なければならない世帯ではないんでしょうか。そういう人たちが本当に困っているのを知らん顔して,来年の3月まで通り過ぎるとは,とんでもないことだと,やはり許すわけにはいかないと思います。  そして,協会との話し合いに固執していますけれども,それはあくまでも双方がその場で納得したと。だから,本来的には,協会が年度の途中でなくて,年度の前に話し合いをちゃんと行なって予算編成ができる時期に言っていただければ,こんな問題は起こらなかったかもしれません。そのことに大きな原因はあるんでしょうけれども,実際に起こってしまったこの事態に対して,たとえば生活保護費のほうから予算繰りがまあ,たくさん残っているわけですから,予算繰りできないはずもないと思いますけれども,ここの部分についてほかの手を打つことができないのかどうなのか,その辺についても検討する余地はないのかどうなのか含めて,ぜひ検討していただきたいということを最後に要望して終わりたいと思います。 ◆猪熊 委員  私も,生活保護に関連をして質問をしたいと思います。  保護世帯の動向という点でここ数年を見てみますと,減少傾向にあるという点で受けとめさせていただいて,さて,その減少傾向という点について着目しながら,何点か質問をさせていただきたい,こう思います。  まず一つは,世帯別保護動向の推移と傾向,こういったものについてお聞かせを願いたいと思いますし,二つ目としては,いわゆる景気ということが大きな要因ということになるのかもしれませんが,それ以外にもいろいろと要因があるのではないかという点に着眼点を当てながら,そんな点では今日の動向をどう要因分析をされているのかなという点で,具体的に考え方があればお聞かせ願いたいと思います。  さらに,3点目といたしましては,以前,私自身,保護世帯の,とりわけ母子世帯あるいは傷病世帯で健康を回復していく過程ということを想定をしながら,ある面では母子世帯に力点を置くような形で,行政努力の中で,いわゆる保護世帯と行政とが一体となって具体的に自立への道をたどっていくというような取組みをしてはどうかと,こんな問題提起もしたことがあるんですけれども,そんな点で,皆さん方の努力がどういった形で効果として出てきているのかなという点で,具体的なものがあればお聞かせ願いたい。以上,3点でございます。 ◎岩本 社会部長  お答えを申し上げます。  1点目の,保護の動向でございますが,保護率で見ますと,昭和62年度の21.6‰をピークに,その後減少に転じまして,平成2年度は19.3‰となってございます。現在も引き続き下降の道をたどっており,9月においては17.9‰ということでございます。  それから,世帯別の推移の状況につきましては,構成比において見ますと,高齢者世帯が増加しており,一方,母子世帯,傷病世帯が減少をしております。推移は以上でございます。  それから,2番目のご質問の要因ということでございますけれども,何といいましても一番大きいのは経済的要因でございましょうが,ほかに社会的要因,たとえば離婚率の低下とかもございましょうし,制度的な要因,たとえば社会保障制度だとか福祉施策の整備充実というようなこと。それに加えまして,もう一つは,行政側の努力というようなことも大きいものでないかというふうに考えてございます。  3番目の,行政努力はどんなものに取り組んだかというお尋ねでございますけれども,自信をなくしている方や,あるいは保護に依存して就労意欲に乏しい人,こういう人たちに対しましては,実施機関が行政面からの援助指導が必要だというようなことで行なっているわけでございますけれども,具体的な例を申し上げますと,職安の活用を図るというようなことから,特別な連絡票というものを採用したりしておりますし,またケースワーカーが同行して職安に行く。あるいはまた,職業訓練を必要とする人には高等専門技術学院などで技能の習得をしていただくとか,さらには,区役所内の就職相談窓口の積極的な活用。それらのほかに,いま言ったような機関との連携を円滑に効果的に運ぶために,本市との連絡協議会というのを毎年やっております。  それからまた,試行的な事業でございますけれども,ある区におきましては,区内のスーパーマーケット,清掃会社あるいは福祉施設に協力をお願いいたしまして,雇用の促進に被保護者を採用していただくというようなことをやったこともございます。  こういう行政努力の結果,それなりの効果を得ておると感じているところでございます。以上でございます。 ◆猪熊 委員  そこで,客観的な要因という点では,ある面で離婚率の低下や,あるいは社会制度の充実というようなことも分析要因としてあるかなと。そんな点で,いま一つは,そういう感じでいくと,他力的な部分,表現的には問題あるかもしれませんが,ケースワーカーが,それぞれの保護世帯とのかかわりの中で,自立への道へ歩んでいく過程というような形の中で自立をしていくという,その辺で,いわゆる生活保護を受けざるを得ないところに至った経過というものをともに受けとめ,分析をしながら,それらを克服をして自立への道へ向かっていく過程ということが,ある面では大変難しいし,またそこが大変大事なところとして,自立していった後,再び生保世帯として戻って来ないと言っちゃ言葉が適当かどうかわかりませんけれども,そういったことになるのではないかなと,こんな思いが実はしているんですけれども,そんな点で,ある区での試行的なことがどういった形でやられたかという点で,僕も詳しくは承知はしておりませんけれども,しかし,一定のルールづくりを常設化して,民間のそれぞれの企業と本市社会部あるいは各区が常設の関係を結びながら,しかもケースワーカーと生保世帯との関係で,信頼を前提として労働意欲あるいは自立意欲というものを根気よく持たせていくという形の中で,生保世帯になった要因を取り除きながら,自立への道,そして,そういった意欲を持っていく過程とあわせて,常設をしている民間企業との関係の中で,しっかりとワーカーと保護世帯との一定の意欲に向けての確認をもとにして紹介をしていくというような形で,いままでの試行した5名の人が結果2名が就労していると。そして3名が脱落をした,こういった反省の上に立って,ぜひそんな意味でいう,何といいますか,意欲を持たせていく,あるいは保護世帯に陥った要因を取り除く,こういったところにがっちりと時間をかけて,そしてそれらを克服して,自立への道,そのための道をいろいろつくっておくというようなことが,いまの時期こそつくっておかなきゃいかんのでないかという気がするわけです。景気の変動によって保護世帯が減った,あるいは自立していったということになりますと,景気が悪くなれば素直にまた戻ってくるという形になっちゃいますから,景気の変動で全部世帯数というのが変化をしていくと,それに応じて。こういうことでは,一生懸命ワーカーの皆さん方が世帯とかかわって努力をされていることが報われていかないという,悔しい部分だと思いますので,ぜひひとつ,そんな点で助走期間を長く設けて,そういった企業との連携というものを社会部などを中心にして常設化していくというような試みをぜひいま一回してもらいたいな,こう思いますが、いかがでしょう。 ◎大長 民生局長  おっしゃるとおり,生活保護を受給するということになるには,いろいろな原因があってなるわけでございますけれども,そこから,おっしゃるように自立をしていくということはなかなか大変でございます。しかし,これがまた一番大切なことでございます。  したがいまして,私ども生活保護を担当している者といたしましても,そういうことに常日ごろから気をつけているわけでございます。そこで,お話にあったような区によってもいろいろな努力を職員がなさっているというようなことから,好結果を生んでいるというようなことも私どもも承知をしているころでございます。  したがいまして,私どもとしては,景気の動向に生活保護が左右されるわけでございますから,その動向にだけ左右をされて,いま保護率が減った,その原因が景気がいいからだと。そして悪くなったらまた,確かに生活保護の動向としては受給率が上がるわけでございますから,そういうことをいかになくするかということには,おっしゃるとおり,そういうようないわゆる助走期間,それからそういうような手だてというようなことが非常に大切だというふうに考えてございます。  したがいまして,私どもも短い視野でなく,長い視野の中でそのようなことを踏まえながら,いろいろな施策,それから検討というものをしていきたいなというふうに考えております。 ◆猪熊 委員  わかりました。よろしくお願いしたいという思いなんですけれども,いわゆる試行的にやって,二つの世帯がいま就労していますと。それで5世帯が5世帯いくというのがそれは一番いいかもしれませんが,そうすべてがいくとは限りません。本当に表現が悪いんですが,たとえ確認をして,結果挫折をしていく。いわゆる確認事項が反古になっていくということがあるかもしれませんけれども,そこはぜひひとつ根気よくいかなければいけないかな。  そんな意味では,私自身もケースワーカーの経験者の1人としては,大変しんどいことを問題提起していることを承知をしながら,あえて申し上げているところでございますので,ぜひひとつよろしくお願いしたい,こう申し上げて終わりたいと思います。 ○小谷 委員長  以上で,第5項 生活保護費の質疑を終了いたします。  なお,この後,民生費のうち7の医療助成費及び国民健康保険会計について6名の発言者がございますので,おおむね20分間の休憩をいたします。     ──────────────       休 憩 午後5時43分       再 開 午後6時5分     ────────────── ○小谷 委員長  委員会を再開いたします。  次に,第6項 国民年金費の質疑を行いますが,通告がございませんので質疑を終了いたします。  次に,第7項 医療助成費の質疑を行います。 ◆小川 委員  医療助成費にかかわって,眼内レンズの医療保険の適用と助成の問題,この1点についてお尋ねをしたいと思います。  ちょうど2年前の決算特別委員会の市立病院の審議のときに,私は老人性白内障の眼内レンズの医療保険の適用問題について,市立病院での実施症例をお尋ねをしながらお聞きをしたことがあります。当時,竹田病院長から,医療保険の適用がされていないと,こういうことで,札幌市立病院も参加をしております全国自治体病院協議会として,著しく不合理な診療方針の是正と,こういうことで眼内レンズの手術に対する医療保険の適用を,ちょうど2年前の8月に厚生省に要望したところであると,こういう答弁をいただいております。  それ以来,私はこの眼内レンズの医療保険の適用とそして助成の問題について特別の関心を持ちながら今日まで来て,6月の第2回定例議会での代表質問,そして今議会における荒川議員の代表質問でもお尋ねをしたところでありますし,先日の本会議では,札幌市議会としても医療保険の適用を求めて意見書の可決をみたところであります。  まず,老人性白内障の眼内レンズの医療保険の適用について,市の理事者の皆さんはどのような見通しを立てていられるのか,お尋ねをしたいと思うんです。  というのは,私は議会で何度かこういうご質問をすると同時に,一昨年,厚生省に行ったときもこの問題で厚生省に交渉してまいりました。一昨年は厚生省は,眼内レンズについては,眼鏡だとかコンタクトと同じような扱いだからという冷たい対応でありました。昨年7月の交渉のときには,医学の進歩として眼内レンズの普及については認めると,こういうふうなところまで厚生省はいきました,昨年は。そして,ことし7月10日,医療課長にお会いをしてまいりました。このときには, この秋にも中医協に諮問をしたいと,こういうふうなご答弁をいただいたところであります。  そんなことから,国においても重い腰を上げて,老人性白内障の眼内レンズに対して医療保険の適用,こういうものについて真剣に検討をする,こんな状況に来ているかなあ,こんなふうにも思うわけでありますけれども,まず第1点は,国の医療保険適用実施,これの見通しについてどのようにとらえられているのか,まずお尋ねをしたいと思います。 ◎笹尾 保険医療部長  お答えをいたします。  保険適用の時期の見通しでございますが,これにつきましては10月9日の代表質問に木戸助役がお答えをしたとおりでございまして,私どもといたしましては,いまだ明確にわかっておりません。  また,厚生省保険局の出先であります北海道保険課に尋ねましたけれども,現在のところ,情報はないとのことでこざいます。  ご案内のように,保険適用は,厚生大臣の諮問機関でございます中医協に大臣が諮問をし,その答申を受けて決まっていくと,こういうものでございますので,それが早く実現するように期待をしているところでございます。以上でございます。 ◆小川 委員  部長からいまお話ありましたように,しかし,全国の自治体から多数の意見書だとか要望,こういうのも上がり,また,国会での度重なる論議が行われる中で,厚生省も中医協に諮問をしていくと,こんな段階まで来ている。しかし,ここでの国会での論議,そういうのを踏まえてみますと,18兆円と言われている総医療費の中で,眼科の占める割合が4%前後と。そんな中で,この眼内レンズの埋込手術を保険適用すると,眼科のパイが急速に広がっていく,こんな議論などもされている中で,来年4月の診療報酬の改定,この中で実現をしてほしいというのは部長のいまの答弁にもありましたし,私たちの願いでもあるわけなんですけれども,必ずしもそういう見通しがいまの部長の答弁にあったように立てない段階,こんな状況でないかなと思うんですが,再度お尋ねをしたいと思います。  そこで,次の質問に移らしていただきますけれども,国のほうで医療保険の適用がいまだされない,こういう段階で,早くは京都府の田辺町で,昭和47年から眼内レンズの医療費について自治体として助成をする。あるいは名古屋市で59年から実施をする,こういうふうに自治体での眼内レンズの医療費の助成が行われてまいりました。  私どもも全国の状況等をできるだけ調べようと,こう努力をしているわけでありますけれども,市の理事者の皆さんも,全国の自治体での国の医療保険が適用されるまでの間,自治体として独自に助成をしていく。そのことによって,また国に医療保険の適用を急がしていく力にもなっていくし,当面している白内障で光を失ったお年寄りの光を取り戻す,こういうことで医学の進歩を生かして適用させると,こういうことで助成が進められてきております。  そこでお尋ねをしたいのは,この助成の実施自治体の状況の把握をどうされているか,こういうことであります。  それで,簡潔にお尋ねをいたしますけれども,昨年度まで,90年度までに助成を実施している自治体はどの程度と押さえられているのか。そして,91年度新たに実施をした自治体が全国でどのように広がってきているのか。さらに,これからも今年度中に新たに実施していこうと,こんな自治体もあるやに聞いておりますけれども,市の理事者の皆さんは,これら自治体で眼内レンズの医療費の助成を始めあるいは実施をし,これから実施をしていこうと,こういう自治体がどのように広がってきているのか,押さえられていると思いますので,ご説明をいただきたいと思います。 ◎笹尾 保険医療部長  見通しの問題について再度というお尋ねでございました。  委員もご案内のとおり,まだ国のほうは,眼鏡でありますとかそれからコンタクトレンズでありますとか,そういったものとのバランスの中で非常にこだわりがあるのかなと,このように思っておりますので,必ずしも来年度からすぐというようなことにはいかないのではないか,このように考えているところでございます。  それから,いま一つお尋ねの,助成の自治体の状況でございますが,私どもが現在とらえております助成実施の自治体の数を申し上げますけれども,お尋ねのような細かな分類をした把握をしておりませんので,平成2年度以前のものと,それから3年度以降,これは予定を含めての二つに分けてお答えをさせていただきますけれども,平成2年度までは7市2町の計九つの自治体が助成を行なっておりました。平成3年度に入りまして,すでに実施中と今後実施予定の市町村を合わせまして35市8特別区,これは東京都でございます。それから19町4村,合わせまして66の自治体がふえておりまして,現在では合計で42市8特別区21町4村,計75の市区町村となっております。  なお,このうち政令指定都市は,名古屋,これは59年2月から,それから川崎市が本年の7月から実施をいたしております。  また,道内の状況をあわせて申し上げますと,蘭越町,留寿都村,これが4月から,それから厚岸町が10月から実施しておりますし,函館市,遠軽町が今後実施予定と聞いているところでございます。以上でございます。 ◆小川 委員  いま部長の答弁から,国の動向等の関係で,これはまだ推測の段階ですけれども,来年度から実施,すぐ実施とはいかないかもしれないと,こういう状況でございますよね。  そんな中で,こういう厚生省の動きも押さえながら,全国の自治体では,特に今年度から急速に,国が実施するまでの間という形で眼内レンズに対する自治体独自の助成が広がり,特に市町村で,先ほど部長が言われたように75の自治体に急速に広がってきておりますし,この10月からは大分県自体がそういうことを実施する自治体に,市町村に助成をするという形で実施に10月から踏み切りましたね。そして,来年度からは愛知県,東京都が実施の方向に動いていると,こういうふうに私も聞いているわけでありますけれども,このように,国全体としても何らかの形で,眼内.レンズに対して医療保険を適用しなければならない,こういう動きを示している。  しかし,来年の2年に一遍という診療報酬の改定の来年4月からちょっとなかなか困難かな,こういう見通しも持ちながら,いま差し当たりお困りになっているお年寄りの皆さんに対して,何とか光を取り戻してあげたい,こういう形で特に今年度から,それこそ昨年までは9自治体だったやつが今年度は66自治体,新たに助成を実施し,実施しようとする。合わせて75自治体になり,それだけでなくて,都府県ですら実施をすると,こんなふうに広がってきているわけでありますよね。  私はいま,国が実施する前に一刻でも早く,先のないお年寄りのために,先のないとこういう言い方は悪いけれども,お年寄りですから長い間待てないわけですから,やっぱり少しでも早く光を取り戻すために自治体として助成をしてあげようと,こういうふうに国に先駆けて自治体で急速に広がってきているんでないかな,こんなふうに思うわけでありますけれども,急激に地方自治体で助成が広がってきていること,これはやっぱり自治体のほうが先駆けて住民の要望にこたえて実施をしていこうと,こういうことで広がってきたんでないかなと,こういうふうに思うわけでありますけれども,その点この急激な広がり,助成の実施についてどのようにとらえられているか,お尋ねをしたいと思います。 ◎笹尾 保険医療部長  助成を実施いたします市町村が,今年度に入りましてふえてきている状況につきましては申し上げたとおりでございますし,私どもも十分承知をしているところでございます。  しかし,また一方では,数の議論をするわけではございませんけれども,全国で3,262ございます自治体の中の75ということでございますから,そういう意味では2%強というところで,そんなにたくさんのシェアではないなというような気がしないわけでもございません。  いずれにしましても,こういった状況についての私どものとらえ方でございますけれども,都市にはそれぞれの事情がございますので,それぞれの都市の判断でいろいろな対応や施策を行なっておられるのだというふうに理解をしているところでございます。  いずれにしましても,本市といたしましては,一般的に申しまして,対象者が限定されるような独自の助成制度を行う前に,10月9日の代表質問に助役がお答えしておりますとおり,すべての白内障患者の救済の道でございますところの保険の通用をさらに強く要請していくことが,現状においてやるべきことというふうに考えているところでございます。 ◆小川 委員  私が質問しないうちに部長が先に答弁して,札幌市のことはまだ聞いていなかったんです。  それじゃ,前へ進めまして,本会議の代表質問でお尋ねをしたわけでありますけれども,急速に広がってきた,それは3,000ある自治体の中から見ればまだ少ない,こういうことでありますけれども,来年度から東京都が実施し,愛知県が実施をしていく,こういうことになりますと,人口密集地域で大きく広がっていくことですから,総人口に占める割合は,先ほども部長が言われた答弁よりももっと人口対象では広がっていくと,こういうことになるわけであります。  そこで,大事なことは,そういうふうに今年度に入って急激に広がっている眼内レンズの自治体独自による助成,これを札幌市としてもやはり行うべきでないかと,こういうことなんであります。  本市議会にも助成を求める請願・陳情が出されて,審議をされておりますし,また,議会の代表質問等でもお尋ねをしました。確かに,先日木戸助役からは,国に実現方を強く要望していくと,こういう答弁でございまして,助成については触れられていないわけでありますけれども,市長の所信表明の中で,躍動都市さっぽろの実現だ。一歩先をいく市政を展開いたしたいものだと,こういうふうに述べておりますよね。そうすると,ほかの自治体,こうずうっと進んできているときに,一歩先をいく。そして,その第1は安心と潤いがいつまでも暮らしの中に感じられる,温かい市政を進めるということであります。これ市長の6月の所信表明であります。一歩先をいき,潤いと温かい市政をする札幌市が,ほかの自治体が実施をしてもなお,そういうことには目を向けないでいくと,こういうことになると,どうも一歩先をいくという市政は,法人市民税の超過課税の税率だけは一歩先をいく,こういうことになって,老人性白内障の眼内レンズの助成については後からもついていかないと,こうなっては,これはちょっとやっぱり一歩先をいく市政ではないのではないかと思うんですよね。  そこで,ほかの都市がこういう動きをしている中で決断をして,少なくとも年度内何とかそういう方向に向けて検討していきたいとか,新年度から実施をしていきたいとか,そういうことが市長の所信表明演説,一歩先をいく市政であったり,安心と潤いがいつまでも暮らしの中に感じられる市政であったり,その第1点としては,生活都市すこやかサッポロということで,地域福祉の推進でありますと,こういうことを述べられた市長の所信表明演説にかなう方法でないかな,こういうふうに思うわけであります。  いつまでも拒否をしているということは,市長の本意でもないのではないか,こういうふうにも思うわけでありますから,これらについての前向きのご答弁をいただきたいのでありますが,お尋ねをしたいと思います。 ◎木戸 助役  市長が,一歩先をいく市政を目指したいというのは,これは市長の理念でありまして,これは当然そういうふうにやっていくだろうと思います。ただし,行政需要というのはいろいろたくさんあるわけでございますから,そのときそのときに必要なものから順次にということになっていくんではないかということで,そういうことであろうと思います。  それで,ただいまの眼内レンズのお話でございますけれども,これはいま小川委員のほうからもいろいろお話ありましたとおり,確かに国のほうの姿勢も変わってきておると思います。したがって,国のほうでもいろいろといま調査をしているというふうにも聞いておりますし,それがどこまでどうなのかよくわかりませんけれども,そういうようなふうに変わってきております。  そんなこともありますし,それからまた,本市の議会の厚生常任委員会でも,いま請願・陳情等が審査されているという状況もありますので,まず,そういう動きも見守っていきたいなと,いうふうに思います。  さらにまた,先ほどお話ありましたように,先般10月15日の本会議で意見書も可決されたところでございますから,したがいまして,私どもは議会のご協力をも得ながら,あるいはお力添えを得ながら,いまのところはまずもって,すべての白内障患者の救済の道をつけるためには何といっても保険の適用でございますから,これらのことについてさらに強く国のほうに働きかけていくと,いまのとこるはそういうふうに考えております。以上です。 ◆小川 委員  木戸助役,議会でも意見書を可決したことだし,すべての白内障の患者の皆さんに眼内レンズが適用されるようになるためには,医療保険の適用が一番いいんです。しかし,先ほど部長の答弁がありましたように,4月1日実施というのはわれわれも期待しているんですけれども,なかなかその展望がいま持てないと,見通しが持てないと,こんな段階で全国の自治体の中では,医療保険の適用がされるまでの間,自治体独自の助成をしていこうと,こうやって短期間であろうという想定のもとで踏み切り出しているんですよね。  だから,そこでいま必要なのは,国が実施する,それこそすぐ実施してくれれば自治体助成は打ち切って構わないんです。しかし,ちょっと時間もかかりそうな展望,見通しであると,こういう状況だから札幌市独自でも助成に踏み切るべきでないのかな。そこを少しちょっと踏み込んで,そんな難しい話でないんですよ。その点について再度お尋ねをしておきたいというところでありますけれども,答弁は変わりないでしょうから,その辺の時期を見て決断をしていただきたい,この点を強く要望しておきたいと思います。 ○小谷 委員長  以上で,第7項 医療助成費の質疑を終了いたします。  次に,国民健康保険会計決算の質疑を行います。 ◆道見 委員  私は,国民健康保険会計の赤字解消策について,国民健康保険に限らず老人医療も含むことですが,この件についてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。  平成2年度の決算を見ますと,国保は,収入済みでも1,823億という収入,老人は998億と,大変な規模になっておりまして,この国保が全国的に見てもまれな赤字を抱えていると,それも突出していると,こういう現状でありまして,過去の推移を見ましても,この5年間で,一般会計の繰入れは100億単位が5年も続いていると。これがいつとまるのかという見通しが非常に重要になってくるわけですけれども,いずれにしろ,毎年一般会計の繰入れをし,さらには借入れをしている。借入れの実態は,結果的には自転車操業と。返す見込みがないけれども借りているわけですから,言うなれば,一遍に一般会計の繰入れをしてしまえばゼロでいくわけですけれども,しかし,そうやっても60年以降さらに191億と,基金の取崩しその他をやってもそうなっていると,こういう現状なわけですね。  一体これがどういうようなとこから来ているんだろうかという,この因果関係を掘り下げないと,いつになっても国保の赤字解消はめどがつかないと,こういうことだろうというふうに思いますので,まず最初に2点ばかりご質問をさせていただきます。  結果的には,国保が赤字になるということは,それだけ病院にかかるということですから,医療費の問題ということが直結されるわけですけれども,一体この本市の医療費が高いと言っておられますが,具体的に他の政令都市と比べて,これがどういうような現状になっているんだろうか,これをまず1点お聞きしたい。  それから2点目は,しからば今度は,累積赤字191億という膨大な数字になっているわけですけれども,これをどうやって解決をしようとしているのか。一応,書類の中には書いてはあるんですけれども,具体的にどういうような解決策をお持ちになっているのか示していただきたい,こういうふうに思います。  国保というのは,加入している層が限られているという特殊事情があることはわかります。また,皆様方が一生懸命努力されて収納率を上げておられる。あるいは庁内的には,そういう対策委員会あるいは国保事業の運営の委員会の計画を立ててやっておられるという,その努力はわかるんですが,どういうふうに具体的にそういうものを踏まえて赤字の解決策をお考えになっているのかということをお尋ねしたいと思います。 ◎笹尾 保険医療部長  2点のお尋ねがございましたので,お答えをさせていただきます。  まず1点目の,本市の医療費,これが他都市と比べてどうなのかと,こういうようなことでございますが,政令指定都市11市の医療費比較についてでございますが,平成2年度で見た場合,1人当たりの医療費の総体では,本市が一番高くて35万4,118円となっております。一番低い川崎市が18万8,012円でございますので,本市は川崎市の1.9倍に当たります。  次に,老人の1人当たり医療費について見ましても,本市は一番高くて107万198円,そして一番低いところは同じく川崎市で,57万3,965円でございます。これもまた1.9倍となってございます。  次に,入院医療の総医療費に占める割合を見ますと,本市は若人,退職,老人いずれも,政令指定都市の中でその割合が一番高くなっております。特に老人につきましては,63.1%に達しておりまして,医療費の6割強を占めております。  これと関連しまして,入院受診率も政令指定都市の中で一番高く,入院1件当たりの日数では,若人分を除きまして本市が一番長い日数となっております。本市の場合は,一度入院しますと長期化する傾向にございまして,それだけ医療費を押し上げる結果となっていると思われます。  次に2点目の,累積赤字の解消策についてのお尋ねでございますが,お話がありましたとおり,平成2年度の累積赤字は約191億円でございます。これは昭和60年度以降の赤字に対しまして,それを解消するため平成元年度と2年度に国民健康保険支払準備基金から20億円ずつ繰入れをいたしておりますが,それら繰入措置を行なってもなお191億円の赤字があるということでございます。  今後の赤字解消策でございますが,すでに平成3年度予算において,一般会計から直接国保会計に繰入措置をするため20億円を予算計上し,赤字解消に努めているところでございます。  今後,国保制度の抜本的改正案が出た段階で,収納対策の状況も見ながら,財政当局とも協議し,対応策を講じてまいりたいと考えております。  なお,累積赤字の解消のためには,何と申しましても,単年度に赤字を生じないことが前提となりますので,本市としましては,収納対策をこれまで以上に強化し,収納率の向上に全力を傾注してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。 ◆道見 委員  いま部長のご答弁にありましたように,川崎から見れば1人当たりの医療費が倍,川崎は札幌の53%ですね。これだけ違えば,どんな方法を立てても赤字になるのは明らかだろうなと,算術的に見ても。ですから,当然,川崎市の場合は,札幌から見れば一般会計の繰入れも60数億といって,やはり半分以下ということであるわけですから,いかに札幌市の国保会計に一般会計から拠出が大きいかということはあらためて私は認識できるだろう。ただ,部長のいまの答弁で,収納率を上げるとかそういうことは,確かに単年度になくすための努力ということはわかるんですけれども,これは例えで言うと,交通事故が多いから信号をつけたと。これで交通事故対策を終えたということと同じなんですよ,私に言わせると。なぜ交通事故が起きるかという啓蒙の部分が抜本的になされないと,国保の赤字はとまらない。これを私は幾つかの具体的例を申し上げてお話をしたいというふうに思うんですね。  じゃ,どんなような背景が認識されるか。この国保の赤字,毎年続くわけですから。この長い時間ずっと質疑やっていましたが,全部金のかかる話ばっかりですから,この質問だけは,金がかからなくて,みんなが楽で,喜んで黒字になるという話,私しますから,これは肩に力入れず,お互いに勉強するつもりで聞いていただきたい。  それはどこに原因があるかと。これを徹底的に対処する。原因は,幾つかの条件ありますけれども,健康というのは,食べ物と運動と心。食べ物も運動もよくても心の悪いのは不健康ですから。食・動・心。気・血・動とも言う。気持ち,血液,食べる。いろんな運動とか言われている。  問題は,その上で一番大きく占めているのは食べ物なんですよ。この食べ物が悪いことによって有病者がふえていく傾向にあるということ,ここが一番肝心なところなんですよ。いいですか。  じゃ,それを具体的に言うと,これは食事の原因が三つ,あえて言うとしたら。一つは食生活の変化なんです。二つ目は生活環境の変化なんです。環境が悪くなってきている,こういう変化。それから,職場の環境も機械化が進んだり,いろんなストレスの問題とか,いろんな職場の環境と,こういうようなことが絡んで有病者がふえていく。その中でも特に大きいのは食生括の原因によって病気になってくる。だから医者にかかる。社会保険であれば国保であり,赤字になってくる。21兆7,000億,国の医療費もかかってくるという算術になってくるわけです。  じゃ,その食事がどういうふうになっていったかというと,これ一つは,食事の洋風化が進んでいるということなんです。具体的には,洋風化が進んでいるということはどういうことかというと,これ荻野栄養主幹がそこに来ておりますけれども,動物性たんぱく質のとり過ぎ,動物性脂肪のとり過ぎということです,わかりやすく言えば。  それから,昭和30年と60年を比較すると,たとえば動物性脂肪は3.3倍とっているんです。動物性たんぱくは1.6倍。皆さん方は,65歳以上の方々に昔のおやつは何ですかと聞いたら,塩せんべいと焼き芋なんです。いまの若い人,子供,おやつは何ですかと言ったら,アイスクリームにチョコレート,スナック菓子,缶ジュース,こういうふうに答える。これはアンケートが出ているからそのとおりなんです。そういうことで,食事が洋風化している。これが一つ。  二つ目は,加工食品が発達した。食品工業と言うぐらいの会社があるぐらいですから,食品が加工されているということは,化学化されているということなんですよ。これが2番目。  3番目は,世界に類のない食品添加物,化学添加物が日本では許されているということなんです。年間50万,化学添加物が生産されている。これは国民で割ると,1人11グラムというのはそこから出ているわけです。それが毎日皆さん方,18階とか地下で食事をするときに入ってくるわけです。こういうような洋風化された食事をしているとどうなるか。
     そのあげくに,いまの子供はどんな食事しているかといったら,子供持っている方はわかりますが,朝,極端に,朝抜き。昼,学校給食。夜,夜抜き。おやつ。夜はスナック菓子だとか,そういう加工食品,そういうもので間に合わせて終わっちゃう。極端な例ですが。  われわれ大人は,朝抜く人もいれば,パンと牛乳程度で終わって昼は外食,栄養学の知識ないわけですから外食するわけです。そばだけ,盛りそば二つ,それでどんぶり物。夜になったら,それこそ酒を飲む,飯は食べない。食べたりしても,そういう動物性たんばく質をたらふくとると,大体こういう食生活のパターンが非常に多くなってきているんですよ。このような食生活を続けることが有病率を高くし,病人をふやし,医療費を上げていっているんだということが,ここに認識が定まらない限りにおいては,国保の赤字の対策にはつながらないんです。  札幌市にこれだけ病院ができて,医者がふえて,病人が減って,医療費が減ったかというと,そうではないですよ。どんどんふえていっている。病院ができる数だけ医療費がふえる。この理屈は変わらない。不思議な話です。これを非常に危惧する。  実は,1977年にアメリカでこういう問題が起きたんです。問題って,何でもないですけれども。1977年,マクナマラ,国防長官やった方ですね,後で世界銀行総裁やっている。この方が上院議員会の栄養問題特別委員会というのを構成して,世界じゅうの医者を動員して,200億かけて調査をして,5,000ページにわたる報告書が出ているんです。その結果,何であったか。こんなにアメリカが科学が進んでいて,文化生活が高くて,そして病院にかかっているのに,何でみんな健康になっていないんだろうかという素朴な疑問にぶつかったんです。  そのときに,答えは二つ。5,000ページを要約すると二つ。一つは,がん・心臓病・脳卒中など米国の6大死因というのがあるんですけれども,現代の間違った食生活が原因によって起きている。いわゆる食源病だと。この間違った食生活を改めることでこれらの病気を予防する以外,先進国民は健康になる方法はないと言ってるんですよ,一つは。  二つ目は何だ。二つ目は,現代の医学は薬や手術といったことだけにこだわり過ぎた。偏り過ぎた。栄養に盲目な片目の医学であったと。だから,栄養を主眼に置いて医学というものを進めていかなきゃならんと。これが二つ。これが始まって,日本の中に,1日30品目の食物を食べなさいとかといって入ってきている話なんですよ。1977年,アメリカで膨大な200億もかけて調査した結果,この二つだったというんです。  ですから,アメリカの例で言えば,この二つを改善していけば医療費が削減になって,国保は赤字が減ると… ○小谷 委員長  道見委員に申し上げます。  質問の要点について,できるだけ簡潔にお願いいたします。 ◆道見 委員  簡潔にやっておりますので,もうしばらくちょっと。  そういうことで,こういう例は,外国の例をいま言いましたけれども,日本の例でも,いかに食を見直ししなければ,病気・病人を減らすことができないかということが浮き彫りにされているんですよ。これ皆さん方が実際生活しているんだから,実感持っているだろうと思うんです。  そこで,委員長のアドバイスもありましたので,はしょって省略をいたしますけれども,そこで,このことはいろんな本にも出ています。最近のベストセラーの中に。これはちょっと極端ですけれども,非常に根拠性がある。41歳寿命説とか,それから東北大学の名誉教授近藤昭二,これは関係者は知っているだろう。日本の長寿村,短命村を997ヵ所つぶさに調べて,日本人の病気,長寿,短命がどこに原因があるかということを全部調べた本で,これは地図にまで書いてある。これ,民生局長,997ヵ所行ったほうがいいですよ。こういうふうに書いてある。東大の名誉教授二木謙三博士も書いている。それは,「すべて食生活の見直し以外にはない」それがすべての物事を解決するんだと。  これをさらに北海道新聞で昭和60年,1985年,これをさらに関連づけて,学校教育に関係あるんですけれども,校内暴力が昭和55年から多発した。こういう生徒たちを全部調べた,食生活を。共通して言えることは,いま言った子供の食生活をしていたということなんです。それが動物実験でも出たいるんですよ。甘いものばかり,砂糖病というんですよ。甘いものばかりとっているから,いらいらするんです。座っておっていらいらする,ゆっくり物事を考えられない,こういうようなことで,いろいろな例がそこに示されているんです。  そこで,きょうは衛生局と教育委員会の方にもご苦労いただいておりますが,民生のほうにいま冒頭の二つの質問しましたけれども,あらためてする前に,こういうような状況を踏まえて,私は,食生活を抜本的に見直す,市民に行政が積極的に働きかけない限りにおいては,これは解決しないと。  だから,この主役はもちろん特別会計を預かっている民生ではあるけれども,第1点は衛生局において,九つの保健所を持っているわけですから,健康モデル地区というのを設定して健康づくりやっているようですけれども,ここにさらに食生活というものを徹底して織り込んで,その対象する町内なりを選んで啓蒙していく,こういうことを突っ込んでやれないもんだろうか。現状はどういうふうになっておられるかということを,まず衛生局の方に聞きたいし,2番目は,いま言ったように,どのようにこれを進めていけるか。私の申し上げたように,保健所からモデル地区を設定して,食生活のことについて啓蒙していくと,こういう強力な組織体をつくっていかなければならないんではないだろうかと,これが衛生局。  教育委員会。先ほど横山委員からアレルギーの話が出ました。これ子供は学校でいま食事しています。これは非常に教育の場として,まさにタイムリーだと。私は,学校教育の給食の意義がどうだこうだは省略して,この毎日食べる学校給食で正しい食生活を教え込んでいく,実践していくと,こういう位置づけにまず学校給食をするべきである。  いま学校給食,必要だとすれば,朝晩こういうような洋風化された体に悪いものを吸収している子供だからこそ,学校給食だけは病気にかかりにくい食事を体験するのが学校給食だと,こういう位置づけに変更してもらいたい。しからば,どうしたらいいか。それは文部省からは,週3回米のご飯を食べなさいと言っているけれども,実際は週1回やっているんですね。助役,白米というのはどういう字を書くったら,こめへんに白と書くんですよ。これ粕というんです。  それで昭和51年文部省は,学校給食の中で七分づきを入れたほうが望ましいという通達出しているんです。ことしの6月,食糧庁の業務部の米流通消費対策室長諸川さんと参議院の成瀬参議員との間にもこのことが話されて,各関係機関,文部省とも話をした結果,七分づきについても,日本体育学校健康センターから一括して米というのは入ってくるわけですから,ここに七分づきを入れてはどうかということが確認されているんです。  そこで,なぜ私は米にこだわるかというと,私は三分づき食べています。ちょっと紹介しておきますけれども。この米が,三分づきは別としても,五分づきを食べただけで健康の60%が解決するんですよ。だから,学校給食というのは非常に米というのは重要である。それは週3回やってもらいたいけれども,いま1回なんです。  そこで,学校給食の中で,矢野部長が来ておられますけれども,この学校給食の意義を感じて,週1回の現在の米に,ぜひとも子供の健康対策のために七分づきを導入していく。これをあしたからといったらできないから,即やっていく。  私の話は金のかかる話じゃないですから,これやってくれ,あれやってくれの金かかる話じゃないんです。金のかからなくて,みんなが健康で喜ぶような話しているんです。  こういうことを衛生局なり教育委員会なりが実施して市民的な啓蒙が広がったら,これは学校教育が非常に影響力がある。もちろん保育園,幼稚園もそうですけれども,先ほどの。そうすると,大変な効果が生まれて,国保は逆に黒字の100億になる。いいですか。こういうことをとらえて,衛生局と教育委員会でどう考えておられるかお答えいただきたい。先にお答えいただきたいと思います。 ◎伊藤 保健衛生部長  お答えをさせていただきます。  ただいまのお話もございましたけれども,食生活は医食同源という言葉がございますように,健康づくりの上できわめて重要な要素と考えております。したがいまして,市民一人一人に適正な食習慣を身につけていただくために,保健所におきましては栄養相談や健康教育を実施いたしているところでございます。  今後は,各区に,道見委員も指摘されておりましたけれども,健康づくりモデル地区というものを指定してございまして,その活動を通じて,あるいは各区に食生活の改善推進員という方が2,200人おりまして,その方のご支援をいただきながら,さらに適正な食習慣を普及してまいりたい,そのように考えております。以上でございます。 ◎矢野 学校教育部長  教育にかかわっての1点ご質問がございましたので,私のほうからお答えを申し上げたいと思います。  学校給食に七分づき米を取り入れてはどうかと,こういうご質問でございます。現在使用いたしております精白米に比べまして,確かに七分づき米につきましては,脂肪,それからビタミンあるいは無機質など多く含まれておりまして,栄養価が高いと申しましょうか,健康にいい食品であると申しましょうか,私もそのように承知をいたしているところでございます。  しかしながら,精白米に比べて脂肪が多いことから,劣化が早いということもございますし,あるいはそのことから保存が難しいといったようなことも聞き及んでいるところでございます。  また,劣化を防止するために特殊な包装が必要であるといったようなことも聞いておりまして,保存や流通の問題があるほか,価格的にも若干割高になるのではないかと,こういった給食費にはね返るようなこともまた心配があろうかなと。父母にまた負担をしていただくようなことにはなるのではないかといったようなことも考えてございます。  いずれにいたしましても,七分づき米などを学校給食に取り入れていくということにつきましては,調理方法あるいは献立,流通状況などいろいろと研究をしていかなければならない点があるものというふうに考えております。  議員のおっしゃるとおり,いま直ちに導入していくことについては,ちょっと難しい面があるのではないかというふうに考えております。今後,十分検討・研究をさせていただきたい,こんなふうに思っているところでございます。以上でございます。 ◆道見 委員  学校教育の中に,生徒にそういう正しい食生活を教える時間も小学校と中学校で合計90時間あるということも,先生のほうからもお聞きしたわけですけれども,そういうものと総合的に,私は七分づきといま具体的に言いましたけれども,最終的には五分づきまでしてほしい。圧力がま要らないですから,五分づきまでは。そういうことが最終的な考え方です。なぜ米にこだわるか,いまは。  これは先ほど横山委員がアレルギーの話をしておりましたが,五分づきをたとえば,七分づきでもいいですけれども,これを実施することによって,アレルギーのほとんどが解消されるんですよ。いいですか。われわれは毎日,加工された添加物の入ったもの体に入って,医者と話しているわけじゃないですけれども,医学的に言えば細胞に異変現象が起きているんです。これがアレルギーになるんですよ。支笏湖のチップが背中曲がり,猿山の猿の手がこうなっていて,人間だけが安全なんていうことはどこの世界にもないんです。局長,自然界が証明しているんですよ。  日本人のそういう食生活している女性が子供を持って,元気な子供が出てくるとは保証できない。いいですか。米というのは世界一のバランスのとれた食品だと。芽のあるものは2000年前でもいま芽が生えてくるんです。こういう大事な食べ物なんです。ここから医療費の削減に根本的につながってくる。  ギリシャの医聖と言われておるヒポクラテス,医者の先祖ですよ。彼は2000年前に何と言ったか。食事は薬なりと言ったんです。医食同源という話を先ほどされましたけれども,薬というのはくさかんむりに楽しいと書くんですよ。字は歴史をあらわしているんです,自然の中から出てきているわけですから。  こういうことで,食事をどうやって変えていくかという観点が,きょうお集まりのこの80人ぐらいの人がどれだけ実践できるかということなんですよ。じゃ,そういう実践して効果を上げているのがあるのかということが,ご質問があるだろうと,逆に。だから,私がお話するんだ。  たとえば,東京都下に羽村町というのかな,羽根の羽に村ね,ここのたつのこ保育園では,五分づきの米を使用した結果,2年次のときにアレルギーを訴えた人がなくなっている。見学に行ったわけです。それから,東京都下の町田市,合掌園診療所,養護老人ホームの併設診療所。ここは昭和53年まではAという医者が担当していた。昭和54年から,具体的に言うと中山光義という博士が,これは保健所の所長をやっていた方ですが,退職されて担当した。この方が担当したとき,1ヵ月の国保の受診を受けた方,948人,960人,927人,1,070人だった。その人が担当してからどうなったか。875,331,330,309,267,こういうふうになった。  国保ですよ。気の遠くなる宇宙の話しているわけじゃないですよ。具体的に,それだけ国保,私100億黒字になると言ったけれども,3分の1か2分の1に終わるということなんですよ。その基本は何かというと,五分づきにしたと。米で言えば五分づき。もう食べ物の話をすりゃ5時間ぐらい必要ですけれども,五分づき,それから大豆たんぱく,海草。  私も沖縄に調査に行ってきました。なぜ沖縄は長寿県かという,これをやるために。海草はいいと。そういうことを書いただけで,これだけ国保の受診者が減っているんですよ。だから私は,矢野部長にあしたからでも学校教育の中に取り入れなさいと。私は,金を使えと言っているわけじゃないですよ。金がかからないで,医療費が減るんだと言っているんです。そして,黒字になるんだと言っているんだから,こんないい質問どこにありますか。あるんだったら,逆に答えてほしい。こういうことで,これが非常に出ているというのが現状なんです。  そこで,民生局長は国保会計の責任者でありますけれども,いま話していると周辺の話なので,ああ,民生には関係がないのかなというふうに思うかもしれないけれども,どうか私のいまの話,具体的な例ですから,見学に行くなり,実際にやるなり,そうやって,どう対処しようとしているのか。これは民生局長。助役,これは各部局にまたがる。この話を事前に農務部,市立病院にもしました。市立病院は,衛生局がそういう対応をしたら,病院でもそういうことが受けれる体制をとります,こういうふうに回答をいただいています。農務部は,有機農法,無農薬,これはことしから本格的に実験段階でスタートしている。国もそういう方向へ行っている。これは今後ともやりますと,進めていきますと,後押ししますということが心強くいただいています。私も実際に畑づくりやっていますから,無農薬,有機農法。私自身も病気にかかりにくい食事を体験する保養所も持っています。どうぞ体験していただきたい。  そういうことで,助役,これだけ範囲が広いんですよ。単なる民生局の国保会計という話じゃないんです。それで,助役として具体的に最後,単なる収納対策委員会だとかなんかという狭い範囲じゃなくて,広い範囲にもっと広げる方法がないのか。そして,いま学校給食の関係もありましたが,どのように考えておられるかお答えいただきたい。 ◎木戸 助役  食生活の話に大変うんちくのある,長年研究した成果をお聞かせいただきまして,私も大変感心していたところでございます。確かに,医療費を抑制するということには,何よりもやはり人々が健康であるということが基本でありますから,そういう意味では,お話のことはよく理解できるわけでございます。しかしながら,現実にいま191億の累積赤字があるというのも一つの事実でありますから,それはそれとしてきちっとした対応策をとっていかなきゃいかんだろうと,このように思います。  そんな意味で,特別収納対策室を設けていろいろやっていますし,それからまた,国保の対策委員会もございますけれども,そういうようなものの中でさらにいろいろな手だてを講じていかなきゃならんなと思います。  しかしながら,いまお話のありましたことは非常に息の長い話でございますから,そういう意味で,いま委員のおっしゃられた理念を体しまして,これはもう民生局だけでなくて,学校教育の分野や,あるいは保健衛生の分野,あるいはいまお話のあった経済局の分野にもいろいろかかわりあるわけでございますので,そういうような関連部局が連携をしながら健康づくりを推進して,そのことによって国保を側面から支えていくというふうなことは大切なことだと思いますので,いろいろと研究してみたい,このように思います。以上です。 ◆道見 委員  具体的なご回答はいただけないということはやむを得ないとしても,こういうふうに大変な赤字を抱えているという,以後も続くということがもう明らかに想定される。何もこの国保会計でなくたって,特別会計においても,公営企業会計においても,大変な一般会計からの繰入れをしているという現実を見たときに,悠長なことは言えない。ですから,具体的にいついつからそういうことを, 学校給食においてはやるということを,後からでよろしいですから,具体的にこの場でいまお答えを求めるとしても無理とすれば,いまの認識を踏まえて努力をしていただきたいということをまず要望させていただきます。  それから最後に,この記事を紹介して私の話を最後にしたい。これは,アメリカのライシャワーさん,駐日大使ですね。この方が,退任されていろんな話をされております。これの翻訳,これは「ザ・ジャパニーズ」という文芸春秋から出ていて,社会党の國弘参議員が翻訳しております。この中でどういうことを書いてあるか。1979年ですけれども,この本は。  米,野菜,魚介類から成る昔ながらの日本式食事は,食肉や獣脂,要するに動物性たんばく質という意味ですね。獣脂を大量に摂取する欧米人のそれとは対象的である。違うということですね。健康という見地からでは,ほとんど完全食に近い。ただし,日本人が胚芽を取り去った白米に固執することをやめればである。いずれにしろ,米国に対し日本人は心臓病が少ないのは,この点に由来しているかもしれない。他方,日本人の白米の摂取が胃がん多発に寄与しているものと考えられる。  物すごく根拠のあることです,これ。ライシャワーさんは,こういう言葉を日本に警告として発して駐日大使を終えているんですよ。この重みも,助役以下,市長以下考えていただいて,早急に対応していただくことをお願いして,100億黒字になる国保を目指してお願いいたします。以上です。 ◆大西 委員  ただいま道見委員のほうから,大変なご高説を拝聴いたしました。国保の赤字解消のためにいろいろな見方があるんだなということをあらためて知らされまして,大変勉強になりました。ありがとうございます。  そこで私は,いま助役のほうからございましたように,しかし現実的にこの赤字をどうするか,こういう問題があるわけでございまして,その赤字解消のためにいろいろ質問をしたいと思うのであります。  とりわけ,わが党は代表質問や,あるいは各種の委員会で,常にこの国保の収納対策について先輩議員からいろいろ質問をしてきております。しかし,国保会計の赤字は減ることなく,むしろふえてきている傾向にあるということは,まことに遺憾であります。そこで,平成2年度の決算についてお尋ねをしたいと思います。  平成2年度の国保会計の結果は,累積赤字,先ほど道見委員からもございましたように,2年度末で約191億5,000万に達しております。この収支の不足の原因の一つに,保険料収納率の低下の問題がありますけれども,まず収納率について質問をしたいと思います。  その第1は,平成2年度の国保の収納率は元年度に比べて10%以上低下しておりますけれども,このようになつた原因は何かお伺いをいたします。  次に,収納率向上の対策として,大変当局としていろんな努力をされているわけであります。ことしの4月には特別収納対策室を設置し,何とかこの収納率を上げるための対策をと,こういう積極的な対策を立てているわけでありますが,この対策室が設置されてから早くも6ヵ月になるわけでありますけれども,状況について質問をしたいと思います。特別収納対策室では,3年度の保険料収納率向上策としてどのようなことを実践しているのかお伺いをしたいと思います。とりあえずこの2点について質問をいたします。 ◎山澤 特別収納対策室長  ただいまご質問のございました2点についてご説明を申し上げます。  まず,1点目の保険料の収納率の関係でございますが,決算では62年度から元年度まで92%台を確保するという形で推移してまいりました。しかしながら,平成2年度につきましては,平成2年の6月に会計検査院の実地検査を受けました。その結果,従来から札幌市で取り扱っておりました居所不明などの世帯の取扱方針が不適当であるという指摘を受けたところでございます。この結果,元年度の収納率と比べまして,2年度が10.79ポイントを下回った81.43%という結果になったものでございます。したがいまして,収納率低下を招いた主な原因と申しますのは,札幌市の居所不明等の取扱いの関係というものが主な原因ではないかと考えてございます。  それから,2点目の特別収納対策室の関係でございますが,特別収納対策室には区に兼務発令になっております9名の対策主査がございます。この対策主査は,主として各区で仕事をしているわけでございますけれども,高額対象者を対象としまして納付折衝を積極的に行うなど,滞納の整理に当たっておるわけでございます。その中でも,特に全期未納世帯の解消を図るという方針で毎日努力しているところでございます。  そのほかに,各区におきましても,いままでとちょっと変わりまして,外勤徴収体制を強化する,あるいは居所不明,資格疑義世帯の調査の徹底とか,それから資格の関係の擬制世帯の適正化等々,いろいろなことを実施すべく,区と連携のもとに収納率アップのために最大の努力を傾注しておりますし,今後もする予定でございます。以上でございます。 ◆大西 委員  さて,ただいま質問に答えていただきました。対策室としてもいろいろ努力をされていることば認められますけれども,しかし,予算において目標としている収納率は,平成3年度87%と聞いております。この収納率を確保したとしても,まだまだ低い状態であり,依然として赤字が続くわけであります。したがって,収納率を高める施策は当面解決すべき大変重大な課題であります。  そこで私は,さらに質問いたしますが,この解決策の大きな柱の一つに滞納対策があると思うのでありまして,この滞納対策について質問をしたいと思います。  質問の1点目は,滞納者はいろいろな事情によって滞納されていると,こう思うわけでありますが,大きく分類いたしまして,滞納の内訳がどういうふうになっているか,ひとつお伺いをしたいと思います。  また,それぞれの全体に占める割合を数と率で示していただきたいと思います。  また,項目ごとの今日までの対策について,たとえば居所不明だとか,あるいはいろいろな事情によって滞納しているわけであります,けれども,それぞれの項目によってどういう対応を今日までしてきているのかについて具体的に質問をいたします。  2点目に,現在,滞納対策のために保険員の活用や,保険料の口座振込み,職員による外勤徴収など,施策がとられているようでありますが,これが収納率向上につながっているのか,効果のほどについてお伺いをしたいと思います。とりあえず二つについてお答えをいただきたいと思います。 ◎山澤 特別収納対策室長  滞納者の内訳の関係でございますが,2年度でございますが,保険料の未納世帯は全体で4万8,237世帯ございます。このうち,生活困窮が1万4,988で31.08%,常時不在が1万265世帯21.28%,長期分割が8,410世帯,区間転出が4,175世帯8.66%,それから失業中が2,548,5.28%,営業不振2,169世帯4.50,居所不明が1,886世帯3.87,市外転出が1.840世帯で3,81,疾病が1,183世帯2.45,そのほか,会社倒産とか,世帯主の方が亡くなったとか,生活保護受給になったと,こういう世帯がその他793世帯で1,64%となってございます。  この対策でございますが,先ほども申し上げましたとおり,滞納世帯解消の最大の懸案事項と申しますか,それは全期未納世帯を解消するということでございます。これを重点項目と考えまして,平成2年度は常時不在世帯等に対する折衝機会を増大させるべく,文書催告,電話催告などの回数を増加したり,居所不明世帯,市外転出世帯に対する追跡調査など,いろいろな対策を講じてまいりました。3年 度につきましては,さらに,先ほど申しました特別収納対策室の主査とそれぞれの区が外勤体制の強化等,あるいは収納率を上げるために一番効果的な時期等も考えながら,収納率向上のために努力しているところでございます。  次に,保険員の活用でありますとか,保険料の口座振替,職員の徴収などの効果についてでございますけれども,ご承知のとおり,札幌市の徴収体制は保険員によります滞納保険料の徴収を基本としておりますことから,現時点ではまだ十分に効果が出るところまでは達していないということでございます。このために,今後につきましては,徴収体制を根本から見直すことも必要ではないか。また,それによ ってより効果的な徴収体制を考えるべきではないかということで,現在,他の指定都市の実情なども参考にしながら,あるいはあわせて,保険員制度も含めまして,体制整備などにつきまして調査検討を行なっているところでございます。以上でございます。 ◆大西 委員  大変なご苦労をしているわけでありますが,さらに質問を続けたいと思います。  いま,滞納者の分類による内訳の数と率が示されました。滞納者の分類によりますと,特に対策が必要とされます常時不在者,区間転出者,市外転出,居所不明,これだけで合計37.62%。大変大きな比重を示しているわけでありますが,これらについて具体的に今後どういうふうに滞納対策を進めていかれるのか。たとえば,居所不明などについては,どういう方法で具体的に調べて,そこへ行って徴収をしてくると,こういうことをぜひやるべきだ,こう思うわけでありますけれども,それらについて。それから,市外転出などについても,単なる文書による督促だけではなくて,直接赴いて徴収をする。そういうところまで私は突っ込んだ滞納対策をやるべきだ,こう考えているわけでありますが,いま申し上げたこの項目について,具体的にどういうふうに対策をされるのかお伺いをしたいと思います。  それから次に,第2点目,収納率の向上でありますが,これは単に支払わない方への罰則の強化だけではだめだと思うのであります。先ほどもどこかでありましたけれども,市民が納付しやすい環境づくりとサービス,これがぜひ重要なことだというふうに思います。そのための体制づくりが重要だと思うのでありますが,理事者の考え方はどうかお伺いをいたします。  そしてまた,その対策を具体的にもしいま示せれば,示していただきたいと思うのであります。  さらに伺いますが,十分資力がありながら理由なく滞納している悪質者対策も,まじめに納付されている市民との関係で,その対策もこれはぜひ必要なことだと,こう考えますけれども,理事者の考え方と,具体的にこういう方に対する対応の仕方について考えがあればお聞かせを願いたいと思います。 ◎山澤 特別収納対策室長  2点ほどのご質問でございますけれども,まず1点目の関係でございます。  お話のとおり,常時不在,あるいは区間転出,市外転出,居所不明,これは滞納の中でも大きな比重を示してございます。これらの世帯と納付折衝を行うことは非常に難しい世帯ということになります。難しいという世帯ではございますけれども,根気よく折衝機会を見つけまして納付督励を行うのが第一ではないかと私のほうでは考えてございます。したがいまして,常時不在の世帯につきましては,職員の外勤体制を強化しての納付督励とか,あるいは区間転出,市外転出などにつきましては,事前の各種調査を充実して居住地の確認をできるだけ行い,現地に赴いて納付督励といった対策を実施してまいりたいと思います。また,居所不明の実例の話もございましたが,単に行っていないというだけではなくて,やはり近隣の人にどこへ移ったかというようなことも,もちろん調査の中には基本としてはめていく,こんなことで考えてございます。  それから,市民が納付しやすい環境づくりのサービス体制ということでございますけれども,先ほど申しましたように,いろいろと徴収体制の強化というようなことも考えている時点でございます。したがいまして,現時点ではまだ具体的なものには至っておりません。しかし,大西委員のご提言にありました納付しやすいサービスと,そういうようなことも私どもとしては確かに必要ではないかと考えてございます。したがいまして,今後,先ほど申しました徴収体制の強化とあわせまして,十分に検討させていただきたいと思っております。  それから,十分な資力がありながら理由もなく滞納している世帯と,こういうようなご質問でございましたが,基本的に健康保険制度と申しますのは,相互扶助が基本原則であります。したがいまして,保険給付を受けるという権利のほかに,裏返しに保険料を納めるという義務も当然そこに存在するわけでございます。この関係から,昭和62年の1月でございますけれども,国民健康保険法が改正されまして,いまおっしゃられました特別の事情もないのに保険料を納付しない世帯。例えて申しますと,実態から見まして,十分な負担能力があると認められるにもかかわらず納めていない,故意に納付していない世帯。あるいは,再三お知らせをしているにもかかわらず,一向に納付相談とか,あるいはそういうことに応じてくれない,そういう世帯。あるいは,納付相談その他に応じてくれて納付の約束をしてくれても,誠意を持って履行してくれない世帯。こういう世帯があるわけですけれども,こういう世帯などに対しては,健康保険法が改正された際に,保険給付を制限することができるということになりました。  札幌市では,大西委員が申されておりましたとおりに,相当一般会計から多くの繰入れをしているということがございます。そういうようなことからいたしまして,また,国民健康保険法の改正の趣旨も踏まえまして,収納対策の一環として,すでに昨年の12月,被保険者の保険者証の更新時に88世帯に対して資格証明書を交付したところであります。今後につきましては,やはり国保事業の運営の安定化を図るという見地からも,このような措置を強化することが必要だと考えてございます。  また,加えまして,ことしの5月17日付でございますが,厚生省保険局国民健康保険課長通知でございますが,国民健康保険の保険料収納率向上対策の推進についてという通知がございました。この中には,滞納世帯に対しまして,通常に比べ更新期間が短い被保険者証の発行を行うなど,被保険者証の交付の方法の工夫を行い,収納率向上を図れというような具体的な内容を盛り込んだ通知が参りました。私どもといたしましては,ご指摘のとおり収納率が低いわけでございますので,収納率向上を図るという見地から,実態に即した対策を策定するということは当然求められているわけでございますので,短期証の交付などにつきましても今後実施に向けて検討していかなければならないな,こういうふうに考えてございます。  ただ,なお,これらの措置でございますけれども,保険給付の制限自体が目的ではございませんので,あくまでも納付折衝の対応の中で納付相談に一切応じないなど,誠意が認められない場合に限りまして実施していくと,そういう考えをあわせ持っております。以上でございます。 ◆大西 委員  具体的にこれからこういうふうにして滞納対策をやるということが示されました。蛇足になりますけれども,私も金融機関の出身でございまして,貸付係を長くやった経験を持っています。貸付けしまして,延滞をしますと,その回収に今度は歩くわけでありますが,種類は違いますけれども,この延滞整理というのは大変だということを私自身経験をいたしておりますので,大変皆さん方市の職員はご苦労が多いと思いますけれども,ぜひひとつ滞納対策に積極的な力点を置いていただきたいと思います。  私は,なぜこういうことを申し上げるかといいますと,前職でありますけれども,厚生省に毎年毎年国保の補助金の要請をする窓口になったことがございまして,その際に,厚生省あたりから一番言われますのは,一体きちっとした滞納対策をやっているのかと。補助金をもらうときだけ頭を下げてくるけれども,しかし具体的に滞納対策,収納率の向上に向けての努力が一番指摘されるわけでありまして,これから国保の問題というのは,とりわけ国に対してのいろいろな施策を求めていく,そういう大きな課題でありますだけに,やっぱり足元をきちっと固めておく。そして,もらうものはもらうと。こういう対応でいかなければ,なかなか国のほうも補助金を出すという甘い体制でございませんので,ぜひひとつこの滞納対策について力点を置いていただきたい,こう考えるわけであります。  最後になりますけれども,国保の問題は収納率だけで解決できる問題ではなくて,大変世の中が複雑化してきておりまして,ふえ続ける医療費にかかわる問題や,いろいろな問題がございます。いま,とりわけこの収納率の向上に向けて,滞納対策をということを申し上げましたけれども,ぜひひとつこの国保の赤字が年々減少傾向を示していくと,こちいう経過をたどりますように,理事者の皆さん方の一層のご奮闘を切にお願いを申し上げまして,質問を終わりたいと思います。 ◆柿崎 委員  ただいま道見委員からもお話がありました。私も,収納対策についてお伺いをしたいと思いますし,ダブりを避けて,大西委員の資料も借りてお話をしたいと思うんですけれども。  いまお話のように,平成2年は元年度に比べて10.79ポイント下げておられる。 この原因については,いまお話のように,居所不明の取扱いの問題であるとか,移動率が高いというような問題であるとか,さまざま指摘をされているわけです。しかし,それとても他の政令市ではもう高い収納率を確保しているわけですから,本市のみの特異な現象ということではなかろうというふうに思うわけです。  収納実態についてちょっとお伺いをするわけですけれども,平成2年度収納額のうち,収納方法別に,金額,その比率はどうなっているのか。他の政令都市も調査されていると思いますので,その状況はどのようであるか。また,本市の収納について,納期内納付の現状はどのようになっているのか,まずお伺いをいたしたいと思います。 ◎山澤 特別収納対策室長  2点ほどのご質問でございますが,平成2年度収納額の納付方法別の状況でございますが,賦課総額が249億7,026万円ございましたが,そのうち,被保険者が自主的に金融機関に納付した分が108億7,026万円,全体の賦課総額に対しまして43.42%ございます。それから,国保協力会というような納付組織でございますけれども,これによる納付分が7億990万円,2.84%でございます。それから,口座振替による納付分が47億1,005万7,000円ございます。これが18.86%でございます。滞納者に対しまして,職員が納付督励をして納めた分といいますか,徴収した分でございますが,これが18億949万円,7.24%ございます。それから,同じく滞納者でございますけれども,滞納者に対して保険員による直接徴収分,あるいは保険員が納付督励をした分,これらが22億4,813万円,これが9%となってございます。  他都市の状況でございますが,最近私どもで指定都市6都市を調査した結果によりますと,この納付方法別では,各都市それぞれ若干の差はございますが,共通しておりますことは,納付方法別で,九州方面2市,北九州,福岡は除きまして,ほかの4市は口座振替が一番高くて,全体の45.1%から53.7%という範囲でなっております。また,先ほど除きました北九州や福岡市でも,口座振替が36.2%から38%と,こういうことになってございます。  次に,納められたお金が納期内に入ったのはどうかと,こういうようなことでございますが,自主納付分,つまり被保険者がみずから金融機関でお支払いいただくという部分では,一部に納期がちょっとずれたというのもございますけれども,そのほとんどが納期内ということでございますので.この分が108億4,310万円。それから,口座振替,納付組織によるものが,これは納期内ということでございますから,54億1,995万円。合計しますと162億6,300万5,000円となります。これは,賦課総額,先ほど申し上げました249億7,026万円に対しまして65.12%,この率が納期内に納付されていると,こういうようなことになります。以上でございます。 ◆柿崎 委員  そこで,申すまでもなく,収入を安定させるためには収納率を上げなきゃならない。上げなきゃならないとすると,何が一番効果的なのかなということになりますと,口座振替だろうなという思いを私はするわけでして,いま他都市の例も出していただきましたけれども,53%から48%,45%,こんな高い数字になっている。しからば,うちの数字はいかがかというと,18.86,こんなどえらく低い。これが過去をぼっかけても,18,19,16というようなことで,数字がほとんどもう上がっておらない。当然のごとく,収入安定には口座振替が必要だよということで,毎年のごとく収納対策を計画されるときにこの口座振替の推進を挙げておられると思うんですけれども,一向に効果が上がっていないということには大変私,疑問に思うわけでございまして,一体どんな推進をされてきたのかちょっとお示しをいただきたいというふうに思います。  それから,いま職員が直納ということでやられておる。滞納者に対する督励納付をしていらっしゃる。これも,63年には9.12%あったものが,元年度は9.07,2年度は7,25,年々これまた落ちてきているということでは,2年度どんなふうな対策をとってきたのかということでお伺いもしたいし,また,さらには,先ほど大西委員もご発言があったと思うんですけれども,昨年各区に定員外で1人増員いたしましたし,ことしに入ってからは対策室をつくって主査9名を各区に配置をいたしておると。こんなことから言えば,当然この直納もいまどんどんどんと落ちてきているわけですから,これだけ手厚くしているということは,当然上がってくるだろうと,大丈夫か,十分見込めるのかどうかということでこれまで半年ばかりきていますので,お伺いをいたしたいと思います。 ◎山澤 特別収納対策室長  口座振替促進のため,どんなことをやっておるかということでございますけれども,従来より,被保険者証の更新時あるいは納付通知書を送るとき,あるいは新規加入届けのとき等に,口座振替の利用を勧めるPR文書や,あるいは申込書を配付するほか,広報誌,ポスター等によってPRを行なってきてはおります。ことし11月1日からは,新規加入者の場合でございますけれども,口座振替の手続を従来の被保険者と金融機関とで手続をするというほかに,区役所を中に入れまして,区役所でもその手続ができるように改善するところでございます。  それから,2点目の直納の関係でございますけれども,2年度は確かにご指摘のとおり,比率的にも,金額的にも下がっております。いろいろと努力をしたところではございますが,結果として実効が上がらなかったということでございます。  3年度でございますが,特別収納対策室といたしましては.先ほど申しました収納対策主査が中心になりまして.兼務先の区と連携をとりまして.納付督励に努力しているところでございますけれども,そのほかに.私どもの特別収納対策主査全員を収納率の低い数区の区に集中的に投入する方法なども考えて,間もなく実行する予定でございます。こういう方法をとりまして収納率向上に努力しているところでございます。以上でございます。 ◆柿崎 委員  直納については,いまのお話のように,数区について集中的に入っていただくということですから,大いに期待をいたしさいと思うんですけれども,口座振替の推進につきましては,これまた,いま3年度の収納率向上計画の中にも答弁と同じようなことが書いてあって,広報さっぽろに出すとか.パンフレットをつくるとかいうようなことで,いささか,こういうことでは,先ほど言ったような18.86から他都市並みの40.58というようなことにはなかなか上がってこないんではなかろうかなというふうに思うわけです。  先ほど,私,保育料のところで聞きましたら,口座振替,一発で83%になったんだということで,猪熊先生がお話をして,社会党がご提案中し上げて実現したんだよというようなことで言っておりました。他都市に比べて高水準をしておるんだということを,保育部一生懸命頑張っているよと,こういうことですから,国保に至ってはなおのこと,口座振替のさらなる推進をしなければならないのではなかろうかというふうに思うわけでして,これはいま自主納付や保険員の努力による徴収分も,積極的にこの口座振替に変更していくような努力,体制をつくっていく必要がありはしないかな。先ほど大西委員のご答弁にもありましたように,保険員制度については根本的に見直しを検討しているようなご答弁もありました。  したがって,私も半分苦言を呈しながら申し上げるんですが,この徴収分の22億 4,000万何がしを一生懸命89名の保険員で徴収をされました。全体の9%もの徴収をしてくれました。助かっています,こういうことだろうと思うんですけれども,割り算をしますと,1人頭2,200万ぐらいにしかならないということだろうと思うわけですね。どうしてかなという話で,お話のお話で聞きましたら,89名の中には市の職員OBもいらっしゃる。したがって,年金を一方もらっていらっしゃるわけですから,固定給プラス能率給で,そんなにたくさんいただかなくても,そこそこ働けばいいというようなことなのかな。うがった見方をすると,土日ゆっくり,夜ゆっくりされている方もいらっしゃるのかなというような気も半分いたします。ですから,こういう方々の体制をも見直してあげることが必要なのではないだろうか。
     要するに,口座振替をしていただいた方にもその体制をとってあげる。きょう保険員が取ってきたよ,これをカウントしてあげるというようなこともまた必要なことだろうというふうに思うわけですし,当然,中によっては,先ほどお話が出ましたように,自主納付から口座振替に振りかえていただくわけです。また,徴収の分もそういうふうにお願いをするわけですけれども,それでもなおかつ残るというような場合も往々にしてあるだろう。そうすると,ここで非常に収納率の高い名古屋,川崎なんていうところは,集金制も導入して行なっているということからすれば,このような面も考える必要があるのではないかなというふうに思いますので,この辺についてどのようにお考えになるのかお伺いをいたしたい。  もう1点は,要するに納期内納付を促進させるということからいいますと,前納,保険者に対して,収入確保と納期内納付の促進ということからしても,奨励金制度というか,こういうものも取り入れて一生懸命収納率を向上させるというようなこともお考えにならないかどうかお伺いをいたしたいと思います。 ◎山澤 特別収納対策室長  口座振替の推進についてでございますけれども,先ほど来申し上げてございますが,私どもでは現在徴収システムなどにつきまして考えておるところでございます。ただ,あわせてオンラインの関係についても検討中でございます。このオンラインとも絡むことでございますので,これらとの関係も考慮しつつ,ご提言のあった関係も含めて,現在,調査検討しているところでございます。  お話の中にございました,自主納付あるいは徴収分の口座振替と,口座へ切りかえると,こういうお話がございました。そのうち,特に徴収分の口座切替えということにつきましては,お話のございましたように,現在の保険員制度についても考え直さなければならないということになります。現在の保険料徴収体制と申しますのは,徴収嘱託員であります保険員が主体となりまして滞納保険料の徴収を行うというシステムを採用してございます。したがいまして,保険員徴収分を口座振替に変更することを推進するためには,ご提言のございましたことも含めまして,保険員の業務内容あるいは報酬体系,この辺もあわせて見直す必要がございます。  いずれにいたしましても,口座振替の率を増加させると,こういうことができるような,収納率が向上するような,そういう徴収体制の強化を図るためにいろいろと現在検討を重ねていることを申し上げたいと思います。  次に,前倒しで納めていただいた方,前納の方でございますけれども,それの報奨金制度といいますか,そういう関係でございますけれども,これは相当昔ということになりますけれども,札幌市の国民健康保険が保険税の時代にはこういう制度があったように聞いております。しかしながら,約30年ほど前になりますけれども,納期内納付の意識が高まったというような,そういう啓発という目的が一つ達成されたと,一応定着したというようなことから,30年ほど前に廃止してございます。現在,昭和43年に国民健康保険税から,札幌市は国民健康保険料に変更してございますが,国民健康保険料というものに切りかえること,これにつきましては,前納報奨金に関する根拠規定が現在ありません。また,各自治体で制定します条例,それを示しております厚生省の条例準則にも規定がないということで,現在は導入しておりません。ただし,他の指定都市で実施しているところも一部にございます。したがいまして,その効果も十分調査いたしたいと思いますが,実施するとすれば,その前に厚生省との関係とか,あるいは一般会計からの繰入れの問題とか,どんな方法でというようなこともいろいろ検討しなければならないことがございます。したがいまして,これら問題点を十分踏まえた上で,慎重に研究させていただきたいと思います。以上でございます。 ◆柿崎 委員  前納について慎重に研究していただくということでございますんですが,私,もう1点は,先ほどから申し上げているように,自主納付というのはどちらかというと滞納になっていく率が高くなる。滞納はまた未納になっていく率が高くなるというふうに思うわけです。ですから,自主納付から口座振替を大きくしていくことが最大の今回のポイントだろうなというふうに思うわけです。したがって,前納のお話をいたしましたけれども,口座振替を推進しようとすれば,先ほどの大西委員のお話がありましたけれども,市民が納付しやすいサービス体制が必要ではないか。そんなことで,必要ですよねということでございました。私も,ですから口座振替をとっていただける方,いただいている方,こういう方には何らかの恩典を差し上げるということが,また定着をし,促進をさせることなのではないだろうかなというふうに思うわけです。  したがって,たとえば早期発見,治療という意味合いから,すこやか健診,いま500円ですか,そんなものを無料にして差し上げるとか,それから1回もこの納期内に病気しなかった方には何か施設の利用券を差し上げるとかいうようなことをも考えて促進をさせるというようなことも,これまた必要なことなのではないかなというふうに思うわけです。  局長,いろいろ話をさせていただきましたけれども,滞納予防や未納予防をすることは,口座振替しかないという私,認識を強く持っているものですから,先ほど答弁がありましたように,政令市でももう前納の報奨金制度をつくっている川崎,名古屋,最近に至っては東大阪もうちと同じようなあんばいでして,ことしの4月からこの前納の報奨制度をつくったと,とったというようなことをお聞きもいたしました。したがって,先ほどの方法別でお話がありました国保協力会というところが,私はこれに似た形でもうすでにやられておるんだというふうに思うわけです。この国保協力会の恩典はどんなことかというと,一般の納付者と比べて助成の措置,補助金をお出しになっている。もしくは,通常,延滞金が一般の場合はおくれるとかかるわけですけれども,この協力会の場合は延滞金は免除になりますよというふうにもなっているわけです。さらには,2年度でいいますと,3,611世帯に対して1,762万3,000円の補助金が出されているとすれば,1世帯当たり4,880円,約5,000円の補助金,いわゆる報奨金的なものが出されている。であるならば,まじめに,先ほどから言われましたように,口座振替でとんとんとんとん引き落とされている人たちも,この方々と何ら変わらないまじめな納金者であるということからするならば,同じ方法で,同じような事柄,考え方としたやってみることもまた必要なことなのではないだろうかなというふうに思いますので,ご決断のほどをお伺いをいたしたいと思います。 ◎大長 民生局長  国保の赤字につきましては,ご存じのとおり,私どもも0.5%でも1%でも,とにかく上げたいというふうに思っているところでございます。そこで,いろいろなお話をいただきまして,私どもも十分理解をしております。したがいまして,柿崎委員のおっしゃいましたご提言の趣旨につきましては,今後,研究をしていく中で大いに参考にさせていただきたいというふうに考えております。 ◆生駒 委員  国保の赤字が大変問題になっておりますが,この問題でお尋ねしたいと思います。  今回の会計決算は,最高限度額の引上げを含めたものでありまして,私どもとしては,根本的には赤字の問題も国保料が大変高いと,なかなか払えないという問題をこれまで指摘してまいりましたが,そういった角度からお尋ねいたしますけれども,一つ目は,累積赤字の内容についてであります。  平成2年度では内訳はどうなっているのか。特に,191億に上りますが,このうちに調整交付金のペナルティーによる返還金が入っていると思いますが,額は幾らになっているかを含めてお尋ねします。  2点目は,累積赤字の推移はどうなっているか。  これは,近年はわずかでも好転した時期が,兆しがあったというふうに私も見たんですけれども,その点でこの推移についてどう考えているかお尋ねをいたします。  それから二つ目に,収納対策についてでありますけれども,いわゆる高い国保料と,これはもう定評があります。抜本改正を国がやらないと制度はすでに破綻をしていると。こういうことの中で,保険料をそのままにしておいて収納対策という場合に,余り締めつけてはだめだというのが私どもの立場であります。  それでお尋ねいたしますけれども,1点目は,特別収納対策室の体制,人員と,その年間予算はいかほどになるのか,明らかにしていただきたい。  二つ目は,今後,いろいろと答弁の中でも対策に努めると出ておりますけれども,特別収納対策によって,今後,本当にこの収納率が上がっていくのかどうか。その見通しについてお尋ねをいたします。以上。 ◎笹尾 保険医療部長  お尋ねの中で,収納率の関係がございましたが,これにつきましては後ほど山澤特別収納対策室長のほうからお答えをさせていただきます。  まず,1点目の累積赤字の関係でございます。  これにつきましては,昭和54年度に赤字決算となって以来,毎年赤字となっております。平成2年度の単年度の実質収支では,約46億円の赤字となっておるところ でございます。これまでの赤字額でありますが,54年度から59年度末までの6年間の赤字が93億5,000万ございましたが,これについては一般会計からの繰入れにより,国民健康保険支払準備基金から59年度20億,60年度10億,61年度20億,62年度20億,63年度23億5,000万を繰り入れまして,全額解消したところでございます。また,60年度から平成2年度末までの赤字額は約231億円となっておりますが,一般会計からの繰入れによりまして元年度20億,2年度20億を繰り入れた結果,平成2年度末は191億円と,こういうことになってございます。  また,二つ目に,この赤字の中に調整交付金の返還金が含んでいるのかどうかと,こういうお尋ねでございますが,この191億円の累積赤字の中には調整交付金の国庫への返還金が含んでおります。その額は24億9,108万1,000円でございます。  それから,二つ目の累積赤字の関係で,近年わずかにでも好転の兆しがなかったのかと,こういうお尋ねでございます。  ただいまお話ししましたように,54年度以来毎年度,単年度実質収支では赤字でございますけれども,60年度,61年度の当時は,ともに単年度実質収支で55億から58億円というオーダーで赤字がございました。50億台の赤字ということでございましたけれども,63年度以降を見ますと,63年度は15億,元年度は24億と,それから2年度は21億円ということになっておりまして,見方によってはおっしゃるとおり,やや好転の兆しを一時見せたと,こういうように言えるかと思うところでございます。  それから,収納対策に関連いたしますところの一つ目のご質問でございますけれども,特別収納対策室の体制,人員,予算でございますが,本年4月から発足いたしました特別収納対策室でございますが,その体制は室長,部長職でございますが1名,主査が10名,係員が3名の,合計14名の体制でございます。また,特別収納対策室の人件費を含む予算についてでありますけれども,おおよそ1億3,000万程度と見込んでいるところでございます。以上でございます。 ◎山澤 特別収納対策室長  収納率の関係につきまして,今後の見通しの関係のご質問がございましたが,私ども,国民健康保険事業の安定化を図るということは, 収納率を上げるんだということで,非常に重要な柱の一つであるというふうに考えてございます。そうした認識のもとに,本年度におきましても予算で87%ほどの目標収納率を掲げ,これを確保するために,区と,それから特別収納対策室との連携のもとに,現在,収納率アップのために動いているわけでございます。したがいまして,見通しはどうかということよりも,現在,収納率を少しでも上げるために最大限の努力をしているというところでございます。以上でございます。 ◆生駒 委員  累積赤字ですけれども,191億円の中には24億円のペナルティー,返還金が入っているということであります。答弁の中でも,一定程度,いわゆる累積赤字の膨れ方が小さくなると,そういう時期もあったと,こういう答弁もございました。  特に,私はここでお聞きしたいのは,今回191億円に膨れ上がったこの赤字の内訳でありますけれども,これをお尋ねしているわけでありますが,実は,返還金の25億円が含まれているというふうになりますと,実質的な累積赤字と。いろいろ一般会計から繰入れしたり,相当努力はしていると思います,これは。その中で,国の,以前には厚生省もやり方を認めてきてやっていたるの方式を,会計検査院のやり方によってペナルティーとして25億円を返還させると,こういうことが起こった。これを外せば,実際上この累積赤字というのは166億円台になるわけです。いま驚くべき191億円,200億円になろうとしている。その大きな原因が,これがあるわけです。  たとえば,61年以前の累積赤字の伸び方は,それこそ50億,68億という伸びをしてきた。しかし,62年に一つのピークに至って,ここでは169億円,つまり約170億円。ここに至った。しかし,その後は63年には161億円,元年には165億円,そして実質,2年度は166億円台をいっていると,こういうことなわけです。  問題は,だからそういった点でいうと,この累積赤字というものが,医療費が高いということ,そしてつまり保険料を払わない,滞納があるということで論議をされておりますけれども,私は根本的には保険料が高い。そして,しかも国の国保に対するやり方。これがいまの問題でも25億円の返還で出ていると。たとえば,191億円の中の25億円のほかに調整対象外医療費,これは制度によって,差別医療によって,医療費が高いということによって,北海道,札幌を初めとして,ここに国から来るべき交付金を減らすということをやって,その影響額は市当局でも数字を出している。この額は54億円です。さらに超過負担,これは昭和55年度以来足しますと85億円に上る。そうしますと,191億円のうち,実際上いわゆる保険料にかかわってというのは27億円になる。これが実態であります。  したがって,私がここでお尋ねしたいのは,このように国のやり方によって生じている赤字の問題についてどのように考えているのか。この点です。  また,超過負担,これはいろいろ努力をしていると言っておられますけれども,これをやめさせるべきだと思いますけれども,超過負担についてどのように考えているか。調整対象外医療費は,これは国民健康保険運営協議会の中でも,お医者さん,はっきりこれはもう怒っていますね。つまり,こういう保険医療分野にこういうペナルティー的なやり方を持ち込むのは言語道断であるというふうにはっきり言っておりますけれども,この点についても,これははっきり国のやり方を変えさせるべきだと思いますけれども,この点での本市の対応,姿勢についてお尋ねをいたします。  それからもう一つ,これは今回の決算に出ている25億円の返還金の問題ですが,わが党は,これは払うべきじゃないということを強調いたしました。なぜかというと,いま札幌市の191億円のうちのこの赤字の内容は,いま指摘したように,ほとんどが国の制度いじり,やり方によって生じていると見ているからです。25億円,もっと35億円でありましたけれども,これを担保にして闘えということを私は何度か,これは主張してまいりました。  そういった点で,返還金を速やかに返して,そして国のほうからは,なかなかためたものを解消してもらえない,こういうことになっている本市の姿勢は弱腰だと。私はこれだけ深刻な国保会計を抱えていて,地方自治体が,国のこれだけ不当なやり方に対して,はっきりと闘うべきだと思うんでありますけれども,その点での姿勢はどうなのか,この点をお尋ねしたいと思います。 ◎笹尾 保険医療部長  なかなか難しいご質問でもございますが,まず25億円の返還金に関連しまして,要するに収納率だけの問題ではなくて,保険料が高いからそういうことにつながるんだと,こういうご意見でございます。  保険料が高いからというのは,医療費が高いから保険料が高くなると。これは保険料というのは,医療費に連動して決まってまいりますので,そういう関係が一つあろうかと思います。  それからもう一つ,赤字が生ずるというのは,実は一口で申しますと,保険料が十分に集め切れないからだと,こういうことになるわけでございます。もし保険料が当初予定したとおり集めることができますと赤字にはならないと,こういうことでございます。しかしながら,保険料が高いがゆえになかなか納めにくいんだという一面があることは,これはご指摘のとおりだと思います。  それから次に,老人医療費の調整対象外のお話でございます。  おっしゃるとおり,私ども54億円ぐらい,いままで影響があるというふうに見ておりますが,これについては,やめてもらうべきだというご主張でございますが,私どももこれにつきましては,ぜひやめてほしいということを国に言ってきているわけでございます。しかし,これは老人の医療費というのは,ご案内のように,老人の加入者案分率によって拠出をするという制度になっておりますものですから,その場合に,医療費が高くて全国平均の1.5を超えるようなところについては,その超えた分については,案分しないで全部拠出してもらいますよと,こういう制度でございます。したがいまして,もしそれを撤廃するということになると,実は他の保険者が非常に困るということで,賛成しかねるというようなことにもなるわけでございますが,私どもといたしましては,1.5と言わず1.6でもいいですから,少し緩和をしていただきたいなというような気持ちでございますので,これについては,従来からも国に要望をしているところでございます。  それから,3点目の事務費の超過負担分でございます。  これにつきましては,ご指摘のありましたとおり,この11年間で約85億円ほどございます。これにつきましても,時間もございませんから端的に申し上げますと,大体国保の事務費というのは,国が4割持っているような形になっています。したがいまして,そのような85億ほどの超過負担というのが出ているわけでございますが,これにつきましては,全国全部共通でありますし,特に政令指定都市につきましては,一番低い都市でも24%ぐらいの超過負担をしております。札幌の場合は約6割でございますけれども,そういうようなこともございまして,これは政令市も,それから全国の市長会も,ともに事務費については,基本的には全額国の負担でやってほしいと,こういうことを要望しておりますので,今後ともこれは要望してまいりたいと,このように思っております。  それから,2点目の25億,要するに会計検査で指摘されたところの返還金は,払うべきではないんだというようなことでございますが,これは議会,本会議でも申し上げているとおり,払うものは払って,しかる後に要望するものは要望していくんだというのが私どもの基本的な姿勢でございますので,ぜひご理解をいただきたいと思うんでございますけれども,この場合に,確かにいまの調整交付金の基準の緩和ということについては求めていきたいなと。いま少し,急な階段を登るようなぐらいのちょっと厳しいところがございますから,せめてスロープ並みのような格好に交付基準を緩和してほしい,こういうことを従来も言ってきましたけれども,今後ともそういう要望をしてまいりたい,このように思っております。 ◆生駒 委員  国のこういうやり方というのは,これ数字見ただけできわめて不当だというのは明らかだと思うんです。それに対して,いまの答弁の範囲では,全く遺憾だと,弱腰だと言わざるを得ません。  それで,こうした中で,抜本改正がやられないままに,こういうふうに国保の中のやるべき国のことをやらない。そういうことが大きく本市の会計を圧迫していると,こういうことであるというふうに考えます。  それで,収納対策についてでありますけれども,いままでも収納対策は,特別対策室をつくらなくても,これは一定の陣容を強化しながらやってきていたわけです。それで,実際にそれがどうなったのか。ここがやはり,やれば本当にこれ効果が上がるのかという問題なんです。つまり,保険料が払えない人が実際にいるというわれわれの認識でありますから,そこを対策を強化してやるということは,そこを痛めつけるということになるわけであります。それで,いままでも収納対策はやってきた。しかし,実際に,たとえば60年の収納率で言うと,82.13%,61年は81%台,62年度82%,63年81%,元年80%,そして2年度が81%台,ほぼ横ばいなわけです。これもこの間5年間,6年間,努力をしてきた結果なんですよ。それで,今度は特別対策室ということで,本当にこれ以上に前進させれるのかどうかというそのことがあるわけです。答弁では,見通しよりも,とりあえず少しでも何か取り組むみたいような,こんな程度の答弁でありましたけれども,結局余りいかない。ですから,たとえばこの収納対策の予算が14人で1億3,000万円でありますから,これに見合った効果が上がるのかどうかをお尋ねいたします。  それから,先ほど若干,悪質滞納者の問題が触れられましたけれども,悪質滞納者の問題についてお尋ねします。  保険料が入らない世帯は4万8,237世帯という答弁がございましたが,このうち,いわゆる悪質滞納者と言われるものは,何世帯で,金額は幾らになるのか。トータル,払わない全額のうち,額と同時に,この悪質滞納者と言われる者は,明確に区別がつくんですか,つかないんですか。つまりなぜ聞くかというと,滞納が多いということの中で,ほとんどが悪質滞納者であるかのような,そういう雰囲気が実際上いろいろと出されているというのが実際なんです。したがって,これはレッテルを張られるということにもなるわけです。したがって,4万8,237世帯のうち明確にどの部分が,どれだけの数字が悪質滞納者であるかどうか,数字が出ますかどうかをお尋ねいたします。  こういう中で,問題は,これからどうするかという点について最後まで聞いてしまいます。  今後の改善ですけれども,一つやっぱり国の抜本改正,これが実際にやるやると言ってそうならないというのが現状です。実際にこれが何がネックになっていてそうならないのかという点をお尋ねします。  それから,道費補助の増額についてでありますけれども,これは理論的には,札幌市への転入入院とその医療費への影響がどれだけあるかという,そういう計算を立ててやっております。それで,決算で見ますと2年度は3億2,800万円という額でありますが,これは前年より下回っているのですけれども,どういう理由になるのか。  それから,本来本市が補助をしてほしい,つまり影響額としてはじき出して,これだけは本市が影響を解消するために補助をすべきであるという試算では幾らになっているのかお尋ねをいたします。 ◎山澤 特別収納対策室長  初めの,ほぼ収納率が横ばいではないかというご質問に関してお答え申し上げます。  先ほど来申し上げておりますように,札幌市が平成2年6月に会計検査院の実地検査の結果,指摘をされました。そのときの居所不明の取扱いが不適当だということでございます。つまり,札幌市の特徴といたしまして,異動率が高いとか,そういうのが絶えず一定程度ございました。その取扱いが不適当だということでございますから,そういう指摘に沿って修正し直しますと,やはり同じような収納率になると,横ばいの状態の収納率になると。逆に申しますと,会計検査院が入る前でも,やはり同じような横ばいの状態でございます。したがいまして,あくまでも居所不明の取扱いいかんというようなことでございます。 次に,悪質か悪質でないかという区分がつくかということでございます。  これは簡単にはつきません。滞納者のところの個別的な事情を勘案して,個別性が非常に強いものでございますから,その数字が,これだけ,あれだけというようなものにはなってございません。  ただ一つ言えるのは,昨年の12月に,滞納というようなことから資格証明書を交付しています。それは,たしか88世帯というふうに申し上げたと思いますが,これにつきましては,納付折衝を行なっても相談には来ない,あるいは十分に負担能力があるのにもかかわらず払ってくれていないと。あるいは約束してもそれを履行してくれないと,こういうようなもので,あえて悪質な者は何ぼかと言われますと,資格証明書を発行した88世帯ということになろうかと思います。以上でございます。 ◎笹尾 保険医療部長  お尋ねのうち,後半の大きく分けまして2点についてお答えをさせていただきます。  まず最初に,国の抜本改正について,何がネックでたきないのかと,このお尋ねでございます。  国の抜本的な改正についてでございますが,特に本市におきましては,保険料負担の平準化や老人医療費の増大に対応する抜本的な対策等を講ずるよう要望してまいったところでございます。  まず,保険料負担の平準化についてでございますが,実現できなかった理由といたしましては,第1に,現状においては,医療費の地域格差が相当大きいことから,財政調整交付金の配分が低医療費の市町村から高医療費の市町村にシフトをする,流れるという形になりまして,結果として高医療費を是認するような形になると,こういうことが一つでございます。  また,もう一つは,安定化計画の実施により,医療費の地域格差是正を目指しているこれまでの方向に相反する形となりまして,関係者の合意を得ることが大変難しいと,こういうような判断があったようでございます。  それから第2に,平準化を進めるには,まず応益保険料の賦課方法を統一することが必要でございます。そのために保険料軽減制度の拡充によって実施する必要があるわけでございますが,応益保険料の賦課割合が全国的に見て相当分散しておりまして,来年度以降,着実に全国的な応益保険料割合の引上げが進むのかどうかという問題がありまして,平成3年度の実施が見送られたということでございます。  また,医療費に関する制度改正といたしましては,今回老人保健法が改正されまして,来年1月から一部実施となりましたけれども,抜本的改正とは言いがたい内容でございます。国におきましては,今回の老人保健法の改正と,すでに改正された国民健康保険法や老人福祉法を絡めて,次は一元化をという積極的な検討に取り組む構えのようでございます。したがいまして,本市といたしましても,全国市長会,指定都市等と連携を図りながら,保険料の平準化等を含めた医療保険制度の抜本改正について,今後も引き続き国に対して要望してまいりたい,このように考えております。  それから,後段の道費補助の関係でございますが,まず1点目は,道真補助が下がったのはどういうことかというようなことでございますが,これは言っておられるのは,5億200万であったのが平成2年度は4億7,800万と下がったではないかと,こういうことだと思いますが,これは,転入入院医療のうち医療機関に住所を有する人たちの医療費がやや減少したと,こういうことによるものでございます。  それから,いま一つ,道費補助の増額についてでございますが,これは転入入院医療費の影響額ということでございます。道費補助は,現在53年から開始された老人医療費の助成制度と,59年から実施された重度母子乳幼児医療の福祉医療と,それから転入入院とからなっているところでございます。平成2年度におきましては4億7,800万の助成金が交付されておりますけれども,転入医療にかかります総医療費をカウントしますと,大体41億円ほどあると思っております。  したがいまして,41億円のうち国保会計に及ぼす影響額はどのぐらいあるかということを試算してみますと,大体10億円ほどあると,このように思っておりますので,これは,従来からも議会のご支援をいただきながら道に要望してきたところでございますけれども,今後とも増額について要望してまいりたい,このように考えております。 ◆生駒 委員  抜本改正の問題では,国が金を出さないでやろうとするから,結局ほかの会計との問題,他の地方自治体との関係でできないと,こういう問題でありますから,これは引き続き働きかけを強めていかなきゃならないということであります。  また,道費補助の問題は,これは12億という道の枠があって,本市が試算している必要額というのは答弁がありませんでしたけれども,これは平成2年度で12億8,400万円というのが算出をされているということからいいますと,道の枠それ自体が本市で補助されるべきその額にすぎないとなるわけです。問題は,そうしますと,いわゆる12億という枠を決めて,それを各自治体に配分をするというつかみ金のようにすると。つまり理論的根拠を持って本市が詰めているけれども,それが道との関係できちっと詰まらない,そういう関係になっていると思います。したがって,枠を超えて補助を決めていくというふうに,今後とも強力に働きかけるよう要望をしておきたいと思います。  それから,収納対策でありますが,これの特別対策室ができて,どういう効果があらわれるかについては明らかにされませんでしたけれども,問題は,払える人が払うと,そして収納率は上がっていくと,これはいいということです。しかし,いまの現状では,高い保険料の中で相当無理があるということでありますから,収納に当たっては十分配慮をされるよう,厳しくやり過ぎないということを強く要望しておきます。  悪質滞納者の問題は,88世帯というふうにありましたから,全体が何か悪質滞納者であるかのようなそういう誤解の生じないよう,これにいろんなところで,報道なんかもそうですね。そういった点では,これが事実でありますから,確認をいたしておきたいと思います。以上で終わります。 ◆藤田 委員  それぞれかなり具体的な問題についての質問が出されました。  私は,最初に,事務費の関係,これをお尋ねしておきたいと思っています。つまり平成2年度の決算によりますと,12億5,145万7,000円,ということは超過になっておるわけです。  さて,この超過の内容ですね。先ほど言ったように,本来,国がこれを持つべきだという答弁がされました。私もそのとおりだと思うんですが,それでは,そのことを期待をしただけでいいのかどうかということになってまいりますと,私はいささか疑問があるんです。それはなぜかといいますと,一つには地方財政法の11条の2からいって,この国保会計という特別会計については,はっきりした定義がございます。したがって,国が言っておるのは,たとえば国民健康保険における職員の給与,これはラスパイレス指数からいきますと103.5ということになります。もう一つは,では,年齢,それから職員の数等いろいろ国で言っている基準,つまり自治省で言っている基準ですね,これに比較をいたしますと,かなり違うんです。  しかも,中身において役付の関係で申し上げますと,国が言っている基準によりますと,課長までは認めるけれども,部長は認めてないんですね,国は,そうですね。しかも,課長職につきましても,本市の場合,それぞれ区に課長がおります。それは,それぞれ兼任をいたしているわけです。年金と国保と兼任をいたしておりますから,この点,国のほうは0.7でそれを換算する形でこれを認めているわけです。いろいろそれを計算してまいりますと,私は,前段言ったように,国にそういう要求をすると同時に,現実に,国保の少しでも赤字を解消するためには,事務費についてもいろいろと努力をする必要はあるんでないか,こう思っているんです。  さて,本市の場合に,平均の年齢だけを言ってまいりますと40歳になっている。少ないところは30歳に満たない都市もあるわけであります。いろいろこれらのことを比較してまいった場合に,私は,いま特に国保関係に従事している職員というのは,一言で言って,大変にご苦労かけているなと思っているんです。それはどういうことではっきりしているかというと,ご承知のとおり,一定の3年同じ職におりますと,人事のほうに対して異動の希望を出すことになっています。そうですね。間違っているとしたらご指摘ください。たしか3年だったと思うんですが,その場合,国保会計にぜひ行きたいという希望者はいままで皆無だった,人事のほうによると皆無。しかし,ことしですか,何か1人だけ出たということは,これは大変なことだなという話が実に話題に出ているぐらいなんです。それだけ国保会計に従事する職員というのは,大変なご苦労が多いと思っている。そのことを考えてくると,やっぱり人事の交流等について,もっと私は創意工夫を凝らすべきでないかと思うんです。その点はどういうふうに具体的にそういう努力をされたか,この点が第1点です。  二つ目には,先ほど来,いろいろ滞納収納金の問題も出てまいりました。それは第1に,わが会派の大西委員のほうからも出てまいりましたし,生駒委員のほうからも出てまいりました。柿崎さんもですか,それぞれ出てまいりました。なるほどその中で,私は一つ気になることは,悪質滞納者ということは,私は生駒委員はどうかというと,それは否定なさる,やや否定をするような態度だったわけでありますが,私は残念ながら,これはやはり中にいる,存在する,これを認めざるを得ないんです。  さて,そこで,具体的に高額所得者と一般に言われる者がどのぐらいいるかと。先ほど悪質だと思われる,これは88所帯だと言っておりますが,これは余りそういう質問なり,質問をしたにしても,片方職員の守秘義務というものが法律的にありましょうから,そう直ちに明らかにできないことを私は承知もしながら,それからもう一つ,いませっかく収納対策室を設けて,一生懸命努力をしている。その場合に,多くの被保険者に,こんなにたくさんいるかなんていうことが市民の中になってまいりますと,それならこれ正直に納める者はむしろばかでないか。ちょっと問題な発言ですが,そういうことから考えて,これは非常に慎重を要する,あるいは配慮を要する答弁だと思っていますが,もう少しこれについて具体的にお聞かせいただけませんか,その内容。たとえば1銭も納めないという被保険者がいるんですか。実際に生活ができなければ生保なりの適用を当然受けれるわけですから,そうですね。この点について,いま少しく考え方をお示しください。  次は,3番目の問題について,どうも札幌市の国保の赤字の一番原因というのは,一言に言ってみますと,入院患者が非常に多いということ。それは病気の人が非常に多いということを言わざるを得ないんです。この点は,道見委員から言われた,つまり健康管理なり,あるいは予防医学ということについて重々,意を注がなきゃならんということは承知をいたします。しかし,もう一つ,私は,いまそれぞれの今日の核家族の状況からして,どうしても自宅の中で,それぞれ介護をしていくということは大変です,これは。したがって,安易にとは言いませんが,それぞれ病院に入ってもらうということが,やはりすぐそっちに行くことが多いと思っているんです。この点について,意を注いでいかなければ,この国保の赤字,これはほかの都市と比較をいたしましても,札幌市は断トツなんです。老人の病院もそのとおり,入院の占床率もそのとおり。そのことを考えてまいりますと,いかに医療費が高いかということは明らかになってきました。この点,私は国保にそのことだけを求めるというのは,これは難しいと思う。だから,これはつまり,少なくとも市の全体的な面から,どうするかということを性急に取り組まざるを得ない課題だと思っているんです,この点は。  これは民生,衛生を初めとして,全庁的に取り組む,この考え方を直ちに積極的にやらない限り,国保はますます苦しくなっていくだろうと思うんで,この点は局長とか,助役といえばあれですけれども,助役,これは他の局に関連をしてまいりますから,とりわけ衛生局に関連を持つ担当の助役としては,単なる通り一遍の答弁ではなくして,これから具体的にどういう取組みをするかということを,取組みの姿勢をひとつ明らかにしてください。以上であります。 ◎笹尾 保険医療部長  第1点目の件について,私のほうからお答えをさせていただきます。  人事交流に創意工夫をしているかと,こういうような一口に言うとお尋ねでございます。  私どもも,ただいま藤田委員から国保は大変だということで,職員をねぎらってくださるようなお話がございまして,大変感激をしておりますけれども,おっしゃるとおり,余り国保には行きたくないというのが通り相場のようにも聞いておるところでございます。私といたしましては,やはり3年周期ぐらいで職場をかえるということが理想的であるというふうに思っておりますから,昨年の4月私が参りましてからは,できるだけその線に沿って人事の交流もまた考えておりますし,それから,区のほうの職員につきましても,人事のほうともいろいろ相談いたしまして,積極的に異動を含めた交流というものを検討してきているところでございますので,ご理解をいただきたいと思います。 ◎山澤 特別収納対策室長  非常に難しいご質問でございますので,的を射た回答になるかどうか,ちょっと私も疑問でございますけれども,滞納者の中に悪質滞納者がいると,具体的にはどのくらいかというようなお話でございます。  所得とか,年収とか,家族構成とか,そういうことで,すべていろいろと細分化されますので,非常に難しいことでございますが,トータルの数字で,多分これがそうかなと思われる部分をちょっとご説明いたしたいと思います。  これは,家族数にかかわらず全部合計した数字でございますので,必ずしもそれというふうに絞り切れない部分があろうかと思いますけれども,所得が500万円を超えている世帯ですから,さらに上は相当な幅があると思いますけれども,そういう所得階層でいって,そういう階層が数としては1,800程度,未納と言われる部分があろうかなと,こんなふうに考えておりますが,どうもご質問からしますと,なかなかこういうデータをそろえるということはちょっと難しいかと思いますし,また,いろいろと差しさわりもあろうかなと思いますので,大変申しわけございませんけれども,この辺でご勘弁いただきたいと思います。 ◎木戸 助役  藤田委員の最後のご質問についてお答えいたします。  確かに一つには,国保の赤字を解消する手だてとしては,いまいろいろと段々と議論されているようなこともありますけれども,根本的には保険・医療・福祉というものがいろいろな形で連携をとって,できるだけ国保にかからないような体制をつくっていかなきゃならんということであろうと思います。  したがいまして,これは非常に難しい話だと思いますけれども,関係の局が集まって,何らかのそういう組織をつくって,いろいろ検討してみたい,このように思っております。以上です。 ◆藤田 委員  第1点の職員の関係というのは,私こういう意味で申し上げたんですよ。少なくとも地方財政法11条の2というのは,一般的に言えば,本市の財政需要額は算定の結果こうですと,収入はこうですという中に,国保の関係が含まれるとすれば,それは,国保そのものでペナルティーが科せられたとしても,全体としてはそれを減額することないはずなんです。そうですね。  ところが,この国保については,国保だけでそういう措置をされるものですから,先ほど言った給与費が103.5ということは,それだけ減額を食っているわけです。そうですね。だから,私そういう意味からも,これは市独自で改善のできることなんですよ。人事交流によって,平均年齢を,新陳代謝という表現がいいかどうか,それはある程度可能なんです。だから,それをできるかどうかと,すべきでないかと言っている。本来,国が全額持つべきだということは言うまでもありません。そういう意味で申し上げたわけです。  最後の助役,それはただ一般概念としてはそういうことになるかもしれませんけれども,私はそんな状態ではないと思っているんですよ,実際いま。全国の中で札幌市が赤というのは,2位か3位ぐらいでありましょう。この間,厚生省がしたところによると,北海道内でわずか二,三の市がかなり悪いところありました。しかし,そのことを考えてまいりますと,国保,極端に言うと,これは団体委任を受けているわけですね。団体委任を札幌市は国保,受けている。それなら,そんなものやめたらいいじゃないかと乱暴な言い方をすればそう思うけれども,しかし,全国の中で国保会計が大変に黒字のところが多い。  同時に,過日の政府管掌による国民健康保険にしても,あるいは企業における健康保険会計についても黒字だというんですから,こういうことを考えてまいりますと,国保をどうして立て直しをするかというのは,重要な課題であると同時に,本市にとっても大変大きな問題であります。それだけにですね,助役,単なる通り一遍の言い方ではなくして,具体的にどう全庁的に取り組むかという考え方をこの場合,いま直ちにどうするんだということまでは言いません。これが,取り組むという約束はできるか,どうでしょう,この点。 ◎木戸 助役  それでは,私から後段の質問についてお答えします。  いまお話ありましたような状況で,深刻であることは私どもも十分認識しております。したがいまして,先ほどお答えいたしましたように,やはり何らかの抜本的な対応策を講じなきゃならんのは,いままでもそうですが,これからもますますそういうことでありますから,全庁挙げた,いまここでどういう組織ということは申し上げられませんけれども,何らかの組織をつくって,深刻に受けとめて対応策を講じていきたい,このように存じます。 ○小谷 委員長  以上で,国民健康保険会計決算の質疑を終了いたします。  次の老人医療会計決算の質疑については,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了し,次回は明18日午後1暗から市立病院及び衛生局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────
          散 会 午後8時42分...